赤枯病/溝腐病
糸状菌による病害。「赤枯病」はスギ類の苗木に多い。それを放置すると、木が生長してから「溝腐病」が発生するらしい。木が枯死することは少ないが、木材としての価値が無くなる。そのため、林業において重大な病害とされ、発病株は処分される。
他の樹木にも同様の病害があるが、あまり問題にされない。
発生時期
5~11月
被害箇所
【赤枯病】新葉、若い枝など。
【溝腐病】幹、枝など。
主な症状
【赤枯病】褐色~暗褐色の小斑点ができ、へこんで亀裂を生じる。やがて、発病部分が赤褐色になって枯れる。発病部分には、黒い小斑点が見える。樹の下部から発病し、次第に上部に向かって広がるのが特徴。
【溝腐病】赤枯病を放置すると発生する。
幹や枝に縦長の溝ができて腐敗する。溝の長さや深さはさまざま。病原菌は、剪定傷や枯れ枝などから侵入し、上下に向かって腐朽を広げる。腐朽部分だけ、枝や幹が異常にふくらむこともある。症状がひどいと、発病部分より上部が全て枯れる。
対策
赤枯病のうちに、被害部分を全て除去し、薬剤を使用。近くにスギ林などがある場合は、被害株を処分する。
【薬剤】【散布】ICボルドー、Zボルドー、エムダイファー、クプラビットホルテ、グリーンダイセンM、グリーンペンコゼブ、コサイド3000、コサイドDF、コサイドボルドー、サンボルドー、ジマンダイセン、ドイツボルドーA、ペンコゼブなど。
予防策
土の水はけを改善する。通風を改善する。窒素肥料を控える。耐病性品種を栽培する。
【薬剤】【散布】上記と同じ。
主な被害植物
【樹木・果樹】スイショウ、スギ類、セコイア、ヒノキ、ラクウショウなど。