園芸用語:サ行
- 最高最低温度計
- 現在の温度のほか、一日の最高温度と最低温度も記録できる温度計。
- 採種
- 完熟したタネを採ること。
- サイトカイニン
- 植物ホルモンの一種。細胞分裂を促進する。
- 栽培種
- 人為的に栽培されている植物のこと。自生種に対する言い方。
- 細粒
- 土の粒の大きさが直径3mm未満のもの。タネまき・挿し木用土として使う。
- 魚かす
- →魚粉
- 咲き分け
- 一つの株に、色の違う二種類以上の花が咲くこと。サツキやオシロイバナなどに見られる。
- 作
- 東洋蘭や洋蘭で使われる言葉。一年間の栽培のこと。丸一年栽培すると「一作」、二年栽培すれば「二作」という。
- 作上がり
- 前年に比べて、今年の新芽の出来が良く、花付きや実付きが前年を上回ること。
- さく果(蒴果)
- 果実の分類の一種。二枚以上の心皮を持ち、完熟すると心皮の境界が裂けて、中からタネを出す果実。
- 作下がり(作落ち)
- 前年に比べて、今年の新芽の出来が悪く、花付きや実付きが前年を下回ること。
- 柵状組織
- 葉の表側の表皮の、すぐ内側にある組織。細長い細胞がびっしりと柵状に並んでいる。
- 探り掘り
- 地植えの木を移植する際、根を一本も切らないように、手で根を探りながら土を掘る作業。フジやジンチョウゲなど、少しでも根を切られると枯死する植物で行う。
- さし枝
- 1…盆栽用語の一つ。一方向に長く伸び、その木の樹形を特徴付けている枝。
2…→一の枝
- 挿し木
- 枝の一部を切り取り、清潔な土に挿して発根を促す繁殖方法。
- 挿し床(挿し木床)
- 挿し木用の土を入れた容器。
- 挿し芽
- 1…草本における挿し木のこと。
2…若い芽先を挿し穂にして挿し木すること。
- 挿し穂
- 挿し木に使う枝や茎。
- 叉状脈
- →遊離脈
- サッカー
- →吸枝
- 雑種
- 遺伝的特性の異なる両親から生まれた子。
- 雑種強勢
- 純血種より雑種の方が性質が強い現象。同一種の中では、両親の系統が離れているほど(=親同士が遠縁であるほど)顕著に表れる。この現象は一代目の雑種(F1)に最も強く表れ、二代目、三代目と進むに従い弱くなる。
- 雑種不稔
- 遠縁にあたる個体同士から生まれた雑種が、生殖能力に欠けていること。例えば、ハクサイとキャベツの雑種ハクランは、子孫を作れない。
- サバ幹
- 盆栽用語の一つ。幹の一部が枯れ、そこから白っぽくなった木質部が露出した状態。
- 莢果
- →豆果
- 三枝
- 大ギクの「三本仕立て」や「ダルマ作り」を構成する三本の枝。それぞれ、背の高いものから「天」「地」「人」と呼ぶ。
- 三角畝
- 畝の一種。畝を側面から見て、土を三角形に盛ったもの。
- サンクンガーデン
- 一部を掘り下げて高低差を付けた庭。敷地に立体感を持たせる工夫の一つ。
- 散形花序
- 花序の分類の一種。花茎の主軸が短く、ほぼ一個所から多数の花柄が伸びる花序。花柄の長さはどれもほぼ同じ。セリ科やウコギ科の花に多い。
- 山菜
- 一部または全体を食用にする植物のうち、日本の山野に自生するものをいう。
- 三出複葉
- 複葉のうち、小葉が三枚あるもの。 「三出葉」、「三小葉」ともいう。
- 酸度調整
- 土のpHが、酸性・アルカリ性のどちらにも偏らないよう、適正に調整すること。酸性の土には石灰、アルカリ性の土には硫黄華などを混入する。
- 三倍体
- 倍数体の一種。相同染色体数が必要数の三倍ある個体。通常は種子ができない。
- 散房花序
- 花序の分類の一種。花茎の主軸から多数の花柄が伸び、しかも、下方の花柄ほど長くなっている花序。多数の花がほぼ水平に並ぶことが多い。
- 山野草
- 山野に自生する野草類の総称。主に日本産の植物を指し、外国産のものは「洋種山野草」として区別することが多い。
- 山野草鉢(山草鉢)
- 山野草の生育と観賞の両方に適するように作られた鉢。素朴な焼き物鉢が多く、深さや形状はさまざま。空の鉢を水に浸けたとき、たくさん気泡の出る鉢ほど、通気性に優れている。
- C/N比
- ある有機物に含まれる、炭素(C)と窒素(N)の比率。適正とされる数値は15程度。数値が高いと窒素不足の原因になり、低いと窒素過剰の原因になる。
- シース
- →花鞘
- C3植物
- 日中に炭酸ガスを取り込んで光合成を行い、3個の炭素原子を持つ化合物を作る植物。温帯地域原産の植物に多く、生育適温は20~25℃。生育は穏やか。
- C4植物
- 日中に炭酸ガスを取り込んで、いったん有機酸(アスパラギン酸やリンゴ酸)にし、それを分解して高濃度炭酸ガスに変えてから光合成を行う植物。光合成によって、4個の炭素原子を持つ化合物を作る。熱帯地域原産の植物に多く、生育適温は30℃前後。性質が強く、特に高温下での生育速度がきわめて早い。トウモロコシや、水田・畑の雑草類が該当する。
- CP苗
- 「コミュニティーポット苗」の略。ラン科植物で使われる言葉で、10~20本くらいずつ寄せ植えにされた小苗のこと。大きくなったら一本ずつに植え替える。
- 地植え
- コンテナではなく、地面に直接植物を植えること。
- シェード
- →短日処理
- シェードガーデン
- 日当たりの悪い場所に作られた庭。斑入りの植物や耐陰性の強い花などを植え込み、明るい印象に仕上げることが多い。
- 雌花
- →雌花
- 自家結実(自家受精・自家受粉)
- 自分自身、または自分のクローン株の花粉で受粉~受精~結実すること。形質の異なる遺伝子が介入しないため、親とほぼ同じ子ができる。
- 自家不和合性
- 自家受粉では受精・結実しない性質。なお、植物によっては、環境が悪化するなどして自身の生存が危うくなった場合などに、自家受粉でタネを作るようになる。
- 直まき
- タネを、苗床などの仮の場所ではなく、直接、最終予定地にまくこと。
- シカミ葉
- 表面が縮れてシワだらけになった葉。古典園芸植物における「葉芸」の一種。
- 師管
- 葉で作られた炭水化物などを根に運ぶ輸送路。枝や茎の内部にある。
- 敷受け弁
- →裾弁
- 四季咲き(四季咲き性)
- 決まった花期がなく、生育適温が保たれれば一年中いつでも開花する性質。具体的には、春~秋まで断続的に咲き続ける性質を指すことが多い。
- 四季成り
- 四季咲き性で、かつ、長期間結実を繰り返すこと。
- 地際
- 幹や茎の、地面の間際の部分。
- 敷き藁
- 強光や乾燥を防ぐため、根元の土にワラを敷くこと。
- しける
- つぼみが、咲く前に枯れてしまうこと。主に東洋蘭や洋蘭で使われる言葉。
- 自己剪定
- 樹木が、弱った枝や貧弱な枝を自ら落とし、樹形を整えること。クスノキが好例。
- 自根(実根)
- 接ぎ木などがされていない、その植物自身の根。
- 刺座
- →刺座
- 獅子
- 葉の変化の一種。葉全体が強くカールすること。
- 獅子化
- →石化
- 獅子咲き
- 萼片や雄しべなどが花弁に変化した、豪華な咲き方。獅子のたてがみになぞらえた言葉。
- 自殖性植物
- 自分の花粉でタネを結び、単独で殖える植物。
- 雌蕊
- 雌しべのこと。
- 雌蕊先熟
- 雌性先熟ともいう。雌雄異熟の花のうち、雌しべが雄しべより先に成熟するもの。
- 自生
- ある地域に、野生の植物が自然の状態で生えていること。
- 自生地
- →原産地
- 自然交雑種
- 原種の植物が、人の手によらずに交雑して生まれた種類。
- 下木
- 背の低い樹木。高木の根元などに植え込み、アクセントにする。アジサイ、ウバメガシ、ツツジ類など。
- シダ植物
- シダの仲間の総称。花が咲かず、タネができない代わりに、胞子を作って繁殖する。胞子は前葉体(配偶体)となり、その後、根・茎・葉を持つ成株になる。多くの種子植物と同様の、発達した維管束を持つ。
- 下葉
- 枝・茎の基部付近に付いている葉。
- 支柱
- 植物が倒れないように支える棒。つる性や半つる性の植物、草丈の高い植物などに使われる。
- 支柱根
- 幹や枝から伸び出し、植物体が倒れないように支えている根。タコノキなどに見られる。
- 膝根
- マングローブ植物など、湿地に生える植物にみられる気根の一種。土中浅くを水平方向に這う根のあちこちから、突起状の物体が伸びて地表に露出し、そこから酸素を得て呼吸している。
- 湿性植物(湿地性植物)
- 湿原や河川、湖沼のほとりなど、水気の多い場所に生える植物。
- 質的短日植物
- 短日植物のうち、暗期が一定時間より短くなると、全く花が咲かないものをいう。
- 質的長日植物
- 長日植物のうち、暗期が一定時間より長くなると、全く花が咲かないものをいう。
- 紫泥鉢
- →泥もの
- 自動灌水装置
- 手間を省くため、水やりを自動化した装置。一般家庭用もあり、さまざまなメーカーから売り出されている。
- 篠
- 地下茎が横に這い、複数の茎を地上に出す植物において、一本一本の茎をこう呼ぶ。大きな株ほど、たくさんの篠で構成されている。
- シノニム
- 「同義語・類義語」の意。園芸上は、ある植物の「正名(正式名称)」に対する「異名」を指す。
- 師部
- 維管束の一部。主に、葉で作られた養分を根に運ぶ輸送路「師管」から形成される組織。
- シブリング
- 自分と同種の、別個体の花粉で受粉~受精~結実すること。形質の異なる遺伝子が介入するため、親とは違う子ができる。
- ジベレリン
- 植物ホルモンの一種。茎葉伸長・開花促進・種子の休眠打破などの作用がある。種なしブドウを作る際にも使われる。
- 子房
- 雌しべの基部にあって、胚珠を含む部分。受精後に果実やサヤになる。
- 子房下位
- 子房が花床より上にあること。
- 子房上位
- 子房が花床より下にあること。
- 縞斑
- 葉や花弁の主脈に沿って現れた、筋状の斑。
- 滲み壺(浸み壷)
- 着生植物の植え込みに使われる、素焼きの壺。植物を壺の外側に付けて壺の中に水を入れると、気化熱の作用で根の温度を下げる仕組みになっている。
- 支脈
- →側脈
- 霜除け
- 植物に直接霜が降りないように、不織布などをかけて防寒すること。
- 蛇皮
- 虎斑の斑の部分に、緑色の斑点が現れた状態。
- 弱剪定
- 枝先を少し切る程度の、軽い剪定。
- 尺鉢
- 10号鉢のこと。直径が約30cm(=1尺)なので、こう呼ばれる。
- 遮光
- 暑さ負けや葉焼けを防ぐため、人為的に光を遮ること。
- 斜上
- 茎が斜め上に向かって伸びている状態。
- シャリ(舎利)
- 盆栽用語の一つ。幹の一部が枯れて朽ち、骨のように白っぽくなったもの。盆栽では人為的に作るが、自然界でも見られる。
- シャリ木
- 針葉樹の枯れ枝で、内部が完全に空洞になったもの。着生植物を付けるのに用いる。
- 種衣
- →仮種皮
- 雌雄異花
- 1…→単性花
2…花が雌花と雄花に分かれており、一つの株に、その両方が咲くこと。
- 雌雄異株
- 雌花しか咲かない雌株と、雄花しか咲かない雄株に、完全に分かれていること。キウイがよい例。
- 雌雄異熟
- 一つの花の中に雌しべと雄しべを持ちながら、それぞれの成熟のタイミングがずれていること。自家受粉を避けるための知恵。
- 収穫前落果
- 生理落果の一種で、収穫直前に果実が落ちてしまうこと。土の極端な乾燥の後に、急激に水を吸わせると起こりやすい。
- 集合果
- 多数の小さな果実が集まり、一つの果実を形成したもの。ラズベリーが代表的。
- 秋材
- →晩材
- 集散花序
- 花序の分類の一種。まず主軸の先端に花が咲き、次に、その下から伸びた側枝の先端に花が咲く、というパターンを繰り返す咲き方。有限花序の一種。
- シュート
- 1…花・葉・トゲなどの付属物を含めた、一本の茎全体を指す言葉。
2…地際、または株元に近い地表から伸びる、勢いの良い若枝。
- 雌雄同花
- →両性花
- 雌雄同株
- 一つの株が、雌花と雄花の両方を咲かせること。ただし、同時に咲くとは限らない。
- 周年開花
- 生育環境さえよければ一年中いつでも開花する性質。
- 舟弁
- →竜骨弁
- 重弁花
- →八重咲き
- ジューンドロップ
- 果樹類において、6月頃、幼果が一斉に落ちる生理現象。葉の枚数に対し、果実が多すぎると起こりやすい。
- 朱温鉢
- 駄温鉢とほぼ同じで、縁に釉薬のかかっていない鉢。素焼き鉢ほどではないが、通気性や排水性はそれなり。
- 珠芽
- →むかご
- 主幹
- 地表面から伸びる、最も太い幹。
- 樹冠
- 樹木において、枝葉の生い茂る部分全体を、一つの塊として捉えた言い方。
- 種間雑種
- 種の異なる親同士から誕生した雑種。
- 種間不和合性
- 種がかけ離れた個体同士では、子ができないこと。例えば、アサガオとヒマワリを交配してもタネはできない。
- 樹形
- 樹木において、地上に出ている部分全てをひっくるめた形状をいう。
- 主根
- 地上の枝・茎とつながっている太い根。
- 主枝
- 主幹から直接伸び、樹形を作る枝。
- 種子植物
- 花を咲かせ、その後に種子を作って繁殖する植物。
- 樹脂道
- ヤニを出す「エピセリウム細胞」に囲まれた、管状の間隙。マツ類に見られる。マツノザイセンチュウは、マツに寄生するとき、ここを通って樹全体に広がる。
- 種子繁殖
- タネで殖えること。
- 宿主特異性
- 他の生物を害する生物は、どんな生物でも加害できるわけではなく、相手が極めて限定される。その制限のことをこう呼ぶ。例としては、アゲハチョウの幼虫はミカン科植物しか食べられず、モンシロチョウの幼虫はアブラナ科植物しか食べられない、などが挙げられる。
- 受精
- 植物においては、花粉にある二つの精細胞が、雌しべにある卵細胞と極核に一つずつ合体し、胚と胚乳になることをいう。
- 樹勢
- 樹木の生育の勢い。
- 宿根草
- 1…数年間に渡って生存し、開花・結実を繰り返す草本。
2…上記1のうち、冬または夏に、地上部分を枯らして根と芽だけになり、環境がよくなれば、再び茎葉を茂らせる草本。
- 出蕾
- 開花期が近づき、つぼみが出現すること。
- 種苗法
- 新品種の育成者を保護するための法律。この法律に基づいて登録された品種は、育成者の許可無くして増殖・販売することはできない。
- 受粉
- 雌しべの柱頭に花粉が付くこと。
- 珠柄
- タネの元になる胚珠と、子房の基部にある胎座をつなぐ部分。動物のへその緒のようなもの。
- 主脈
- 葉脈のうち、葉の中央を突っ切る、最も太いもの。
- 春化
- ある植物が、一定期間低温にあうことで、発芽や生育・花芽分化などが促される現象。温帯に自生し、春に開花する植物によくみられる。
- 馴化
- 生物が環境に適応し、遺伝的に変化していくこと。高山植物のエーデルワイスが、低地で実生を繰り返した結果、耐暑性を得たのが好例。
- 春材
- →早材
- 純正花芽
- 萌芽後、花になる芽。
- 子葉
- タネから発芽後、一番最初に開く葉のこと。本葉とは形が異なることが多い。
- 条
- 東洋蘭で使われる言葉。一個の偽鱗茎と、それに付いている葉をひとかたまりとした言い方。大きな株ほど、たくさんの条で構成される。
- 小花
- 頭状花序や穂状花序のような、小さな花が多数集まった花序を形作っている、小さな花のことをいう。
- 漿果
- →液果
- 上萼片
- ランの花にある三枚の萼片のうち、一番上にある萼片。
- 小花柄
- 一本の花茎に複数の花が咲く植物では、一つ一つの花に、ごく短い花柄が付いている。その花柄をいう。
- 正木
- 接ぎ木されたものではなく、自分の根で生育している株。
- 小梗
- →小花柄
- 小高木
- 高木に分類される木本のうち、おおむね高さ10m以下のものを、こう呼ぶことがある。
- 上作
- →作上がり
- 蒸散
- 植物が、体内の水分を、葉裏の気孔から水蒸気として出す作用。
- 掌状複葉
- 一枚の葉が複数の小葉で構成される「複葉」のうち、小葉が放射状に広がり、広げた手のひらを思わせる形になったもの。
- 小穂
- イネ科やカヤツルグサ科の花に見られる、小さな花序。二枚の苞穎と小花から成る。
- 上木
- 1…→上木
2…東洋蘭で使われる言葉。生育状態が良く、姿の整った株のこと。
- 小葉
- 複葉を構成する、小さな葉。
- 照葉樹
- 常緑広葉樹のうち、葉の表面にクチクラ層が発達し、光沢のある樹木を、特にこう呼ぶ。ツバキが典型的。
- 常緑広葉樹
- 常緑樹であり、かつ、広葉樹でもある木の総称。
- 常緑樹
- 新しく展開した葉の寿命が一年以上ある木の総称。落葉樹と異なり、休眠期も葉が落ちない。
- 常緑針葉樹
- 常緑樹であり、かつ、針葉樹でもある木の総称。
- 食害
- 害虫に茎葉や芽、花などをかじられること。
- 食虫植物
- 葉、または葉の変形した器官で虫を捕らえ、酵素で分解し、養分として吸収する植物。やせ地に生育していることが多い。
- 除雄
- 自家受粉を避ける目的で、開花前につぼみを切開し、未熟な雄しべを取り除くこと。人為的な交配をする際の下準備である。
- 除葉率
- 株全体の葉の枚数に対して、切り戻し・剪定で失われる葉の比率をいう。
- シリンジ
- →葉水
- シルバーリーフ
- →銀葉
- ジン(神)
- 盆栽用語の一つ。枝が芯から枯れ、白骨のようになったもの。盆栽では人為的に作るが、自然界でも見られる。
- 新枝
- →新梢
- 新木
- 東洋蘭で使われる言葉。前年に発芽・完成した若いバルブのこと。次の新芽が出るまでの間、こう呼ばれる。
- 唇形花
- 唇のような形をした花。シソ科植物に見られる。
- 新子
- 東洋蘭で使われる言葉。その年の春に伸びた新芽のこと。
- 人工受粉(人工交配)
- 確実に結実させるため、人為的に、花粉を雌しべの柱頭に付ける作業。
- 新梢
- 春に伸び出たばかりで、まだ年を越していない、若く新しい枝。
- 伸長生長
- 茎や根の先端部で盛んに細胞分裂が起こり、どんどん伸びていく生長。
- 芯摘み
- →摘芯
- 浸透移行性
- 殺虫剤や殺菌剤の有効成分が根や葉から吸収され、植物内に拡散して、長く効き続けること。
- 心葉
- 東洋蘭や洋蘭で使われる言葉。生育期の一番最後に出てくる、中心部の葉。他の葉に比べて、やや短い。これが育ち切ると、その年の生育は終わり。
- 心皮
- 雌しべを構成する、一枚または複数枚の葉のこと。「花は葉が変化したもの」という前提に立った言い方。マメ科は1枚、ウリ科は3枚の心皮を持つ。
- 唇弁
- →リップ
- 針葉樹
- 葉の形が、針のように細長い樹木の総称。多くは裸子植物である。
- 心蕾(芯蕾)
- キクにおいて、茎の先端から生じた、中心のつぼみをいう。
- 深裂
- 葉の主脈付近まで達する、深い切れ込み。
- 水耕栽培
- 土を使わず、養分を含んだ培養液だけで植物を育てる栽培方法。水栽培やハイドロカルチャーを含めることもある。
- 水裁花壇
- →ウォーターガーデン
- 穂状花序
- 花序の分類の一種。一本の花軸に多数の花がびっしりと咲く花序。花柄は無い。
- 水生植物
- 水中で育つ植物。大きく分けて、植物体が水上に出ない「沈水植物」、葉が水面に浮かぶ「浮葉植物」、茎葉が水上に伸び出る「抽水植物」、水底に根を張らず浮遊する「浮水植物」の四つがある。
- ずい柱
- →コラム
- 水中根
- 水面を浮遊する植物が、水中に伸ばしている根。植物体を支える役割は無い。
- 垂直分布
- 生物の分布状況の変化を、標高によって区分けしたもの。
- 水平分布
- 生物の分布状況の変化を、温度によって区分けしたもの。極地~寒帯~亜寒帯~温帯~暖温帯(暖帯)~亜熱帯~熱帯まで。
- す入り
- 収穫が遅れたために、カブやダイコンの根の内部に空洞ができてしまうこと。味も歯ざわりも悪くなる。
- 水冷鉢
- 山野草鉢の一種。一見、普通の鉢だが、鉢底に仕切り網があり、その下に水をためる仕組み。気化熱の作用を利用して鉢土の温度を下げる。鉢底に不織布のひもが付いており、そこから鉢土に水を供給する。暑さに弱く、かつ水切れを嫌う植物向き。
- 睡蓮鉢
- 鉢壁が肉厚で、鉢底に穴が無く、水が漏れない大型の鉢。中に土を入れ、スイレンなどの水生植物を植えて水を張る。
- スケーリング
- →カッティング
- スケルトンウッド
- 柱サボテンが枯れた後に残った、白い骨のような部分。維管束の集合体。
- スクーピング
- 球根植物の繁殖方法の一つ。球根の発根部を丸くえぐって生長点を取り除き、傷口を乾かして、子球を発生させる方法。
- 条斑
- →縞斑
- 条まき
- タネを一列にまくこと。 「筋まき」とも書く。
- 裾弁
- 大ギクの花の、最下層にある花弁をいう。
- スタンダード仕立て
- まっすぐ伸びた主幹の上部にのみ枝葉を茂らせる仕立て方。
- スタンド鉢
- 底にスタンド(脚+台)が付いている、背の高い鉢。茎葉が下垂する植物に向く。
- ステッピングストーン
- 庭に敷く「飛び石」のこと。間隔を空けながら複数の石を配置し、その上を歩く。
- ステム
- 茎や花茎のこと。
- ストライプ
- 葉や花弁に入る斑のうち、縞状になっているもの。
- ストリアタ(striata)
- 花色を示す言葉。花弁に縞模様が入っている状態。
- ストロベリーポット
- イチゴ栽培に使う鉢。壺型で、側面に数個のポケットが付いている。壺の口の部分と側面のポケットに植物を植える。
- ストロン
- →匍匐茎の1
- スプラウト
- 食用のモヤシのこと。
- スプラッシュ(splash)
- 洋蘭の花色を示す言葉。花弁の先端に、唇弁と同じ色がクサビ形に入っている状態。
- スプレー咲き
- 花茎の上部が枝分かれし、たくさんの花を付ける咲き方。切り花用。
- スポット
- 花に入る、ごく小さな点々模様。
- 素焼き鉢
- 約700~900℃の低温で焼かれた鉢。釉薬はかかっていない。通気性や排水性に優れるが、割れやすい。
- ずらし
- ある場所に植わっている植物の周囲に移植ゴテを差し込んで根を切り、掘り上げずに、そのままの状態で横方向にスライドさせること。
- スリップス
- 害虫のアザミウマ類のこと。
- 生育適温
- その植物の生育に適した温度の範囲。それより高くても低くても生育が鈍る。一般に、温帯性の植物で15~22℃、熱帯性の植物で25~30℃くらい。
- 正逆交配
- 種子親(母親株)と花粉親(父親株)を入れ替えた交配のこと。すなわち、種子親が花粉親となり、花粉親が種子親となった交配をいう。
- 生産生垣
- 果樹で作った、低い生垣。
- 整枝(整姿)
- 剪定・誘引などの作業により、株の姿形を整えること。
- 星状毛
- 一箇所から放射状に生え、あたかも星のような形に見える毛束。
- 生殖生長
- 茎葉の生育が抑制され、開花・結実に向かう生長の仕方。
- 整地
- 耕した土の表面を滑らかに整えること。
- 生長帯
- 茎や根の、著しい伸長を続けている部位をいう。先端よりやや後方に位置する。ここにある若い細胞は盛んに水を吸い、肥大し続けている。
- 生長点
- 枝や茎、根などの先端付近にあり、盛んに細胞分裂している部分。
- 生長点培養
- 植物の増殖法の一つ。生長点を付けて切り取った組織片を、無菌の寒天培地などで培養し、新しい植物体を作ること。細胞だけを培養するのとは違い、培養による変異が起こりにくい。また、ウイルスに冒された植物を生長点培養で複製すると、健全な苗(ウイルスフリー苗)を得やすい。
- 正名
- その生物の正式な学名。一つしか存在しない。
- 生理活性物質(生物活性物質)
- 生物に対して、何らかの作用を及ぼす物質の総称。体内で生成されるホルモンや神経伝達物質のほか、医薬品なども含む。
- 生理障害
- 強光・日照不足・過湿・過乾燥・肥料不足・肥料過多・極端な高温や低温・薬害などの理由で、株の生育が悪くなったり、病気に似た黄化・枯れ込みなどの障害が出ること。原因が取り除かれれば治る。
- 生理落果
- たくさん結実したとき、株が体力の消耗を防ぐため、自ら果実を落とすこと。
- ゼオライト
- 「沸石」と呼ばれる鉱物群を加熱し、内部の「沸石水」を除去したもの。とても軽く多孔質で、保水性・保肥性に優れる。有害物質を吸着し、根腐れを防止する効果もある。
- 節
- →節
- 舌
- →リップ
- 石化
- 生理現象の一つ。何らかの理由で生長点が複数生じ、枝や茎の形が塊状になるなど、著しく奇形化したもの。園芸上は珍重される。
- 石果
- →核果
- 石灰質肥料
- 苦土石灰や消石灰など、カルシウムを主体とする肥料。通常は、土壌酸度を調整する目的で用いる。
- 節間
- →節間
- 接種
- 針で刺したり、擦りつけたりして、病原体を植え付けること。果樹の場合、予め毒性の弱いウイルスを接種しておくと、その後、毒性の強いウイルスに感染しても、症状が抑えられることがある。
- 舌状花
- 可弁が筒状に合着し、上部だけが平開した花。キク科植物に多く見られる。タンポポの花は、この花がたくさん集まってできている。
- 絶対的短日植物
- →質的短日植物
- 絶対的長日植物
- →質的長日植物
- 施肥
- 肥料を施すこと。
- セミアルバ(semialba)
- 洋蘭の花色を示す言葉。唇弁以外の花弁の色素が抜け、白くなっている花。 唇弁には色が付く。
- 施釉鉢
- →化粧鉢
- セルフ
- →自家受粉
- セルレア(coerulea)
- 花色を示す言葉。全体が青紫色をした花。
- 全縁
- 葉の縁にギザギザや切れ込みなどがなく、なめらかな曲線を描いた状態。
- 先祖返り
- 変化した茎葉が、元の状態に戻ること。斑入り葉の斑が抜けて緑一色になるのがよい例。
- 剪定
- 姿を整えたり、生育を調整するなどの目的で、枝・茎を切ること。
- 腺点
- 葉や葉柄などに点在する、蜜や油分などを分泌する組織。
- 腺毛
- 茎葉などに生じる、毛のような突起物。粘液を分泌するものもある。
- 浅裂
- 葉などの縁に入る、ごく浅い切れ込み。
- 全裂
- 葉の主脈まで達する、深い切れ込み。「深裂」よりさらに深い。
- 痩果
- 閉果の一種。硬く薄い果皮の中に、直接タネが入った果実。果肉は無い。実際は果実だが、一個のタネに見える。ヒマワリのタネが典型例。
- 総梗
- 一本の花茎に複数の花が咲く植物において、花茎の部分をこう呼ぶことがある。
- 早材
- 樹木の年輪をよく見ると、色の薄い部分と濃い部分が交互に連なっている。このうち、色の薄い部分をこう呼ぶ。生長の盛んな春~初夏にかけて形成された部分で、材の密度が低い。
- 草姿
- 草全体の姿かたち。
- 走出枝
- →ランナー
- 総状花序
- 花序の分類の一種。一本の花軸から多くの花柄が伸び、下から順に咲いていくもの。
- 双子葉植物
- 被子植物のうち、発芽後に出る子葉が二枚ある植物。要するに「双葉」を出す植物である。葉の形が変化に富み、網状の葉脈を持つ。
- 層状鱗茎
- 球根の形態の一種である「鱗茎」のうち、肥厚した鱗片が層状に重なり合ったものをいう。一番外側に薄い皮がある。タマネギがよい例。
- 装飾花
- ガクアジサイ類にみられる、花序の周囲にある美しい花。雄しべ・雌しべが不完全な中性花である。
- 叢生
- →株立ち
- 早生種
- →早生種
- 相対的短日植物
- →量的短日植物
- 相対的長日植物
- →量的長日植物
- 草炭
- 泥炭の一種。寒冷地の湿地に生えるアシやヨシなどが腐敗せずに堆積し、腐熟したもの。強酸性。通気性・保水性がよい。
- 相同染色体
- 両親の配偶子(生殖細胞)に由来する、形状および遺伝子の並びがほぼ同一の、一対の染色体。
- 総苞
- 花の基部にある、苞葉の集まり。開花前に花を包んでいる。
- 総苞片
- 総苞を構成する、一つ一つの苞。
- 草本
- 草のこと。茎内部にある形成層の働く期間が短いため、茎がほとんど木質化しない。
- 草木灰
- 有機質肥料の一種で、草や木を燃やした灰。アルカリ性で、カリを多く含む。化学肥料(過リン酸石灰や硫安など)や化成肥料と同時に施すと、植物に障害が出る。
- ソーラス
- シダの葉裏に付く、胞子嚢の集団。
- 側芽
- →腋芽
- 側萼片
- ランの花にある三枚の萼片のうち、一番上の萼片を除いた残りの二枚をいう。
- 側花弁
- →ペタル
- 属間交配種
- 異なる属の種類同士を交配してできた、新しい種類。
- 束生
- →株立ち
- 側生
- 花や芽などが、枝・茎の途中にできること。
- 側脈
- 葉脈のうち、主脈の途中から分かれ出たもの。
- 側蕾
- キクにおいて、茎の上部で分枝した枝に付いた、小さめのつぼみをいう。
- 疎植
- 複数の植物を、間隔を広く取りながら植えること。風通しが良い。葉もの野菜の場合、すばらしい大株が収穫できたりする。
- 素心
- 色素が抜け、花色が白~黄~黄緑の一色だけになった状態。加えて、斑点や縞などの模様も入らず、花全体が無地となる。
- 速効性肥料(即効性肥料)
- 施すとすぐ効き始めるが、効果が切れるのも早い肥料。液肥が代表的。
- 側根
- 主根の途中から分かれ出て、さまざまな方向に伸びる、細めの根。太い主根に対する言い方。
- 外芽
- 枝の途中にある芽(腋芽)のうち、樹冠の外側を向くように付いている芽。萌芽後、よい樹形を作る枝になることが多い。
- 粗皮
- 古くなり、ひび割れて、ささくれだった樹皮。カキやブドウなどに見られる。害虫の越冬場所になるので、削り落としたほうがよい。