いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

園芸知識:コンパニオンプランツ

概要

  1. 二種類以上の植物を近距離に植えて栽培すると、一方または双方に、生育が良くなる・病虫害が減る、などの効果が現れることがある。「コンパニオンプランツ(共栄作物、共存作物)」とは、そのような共存共栄関係、あるいは、そのような関係にある植物同士のことをいう。具体的には、ウリ科野菜(キュウリなど)とネギ類を混植すると、ウリ科野菜の連作障害から来る「つる割病」が減少することなどが挙げられる。
  2. なぜそのような共存共栄関係が成り立つのかは、いくつかの理由があるらしい。(主に、木嶋 利男氏の説に依る。)
    • アレロパシー(他感作用)
      • 植物は、自分の一族を繁栄させるため、その他の生物(植物だけでなく、微生物、昆虫なども)の活動を促進または抑制する物質を放出することがある。この働きを利用すれば、栽培作物の生育を促進したり、雑草の生育を抑えたり、害虫や病原菌の活動を抑制できる。
    • 寄主特異性
      • 植物に害をなす虫や菌.類は、どんな植物でも寄生できるわけではなく、寄主となる相手が限定されている。従って、同じ土で、害虫や病原菌が好む植物ばかりを栽培すると、病害虫が喜んで集まってくるため被害が大きくなる。しかし、その中に、病害虫が嫌う植物を混ぜ込むと、病害虫の集まりが悪くなることがある。
    • 極相(クライマックス)
      • ある土地に生える植物群が、何度も種類を変えながら移ろいゆき、最終的に、その土地に最も適合した安定的な状態に到達する、という考え方を「極相」という。日本で最も一般的な変遷例は、「更地」→「草が生える」→「日光を好む陽樹・落葉樹が生える」→「日陰でも生育できる陰樹・常緑樹が生える」の順とされる。
      • 畑などの耕作地では絶えず人の手が入るので木は生えないが、除草をせずにいると、さまざまな雑草が生えてくる。そして、長期間に渡って同じ土で同じ作物を作ると、生えてくる雑草の種類が次第に単純化されて減ってゆき、特定の雑草だけが残る。生き残った雑草は、作物と共存可能な種類であり、除草の必要はない。この状態も、一種の「極相」とされる。
    • 根圏微生物
      • 植物の根の周りの土には、いろんな微生物(根圏微生物)が住んでいる。これらの微生物群は、根から分泌されるさまざまな物質の影響を受け、絶えず増減している。従って、長年同じ土で同じ植物だけを栽培し続けると、特定の微生物だけが異常に増えたり減ったり、という事態が起こる。そうなると、土中の微生物群の多様性が失われて単純化し、病原菌ばかりが増殖するなどして、生育不良・連作障害の原因となる。
      • 性質の異なる二種類以上の植物を同じ土で栽培すると、根から分泌される物質や、根圏微生物の種類が異なるため、土中で特定の微生物だけが増減する、ということがなくなる。微生物の多様性が保たれれば、植えられている植物の生育が良くなったり、病虫害が減ったりする。
    • バンカープランツ(天敵温存植物)
      • 害虫には、必ず天敵が存在する。この天敵に、好適な住みかや十分な餌を提供する植物を「バンカープランツ」という。バンカープランツに害虫が付くと、それを捕食する天敵がやってきて繁殖し、その結果、栽培作物に付く害虫が減る。いわば、野菜など本命の植物を守るための囮である。
  3. コンパニオンプランツの関係は、近年、脚光を浴びており、特に、野菜の減農薬栽培に利用する向きがある。ただ、農薬のような劇的な効果は無く、過剰な期待は禁物。長年根気よく続ければ、ようやく、穏やかな効果が現れてくる、気の長い病虫害防除法である。害虫が10匹来るところが8匹になれば御の字、くらいの精神的余裕を持ちたい。
  4. コンパニオンプランツの効果は、環境にも大きく左右されるようで、ある人が成功した方法が、自分の所でも通用するとは限らない。ただ、たった一度試みて駄目だったからと諦めるのは早計に過ぎる。
  5. 一緒に植え付ける植物の組み合わせは、縁の遠いものほど良い。所属する「科」が同じものは、混植に適さない。たとえば同じキク科のチコリとレタスを一緒に植えたところで、互いに病害虫を融通し合うのがオチである。
  6. 科が異なるだけでなく、草姿も異なっていたほうが混植しやすい。例えば草丈が同じくらいの植物同士を混植すると、互いに日光を奪い合ったりしてケンカし、コンパニオンプランツどころではなくなる。草丈については、高いものと低いものを組み合わせて植えたい。
  7. 一年以内に生育を終える一年生の作物と、何年にも渡って生育する多年生の作物を混植するときは、両者の草勢の違いに留意する。多年生の作物のほうが強いので、株分けするなどし、小さくしてから植え付けるとよい。その後も監視し、はびこりそうなら間引かないと、一年生の作物を駆逐することがある。
  8. 複数の株を植え付ける距離は、組み合わせによるが、近いほうがよい。が、近すぎると生長後に茎葉が混み合い、かえって病虫害を誘発する可能性がある。つかず離れず。
  9. ただ、ネギ類だけは茂りすぎる心配がなく、距離が近いほどコンパニオンプランツ効果が高まるため、直近に植え付けたほうがよい。
  10. コンパニオンプランツの効果は、引き抜いた残渣(残骸)を土の上に置くだけでも得られることがある。臭いが強く、さまざまな病害虫を遠ざけるネギ類やドクダミ、センチュウ駆除効果の高いマリーゴールドが良い例。これらは、不要になった株や枯れ葉などをマルチング材の代わりにしたり(野菜の苗などを囲むようにして、土の上に並べる)、刻んで土中にすき込んだりすると、さらに効果が現れる。
  11. 古来から、先人たちの知恵と経験で、さまざまなコンパニオンプランツの組み合わせが伝わっているが、科学的に解明されていないものもあり、注意が必要。また、コンパニオンプランツには、プラスになる関係だけでなく、マイナスに作用する関係もあることを覚えておきたい。
  12. ここから、コンパニオンプランツの具体的な組み合わせと効果を列挙する。種類が多すぎるため、大まかに分類してあるが見づらい。データの重複もある。なお、以下の記述は全てメモ書きレベル(私が試したのは一部)であり、間違いが多いと推測される。注意されたし。また、同じ組み合わせが、資料によって、相性が良いとされていたり悪いとされていたりで、一定しなかった点を書き添えておく。

ネギ・ニラ類を利用

ネギやニラの仲間は、根に病原菌の拮抗微生物が共生しており、土壌病害の防除に役立うえ、独特な臭気が害虫を遠ざける。なお、一般的に、ダイコン、結球野菜(キャベツ・ハクサイ・レタスなど)、マメ類と相性が悪いとされる。(ただし、相性が良いとする、まったく逆の説もみられた。)病害虫忌避などの効果を利用したければ、鉢植えにして近くに置く。

  1. ネギ・ニラ類全般…アスパラガスの立枯病を抑える。カボチャ・キュウリ・スイカ・ズッキーニ・ニガウリ・ユウガオなどのウリ科野菜と混植すると、ウリハムシなどの害虫を遠ざけ、萎凋病・立枯病・つる割病などの病気・連作障害を抑える。ゴボウの生育を助ける。コンニャクの乾腐病を抑える。スイスチャード・ホウレンソウなどアカザ科野菜と相性が良く、混植すると、害虫を遠ざけ、萎凋病などの病気を抑え、茎葉に含まれる硝酸を減らして食味を良くする。トマト・ナスなどのナス科野菜と混植すると、害虫を遠ざけ、青枯病・萎凋病・かいよう病・立枯病・根腐萎凋病・半身萎凋病などの病気を抑える。ニンジンの病気を減らし、互いに生育を助け合う。ブロッコリーの病気を抑え、害虫を遠ざける。サボテンの腐敗病を抑える。シンビジウム・デンドロビウムの腐敗病を抑える。ユリの立枯病を抑える。さまざまな植物のハダニを遠ざけ、土中のセンチュウ密度を下げる。茎葉に硫黄を含み、防腐作用がある。
    (※ 肯定・否定の両方がみられた説…キャベツ・ハクサイの病気を抑え、害虫を遠ざける。ダイコンと相性が良く、混植すると、萎黄病などの病気を抑える。レタス類と相性が良い。)
  2. アサツキ…カブの害虫を遠ざける。
  3. タマネギ…カモミールの病虫害を減らす。ニンジンの病気を抑え、互いに生育を助け合う。キュウリ・スイカと混植すると、つる割病などの病気を抑える。トマト・ナスの害虫を遠ざけ、青枯病・立枯病などの病気を抑える。ニンジンと相性が良く、互いに生育を助け合う。ホウレンソウと相性が良い。
    (※ 肯定・否定の両方がみられた説…イチゴの害虫を遠ざける。キャベツ・レタスと混植すると、互いに生育を助け合う。)
  4. チャイブ…イネの害虫であるカメムシ・ウンカなどを遠ざける。キュウリと相性が良い。トマトの害虫を遠ざけ、食味を良くする。ニンジンの害虫を遠ざけ、生育を助け、食味を良くする。パセリの生育を助ける。メロンの土壌病害・連作障害を抑え、互いに生育を助け合う。キイチゴ類と相性が良い。リンゴの黒星病を抑える。バラと相性が良い。アブラムシを始め、さまざまな害虫を遠ざける。
    (※ 肯定・否定の両方がみられた説…キャベツの害虫を遠ざける。)
  5. 長ネギ…カボチャ・シロウリ・スイカ・ズッキーニ・ニガウリ・メロンの土壌病害を抑え、生育を助ける。キュウリと混植すると、害虫を遠ざけ、連作障害・つる割病などの病気を抑え、互いに生育を助け合う。トマトの連作障害を抑える。ナス・ピーマンと相性が良く、病虫害を減らす。ホウレンソウの茎葉に含まれる硝酸を減らす。
  6. 葉ネギ…ウリ科野菜全般と相性が良い。ホウレンソウの害虫を遠ざけ、萎凋病を抑え、茎葉に含まれる硝酸を減らし、食味を良くする。
  7. ニラ…シシトウ・ジャガイモ、トウガラシ・ピーマン・ペピーノなど、ナス科野菜全般と相性が良く、生育を助ける。キュウリの連作障害を抑える。シソの生育を助ける。セロリの害虫を遠ざける。トマトと混植すると、害虫を遠ざけ、萎凋病・半身萎凋病などの病気・連作障害を抑え、互いに生育を助け合う。ナスの青枯病・半身萎凋病などの土壌病害・連作障害を抑える。ホウレンソウと相性が良い。オンシツコナジラミを遠ざける。
  8. ニンニク…アスパラガスの病虫害を減らし、互いに生育を助け合う。カモミールのアブラムシを遠ざけ、互いに生育を助け合う。キュウリのつる割病を抑える。トマト・ナスの青枯病・立枯病を抑える。ニンジンの病虫害を減らす。ナシ・ブドウ・リンゴと相性が良い。果樹類やバラと混植すると、キクイムシ・スカシバガなど、樹皮下に入り込む害虫を遠ざける。コガネムシなど、さまざまな害虫を遠ざける。
  9. ラッキョウ…キュウリのつる割病を抑える。ゴボウの生育を助ける。トマト・ナスの青枯病・立枯病を抑える。ニンジンの病虫害を減らす。
  10. ワケギ…カブの害虫を遠ざける。

ハーブ類を利用

ここでいうハーブとは、香草・薬草類全般を指す。ただし、チャイブはネギの仲間なので、上の「ネギ・ニラ類を利用」に記した。ハーブ類のうち、ラベンダー・ローズマリー・ワームウッドなどは、他の植物の生育を妨げるとされており、同じ土に植えないほうがよい。病害虫忌避などの効果を利用したければ、鉢植えにして近くに置く。

  1. アニス…アブラムシを遠ざける。アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。
  2. オレガノ…カボチャ・ズッキーニと相性が良く、害虫を遠ざける。キャベツの害虫を遠ざけ、生育を助ける。マメ科野菜の生育を助け、品質を向上させる。さまざまな害虫を遠ざける。
  3. カモミール…イネの害虫であるウンカやカメムシを遠ざける。カブ・キャベツ・ハクサイなど、アブラナ科野菜全般と相性が良く、生育を助け、食味を良くする。キュウリ・セロリと相性が良い。タマネギ・ネギ類の病虫害を減らし、生育を助け、食味を良くする。ニンニクの葉枯病を抑え、互いに生育を助け合う。ハクサイの害虫を遠ざけ、生育を助ける。ラッカセイと相性が良い。アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。さまざまな植物の生育を助ける。抗菌作用がある。
    (※ カモミールにはジャーマン種とローマン種があり、生育促進などの作用に優れるのはローマンカモミールのほう。)
  4. カラミンサ…アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。
  5. キャットニップ…トマトと相性が良い。果樹のスグリ類と相性が良い。害虫のノミハムシ類を遠ざける。アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。
  6. キャラウェイ…キャベツと相性が良い。根が深く伸び、土を軟らかくする。
  7. クレソン…セリ・ミツバと相性が良い。
  8. コリアンダー…キャベツの害虫であるアブラムシやコナガを遠ざける。ニンジンの害虫を遠ざける。キイチゴ類と相性が良い。ハダニを始め、さまざまな害虫を遠ざける。アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。
  9. サマーサボリー…インゲンと相性が良い。タマネギの生育を助け、食味を良くする。マメ科野菜全般の生育を助け、食味を良くする。
  10. シソ…キュウリの害虫を遠ざける。赤ジソと青ジソを混植すると、互いに生育を助け合う。(ただし交雑するので、タネを採りたいときは避ける。)トマトと混植すると、互いに害虫を遠ざけ合い、生育を助け合い、双方の食味が良くなる。ナスの病虫害を減らす。ピーマンの生育を助ける。
  11. ショウガ…キュウリと相性が良い。トウモロコシと相性が良い。
  12. スイートマジョラム…さまざな害虫を遠ざける。防腐作用がある。
  13. セージ(コモンセージ)…カイラン・スティックセニョール・ブロッコリーなどのアブラナ科野菜と相性が良い。キャベツのアブラムシ・アオムシを遠ざけ、食味を良くする。ハクサイの害虫を遠ざける。イチゴ・トマト・ニンジンと相性が良く、品質を向上させる。さまざまな植物の害虫を遠ざける。アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。
    (※ セージと名の付く植物は多いが、ここでいう効果が期待できるのはコモンセージと、その園芸品種のみ。)
  14. セリ…クレソンと相性が良い。
  15. セロリ(スープセロリも含む)…エダマメの害虫を遠ざける。キャベツと相性が良く、害虫のアブラムシ・コナガを遠ざける。トマトと相性が良く、害虫を遠ざける。ハクサイの生育を助ける。さまざまな害虫を遠ざける。
  16. センテッドゼラニウム…イチゴ・バラなど、バラ科植物の害虫を遠ざける。さまざまな害虫を遠ざける。
  17. タイム…カイラン、スティックセニョール、ブロッコリーなどのアブラナ科野菜と相性が良く、アオムシを遠ざける。キャベツのアブラムシ・アオムシを遠ざけ、生育を助ける。ハクサイの害虫を遠ざける。ジャガイモ・トマト・ナスの生育を助け、品質を向上させる。コナジラミを遠ざける。アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。
  18. タンジー…キュウリと相性が良い。キイチゴ類・スグリ類などの果樹や、バラと混植すると、アリ・ハムシ類・マメコガネを遠ざける。さまざまな害虫を遠ざける。
  19. チャービル…キュウリの害虫を遠ざけ、互いに生育を助け合う。カブ・ラディッシュの生育を助け、食味を良くする。メロンと相性が良い。
  20. ディル…キャベツと相性が良く、生育を助ける。レタス類と相性が良い。
  21. バジル類…カイラン・コマツナ・スティックセニョール・チンゲンサイ・ブロッコリーなどのアブラナ科野菜と相性が良い。カブの生育を助ける。キャベツと相性が良く、害虫を遠ざけ、連作障害を抑える。シュンギクの連作障害を抑える。ズッキーニのアブラムシを遠ざける。トウモロコシと相性が良い。トウガラシ・トマトと非常に相性が良く、害虫を遠ざけ、生育を助け合い、互いの食味を良くする。ナスのアブラムシを遠ざける。ピーマンのアブラムシ・ハダニなどを遠ざけ、土壌病害を抑える。ラディッシュのアブラムシ・ハダニなどを遠ざけ、病気・連作障害を抑える。蚊・ハエを遠ざける。
    (※ バジルには多くの種類があるが、スイートバジルが最も優れる。)
  22. パセリ…キュウリと混植すると、根元の乾燥を防ぐ。トマトと混植すると、互いに生育を助け合う。ナスの害虫を遠ざけ、互いに生育を助け合う。バラと相性が良い。ピーマンと相性が良い。ミョウガと相性が良い。さまざまな害虫を遠ざける。
  23. ヒソップ…ブドウの収穫量を増やす。アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。
  24. フェンネル…キャベツの害虫を遠ざける。
  25. ホースラディッシュ…ジャガイモを丈夫にし、耐病性を向上させる。
  26. ボリジ…イチゴと相性が良く、生育を助け、食味を良くする。カボチャと相性が良い。トマトと相性が良く、ヤガなどの害虫を遠ざける。キイチゴ類・スグリ類・ブルーベリーと相性が良い。アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。様々な害虫の天敵を呼び寄せる。
  27. ミツバ…キュウリと混植すると、根元の乾燥を防ぐ。クレソンと相性が良い。トマトと相性が良い。
  28. ミョウガ…カキと混植すると、互いに生育を助け合い、双方の収穫量が増える。パセリと相性が良い。地面を覆うため、乾燥・雑草を抑える。
  29. ミント類…カイラン・キャベツ・スティックセニョール・ブロッコリーなど、アブラナ科野菜と相性が良く、アブラムシ・アオムシなど、さまざまな害虫を遠ざけ、生育を助ける。キャベツのアオムシなどを遠ざけ、生育を助ける。ダイコンのアブラムシ・アオムシを遠ざける。トマトの生育を助け、品質を向上させる。ブルーベリーと相性が良く、害虫を遠ざける。コナジラミを始め、さまざまな害虫を遠ざける。土中のセンチュウ類を減らす。アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。土の乾燥を防ぐ。ハエを遠ざける。ネズミを遠ざける。
    (※ ミントにはいろんな種類があるが、主立った種類はどれも有益である。毒性のあるペニーロイヤルミントは例外なので下記。)
    • ペニーロイヤルミント…アリを遠ざける。
  30. ヤロウ(アキレア)…さまざまな植物の生育を助ける。
  31. ラベンダー…ブルーベリーと相性が良い。さまざまな害虫を遠ざける。野鳥を遠ざける。アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。
    (※ 他の植物の生育を妨げるとされ、混植には適さない。)
  32. ルー…キイチゴ類・バラなどのバラ科植物と混植すると、マメコガネを遠ざける。ハエを遠ざける。ネコを遠ざける。
  33. レモンバーム…トマトの生育を助け、食味を良くする。アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。
  34. ローズマリー…カイラン・スティックセニョール・ブロッコリーなどのアブラナ科野菜と相性が良く、アオムシ・ヨトウガなど、さまざまな害虫を遠ざける。イチゴと相性が良い。キャベツと相性が良く、アオムシなどを遠ざける。ニンジンと相性が良く、害虫を遠ざける。マメ類の害虫を遠ざける。コガネムシ・ナメクジを始め、さまざまな害虫を遠ざける。アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。抗菌・抗酸化作用があり、防腐剤になる。
    (※ 他の植物の生育を妨げるとされ、混植には適さない。)
  35. ロケット(ルッコラ)…インゲン・ソラマメの連作障害を抑え、生育を助け合う。エンドウと混植すると、互いの害虫を遠ざけ合い、生育を助け合う。
  36. ワームウッド…アブラムシ・アオムシ・ノミハムシ類など、さまざまな害虫を遠ざける。
    (※ 他の植物の生育を妨げるとされ、混植には適さない。)

マメ科植物を利用

ここでいうマメ科植物は、穀物・野菜類だけでなく、土壌改良などに用いる有用作物も含む。根に共生する根瘤菌が空気中の窒素を土中に固定するため、土壌を肥沃にする効果がある。なお一般的に、ネギ・ニラ類と相性が悪いとされる。また、根から他の植物の生育を抑制する物質を出すともいわれ、長年同じ土で栽培しないほうがよい。

  1. マメ類全般…カイラン・カブ・キャベツ・スティックセニョール・ダイコン・ブロッコリー・ラディッシュなど、アブラナ科野菜と相性が良い。キュウリの生育を助ける。セロリと相性が良い。トウモロコシと混植すると、互いに生育を助け合う。ジャガイモ・トウガラシ・トマト・ナス・ピーマンなど、ナス科野菜と混植すると、互いに生育を助け合う。ナガカメムシ類を遠ざける。
  2. インゲン全般…ジャガイモと相性が良く、互いに生育を助け合う。トマト・ナス・ピーマンの生育を助ける。
    • つる有りインゲン…アサガオと相性が良い。トウモロコシと相性が良く、害虫を遠ざける。ロケット(ルッコラ)の連作障害を抑え、生育を助け合う。
    • つる無しインゲン…ピーマンと混植すると、互いに害虫を遠ざけ合い、生育を助け合う。
      (※ 肯定・否定の両方がみられた説…キュウリと相性が良い。)
  3. エダマメ…地這いキュウリ・カボチャと相性が良い。サツマイモと相性が良い。サトイモと相性が良く、互いに生育を助け合う。シシトウ・ピーマンと相性が良く、生育を助ける。ジャガイモ・ナスと混植すると、互いに生育を助け合う。シュンギクと相性が良く、生育を助ける。跡地でタマネギを栽培すると、生育が良くなる。トウモロコシの生育を助ける。ニンジンと混植すると、害虫のカメムシ・キアゲハを遠ざけ、生育を助け、食味を良くする。跡地でホウレンソウを栽培すると、生育が良くなる。レタス類と相性が良い。
  4. エビスグサ…土中のセンチュウ類を減らす。
  5. エンドウ…ナスと混植すると、互いに生育を助け合う。ニンジンと相性が良い。ホウレンソウと相性が良い。ロケット(ルッコラ)と混植すると、互いの害虫を減らし、生育を助け合う。
  6. クロタラリア(タヌキマメ)…サツマイモと相性が良く、害虫を遠ざける。土中のネコブセンチュウを減らす。土を肥沃にする。
  7. クローバー類…キャベツ・ハクサイ・ブロッコリーの害虫を遠ざけ、生育を助ける。タマネギと混植すると、害虫のアブラムシ・スリップスを遠ざけ、生育を助ける。長ネギ・ニンニクの生育を助ける。地面を覆い、乾燥・雑草を抑える。
    (※ クローバーの仲間はいろいろあるが、どの種類も有益である。)
  8. ソラマメ…キャベツと混植すると、害虫のアオムシを遠ざけ、互いに生育を助け合う。トウモロコシと相性が良い。ハクサイと混植すると、害虫・土壌病害を減らし、生育を助ける。ブロッコリーの生育を助ける。
  9. ハブソウ…サツマイモと相性が良い。土中のセンチュウ類を減らす。
  10. ハッショウマメ…トウモロコシの生育を助ける。雑草を抑える(ただし、イネ科の雑草には効かないらしい)。
  11. ヘアリーベッチ…カンキツ類の生育を助ける。雑草を抑える。
  12. ラッカセイ…サツマイモと混植すると、互いに生育を助け合う。サトイモと混植すると、土中のセンチュウ類を減らす。トマトと混植すると、病虫害を減らし、互いに生育を助け合い、双方の食味が良くなる。ナスと相性が良く、生育を助ける。ニンジンの生育を助ける。地面を覆い、雑草を抑える。

その他の野菜・作物・果樹を利用

  1. アブラナ科野菜全般…アカザ・シロザ・スイスチャードと相性が良い。スベリヒユと相性が良い。シュンギクなど、キク科野菜の害虫を遠ざける。
  2. イネ科植物全般…土中のセンチュウ類を減らす。土を肥沃にする。
    (※ 混植に使うと立枯性病害・連作障害を抑えるともいわれるが、根拠が無いらしい。)
  3. キク科野菜全般…アブラナ科野菜の害虫を遠ざける。
  4. アスパラガス…トマトの病気を抑え、土中のセンチュウ類を減らし、互いに生育を助け合う。ニンニクと相性が良く、互いに生育を助け合う。
  5. イネ…土中のセンチュウ類を減らす。
  6. エンバク…カボチャと混植すると、うどん粉病を抑え、害虫のウリハムシを遠ざけ、生育を助ける。キュウリのうどん粉病を抑える。キスジノミハムシを遠ざける。跡地でアズキを栽培すると、落葉病の発生を抑える。
  7. カキ…ミョウガと相性が良く、互いに生育を助け合う。
  8. カボチャ…トウモロコシと混植すると、互いに生育を助け合う。
  9. カリフラワー…スイスチャードの生育を助ける。
  10. キャベツ… スイスチャードの生育を助ける。セロリと相性が良い。ソラマメと混植すると、互いに生育を助け合う。トマトと相性が良い。レタス類と混植すると、互いの害虫を遠ざける。
    (※ キャベツには夏まき品種・春まき品種があるので、合わせる作物に適したほうを選ぶ。)
  11. キュウリ…カブ・ラディッシュの生育を助ける。ショウガ・ミョウガと相性が良い。トウモロコシと混植すると、互いに生育を助け合う。ネギの害虫を遠ざけ、生育を助ける。
  12. ゴボウ…ホウレンソウの生育を助ける。
  13. サツマイモ…ラッカセイと相性が良い。
  14. サトイモ…エダマメ・ラッカセイと相性が良く、互いに生育を助け合う。
  15. ジャガイモ…ダイコンの害虫を遠ざける。ホウレンソウと相性が良い。
  16. シュンギク…キャベツ・コマツナ・ハクサイと相性が良い。チンゲンサイと混植すると、アオムシ・コナガ・ヨトウムシなどの害虫を遠ざける。
    • 株張り系の品種…地面を覆い、雑草を抑える。
  17. スイカ…地面を覆い、乾燥・雑草を抑える。
  18. ソバ…ハリガネムシ(コメツキムシの幼虫)を遠ざける。さまざまな害虫を遠ざける。カルシウムを集積し、土地を肥沃にする。(ただし、根から他の植物の生育を抑制する物質を出すともいわれ、長年同じ土で栽培しないほうがよい。)
  19. チンゲンサイ…シュンギクと混植すると、茎葉に含まれる硝酸を減らす。
  20. トウガラシ…カイラン・キャベツ・スティックセニョール・ハクサイ・ブロッコリーなどのアブラナ科野菜と混植すると、アオムシ・ハダニを遠ざけ、生育を助ける。アリの巣穴に突っ込むと効果有り。
  21. トウモロコシ…エダマメ・ソラマメなどのマメ科野菜と相性が良く、互いに生育を助け合う。カボチャ・キュウリ・スイカ・ズッキーニ・ニガウリ・メロンなどなどのウリ科野菜と混植すると、互いに生育を助け合う。ショウガ・ミョウガと相性が良い。インゲン・キャベツ・スイカ・トウガラシの害虫を遠ざける。跡地でダイコンを栽培すると、根肌がきれいになる。ニンジンと相性が良い。跡地でハクサイを栽培すると、生育が良くなる。ミツバと相性が良い。レタス類と相性が良い。ロケットと相性が良い。吸肥力が強く、土中の過剰な肥料成分を減らすので、跡地でマメ科植物を栽培すると、生育が良くなる。跡地でアズキを栽培すると、落葉病の発生を抑える。土中のセンチュウ類を減らす(ただし、キタネグサレセンチュウを除く)。
    (※ 混植に使うと立枯性病害・連作障害を抑えるともいわれるが、根拠が無いらしい。)
  22. トマト…アスパラガスと混植すると、害虫のハムシなどを遠ざけ、互いに生育を助け合う。カイラン・キャベツ・スティックセニョール・チンゲンサイ、ブロッコリーなどのアブラナ科野菜と混植すると、害虫のアオムシを遠ざける。キャベツ・タマネギと相性が良い。ニラの生育を助ける。バジルと相性が良く、互いに生育を助け合う。パセリ・セロリと相性が良い。ニンジンと相性が良く、互いに生育を助け合う。レタス類と相性が良く、生育を助け合う。コガネムシ・タネバエ類・ハムシ類を遠ざける。
  23. ナス…エダマメと相性が良い。パセリと混植すると、害虫のキアゲハなどを遠ざけ、互いに生育を助け合う。ネギ類と相性が良い。ホウレンソウと相性が良い。跡地でキャベツ・ブロッコリーを栽培すると、生育が良くなる。
  24. ピーマン…つる無しインゲンと混植すると、互いに害虫を遠ざけ合い、生育を助け合う。エダマメ・レタスと相性が良い。
  25. ニンジン…アブラナ科野菜と混植すると、害虫のアオムシを遠ざける。エダマメと混植すると、害虫のカメムシを遠ざけ、生育を助ける。トマトと混植すると、互いに生育を助け合う。ネギ類と混植すると、害虫のタネバエ類・タマネギバエを遠ざけ、互いに生育を助け合う。ハクサイと相性が良い。レタス類と相性が良く、生育を助ける。
  26. ブロッコリー…スイスチャードの生育を助ける。
  27. ホウレンソウ…カブ・ラディッシュの生育を助ける。ジャガイモ・ナスと相性が良い。ニンジンと混植すると、害虫のキアゲハを遠ざける。葉ネギの害虫を遠ざけ、食味を良くする。跡地でサツマイモを栽培すると、生育が良くなる。
  28. ムギ…土中のセンチュウ類を減らす。
    (※ 混植に使うと立枯性病害・連作障害を抑えるともいわれるが、根拠が無いらしい。)
  29. ラディッシュ…バジルの病虫害を減らす。レタス類の生育を助ける。
  30. レタス類…イチゴの生育を助ける。カボチャ・シロウリ・スイカと相性が良い。カブ・キャベツ・コマツナ・ハクサイ・ブロッコリー・ラディッシュなどのアブラナ科野菜と混植すると、互いにアオムシ・コナガ・ヨトウムシなどの害虫を遠ざけ合い、生育を助け合う。スイスチャード・ホウレンソウと相性が良く、生育を助ける。ズッキーニと相性が良く、株元を覆い。乾燥を抑える。トマトと相性が良く、互いに生育を助け合う。ディル・ナス・ニンジン・ピーマンと相性が良い。跡地でタマネギを栽培すると、生育が良くなる。(ただし、同時栽培は不可。)雑草を抑える。

その他の雑草・草花を利用

  1. アグロステンマ(ムギナデシコ)…コムギと混植すると、収穫量を増やす。
  2. アサガオ…つる有りインゲンの生育を助ける。カンキツ類のアゲハチョウを遠ざける。トウモロコシの病虫害を減らし、生育を助ける。メロンと相性が良い。
    (※ 普通のアサガオだけでなく、イポメア属の花もの全般が有益。)
  3. アスター…キャベツと相性が良い。さまざまな害虫を遠ざける。
  4. エンバク…アブラナ科野菜と混植すると、アオムシを遠ざける。キュウリのうどん粉病を抑える。刻んで土中にすきこむと、土を肥沃にする。
  5. オオバコ…ブドウと混植すると、紋羽病などの土壌病害を抑える。
  6. カタバミ…ニガウリの害虫を遠ざけ、生育を助け、食味を良くする。マンゴーの病害虫を減らし、生育を助ける。
  7. ギシギシ…ジャガイモと混植すると、害虫を遠ざけ、疫病・そうか病を抑える。土を肥沃にする。
  8. ギニアグラス…キュウリと混植すると、土中のネコブセンチュウを減らす。
  9. キンセンカ…アスパラガスと混植すると、害虫のジュウシホシクビナガハムシを遠ざける。ジャガイモ・トマトと相性が良い。野菜全般と相性が良い。ヤガなど、さまざまな害虫を遠ざける。
  10. コスモス…キャベツと相性が良い。さまざまな害虫を遠ざける。
  11. コリウス…シソの害虫を遠ざける。
  12. サルビア…キャベツ・ダイコン・チンゲンサイ・ハクサイ・ブロッコリーなどのアブラナ科野菜と混植すると、害虫のアオムシ・コナガなどを遠ざける。さまざまな害虫を遠ざける。
  13. ジニア…ウリ科野菜と混植すると、害虫のウリハムシを遠ざける。トマトと混植すると、害虫のヤガを遠ざけ、生育を助ける。
  14. ジャノヒゲ…ウメと混植すると、害虫を遠ざけ、生育を助ける。地面を覆い、乾燥・雑草を抑える。
  15. 宿根アスター…キャベツと相性が良い。
  16. 除虫菊…イチゴの生育を助ける。土中のセンチュウ類を減らす。さまざまな害虫を遠ざける。
  17. スイートアリッサム…レタス類と混植すると、互いに生育を助け合う。
  18. スイセン…野ネズミを遠ざける。
  19. スベリヒユ…地面を覆い、雑草を抑える。
  20. ゼラニウム…キャベツと相性が良い。ダイズと相性が良い。トウモロコシの生育を助ける。バラと相性が良い。ブドウと相性が良い。ヨコバイ類など、さまざまな害虫を遠ざける。
    (※ 害虫防除効果は、白花のゼラニウムが特に優れるらしい。)
  21. ダリア…土中のセンチュウ類を減らす。
  22. ドクダミ…さまざまな害虫を遠ざける。
  23. ナギナタガヤ…カンキツ類の病虫害を減らし、食味を良くする。地面を覆い、雑草を抑える。
  24. ナスタチウム…カイラン・カブ・キャベツ・スティックセニョール・ダイコン・ブロッコリーなど、アブラナ科野菜のアブラムシ・コナジラミ・ハモグリバエを遠ざけ、生育を助ける。ウリ科野菜の害虫を遠ざける。カボチャの生育を助ける。キュウリの病虫害を減らし、生育を助け、地面を覆って土の乾燥を防ぐ。スイスチャードの生育を助ける。トマト・ナスと相性が良く、生育を助ける。ハクサイの害虫を遠ざける。レタス類の生育を助ける。スグリ類と相性が良く、生育を助ける。キイチゴ類と相性が良い。オンシツコナジラミ・カメムシを遠ざける。さまざまな野菜の害虫を遠ざける。アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。硫黄・シアンを含み、抗菌作用がある。
  25. ハコベ…キャベツ・ダイコンと相性が良く、生育を助ける。ニガウリの害虫を遠ざける。
    • ヤンバルハコベ…ニガウリの害虫を遠ざけ、生育を助け、食味を良くする。
  26. ハゼリソウ…跡地でネギ類を栽培すると、品質が良くなる。
  27. ヒガンバナ…さまざまな害虫を遠ざける。野ネズミ・モグラを遠ざける。
  28. ヒマワリ…エダマメの害虫を遠ざける。キャベツ・メロンと相性が良い。
  29. ペチュニア…イチゴの害虫を遠ざける。インゲンの害虫を遠ざけ、生育を助ける。マメ科野菜の害虫を遠ざける。キイチゴ類。スグリ類の害虫を遠ざける。アブラムシ・ヨコバイ類などを遠ざける。アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。
  30. ホオズキ…ナスと相性が良い。
  31. マリーゴールド…キャベツなどのアブラナ科野菜と混植すると、害虫のアオムシ・コナガ・ハムシ類を遠ざける。カボチャ・ズッキーニのセンチュウ類を遠ざけ、生育を助ける。キュウリのアブラムシ・センチュウ類を遠ざける。シシトウ・ジャガイモの害虫を遠ざけ、生育を助ける。スイカの病気を抑え、連作障害を防ぐ。ダイコンの病気を抑え、センチュウ類などの害虫を遠ざけ、連作を可能にする。トマト・ナス・ピーマンの病虫害を減らし、生育を助ける。ニンジンのセンチュウ類を遠ざけ、根肌をきれいにする。レタス類の生育を助ける。バラと相性が良い。アオムシ・オンシツコナジラミ・コガネムシ、コナガ・ハムシ類・ミナミキイロアザミウマなど、さまざまな害虫を遠ざける。土中のセンチュウ類を減らす。アブ・ハチなど、受粉に有益な昆虫を呼ぶ。
    (※ マリーゴールドには、一年草種と多年草種があるが、優れた効果を発揮するのは一年草種のほう。)
  32. ヤグルマギク(コーンフラワー)…キャベツと相性が良い。

バンカープランツ

コンパニオンプランツの一種に、「バンカープランツ(天敵温存植物)」というものがある。これは、「敢えて害虫の被害に遭いながら栽培作物の天敵を増やす植物」や「花粉や蜜、好適な住み処を提供し、天敵の安定的な生活を維持する植物」をいう。
トウモロコシやヒマワリなど草丈の高い植物を、害虫飛来を防ぐ障壁として利用する場合は、必ず草丈の高い品種を用い、風の通り道を遮るように植える。(小さな害虫は、風に乗って飛んでくる。)
また、障壁とまではいかなくとも、大切な植物のすぐ側に、それより草丈の高い草本を混植、あるいは鉢植えにして置けば、害虫はまずそちらに寄生するので、大切な植物の被害を減らせる。(小さな害虫は、より草丈の高い植物を好む傾向がある。)

  1. アスター…クサカゲロウ・クモ・ゴミムシ・テントウムシ・ヒメハナカメムシなど、害虫の天敵を増やす。
  2. イヌガラシ…アブラムシ・カイガラムシ・テントウムシダマシ・ハダニなどを自分に誘引しつつ、天敵を増やす。
  3. イヌホオズキ…アブラムシ・カイガラムシ・テントウムシダマシ・ハダニなどを自分に誘引しつつ、天敵を増やす。
  4. エンバク…クサカゲロウ・クモなど、害虫の天敵を増やす。他の植物を囲んで植えると、害虫の飛来を防ぐ障壁となる。
  5. カタバミ類…ハダニを自分に誘引しつつ天敵を増やし、カンキツ類・ニガウリ・ブドウ・マンゴーを守る。アブラムシ・カイガラムシ・テントウムシダマシなどを自分に誘引しつつ、天敵を増やす。
  6. カモミール…アブラムシを自分に誘引しつつ天敵を増やし、ダイコン・ニンジン・ブロッコリーを守る。
  7. カラスノエンドウ…アブラムシ・カイガラムシ・テントウムシダマシ・ハダニなどを自分に誘引しつつ、天敵を増やす。
  8. ギシギシ…テントウムシダマシを自分に誘引しつつ天敵を増やし、ジャガイモを守る。アブラムシ・カイガラムシ・ハダニなどを自分に誘引しつつ、天敵を増やす。
  9. キスゲ…アブラムシ・カイガラムシ・テントウムシダマシ・ハダニなどを自分に誘引しつつ、天敵を増やす。
  10. キャラウェイ…クサカゲロウ・クモ・ゴミムシ・テントウムシ・ヒメハナカメムシなど、害虫の天敵を増やす。
  11. クローバー…アブラムシ・ヨトウムシを自分に誘引し、夏キャベツを守る。カイガラムシ・テントウムシダマシ・ハダニなどを自分に誘引し、他の植物を守る。クサカゲロウ・クモ・ゴミムシ・テントウムシ・ヒメハナカメムシなど、害虫の天敵を増やす。アオムシ・アブラムシの天敵である寄生バチ類を呼ぶ。
    • クリムソンクローバー…アブラムシ・スリップスなどを自分に誘引しつつ天敵を増やし、タマネギを守る。
  12. コスモス…クサカゲロウ・クモ・ゴミムシ・テントウムシ・ヒメハナカメムシなど、害虫の天敵を増やす。
  13. 宿根アスター…クサカゲロウ・クモ・ゴミムシ・テントウムシ・ヒメハナカメムシなど、害虫の天敵を増やす。
  14. スイバ…アブラムシ・カイガラムシ・テントウムシダマシ・ハダニなどを自分に誘引しつつ、天敵を増やす。
  15. スカシタゴボウ…アブラムシ・カイガラムシ・テントウムシダマシ・ハダニなどを自分に誘引しつつ、天敵を増やす。
  16. ソラマメ…アブラムシの天敵であるアブラバチ(寄生バチ)・テントウムシを呼ぶ。
  17. ソルゴー…アブラムシ・スリップスの天敵であるクサカゲロウ・クモ・ヒメハナカメムシなどを呼び、ナスを守る。さまざまな害虫を自分に誘引しつつ天敵を増やし、他の植物を守る。他の植物を囲んで植えると、カメムシ・コガネムシ・ヨトウムシなどの飛来を防ぐ障壁となる。
  18. ダリア…クサカゲロウ・クモ・ゴミムシ・テントウムシ・ヒメハナカメムシなど、害虫の天敵を増やす。
  19. ディル…クサカゲロウ・クモ・ゴミムシ・テントウムシ・ヒメハナカメムシなど、害虫の天敵を増やす。
  20. トウモロコシ…クサカゲロウ・クモ・ゴミムシ・テントウムシ・ヒメハナカメムシなど、害虫の天敵を増やす。他の植物を囲んで植えると、カメムシ・コガネムシ類・ヨトウムシ(ヨトウガ)などの飛来を防ぐ障壁となる。
    (なお、トウモロコシは風媒花で、しかも自家結実しないため、必ず二列ずつ植えないとまともに収穫できない。)
  21. ナスタチウム…アブラムシを自分に誘引し、他の植物を守る。
  22. ヒマワリ…コガネムシ類・スリップスなどを自分に誘引し、エダマメなど、他の植物を守る。クサカゲロウ・クモ・ゴミムシ・テントウムシ・ヒメハナカメムシなど、害虫の天敵を増やす。他の植物を囲んで植えると、さまざまな害虫の飛来を防ぐ障壁となる。
  23. ベチベル…クサカゲロウ・クモなど、害虫の天敵を増やす。
  24. ベリー類(ブラックベリー、ラズベリー)…さまざまな害虫の天敵を増やす。他の植物を囲むと、さまざまな害虫の飛来を防ぐ障壁となる。
    (※ 樹勢が強いため、混植は避ける。)
  25. ホトケノザ…アブラムシ・カイガラムシ・スリップス・テントウムシダマシ・ハダニなどを自分に誘引しつつ、天敵を増やす。
  26. ヤンバルハコベ…ハダニを自分に誘引して天敵を増やし、ニガウリを守る。
  27. ホオズキ…カメムシ類を自分に誘引し、ナス科野菜を守る。
  28. マメ科植物全般…アブラムシを自分に誘引し、他の植物を守る。
  29. マリーゴールド…クサカゲロウ・クモ・ゴミムシ・テントウムシ・ヒメハナカメムシなど、害虫の天敵を増やす。
  30. ミント類…クサカゲロウ・クモ・ゴミムシ・テントウムシ・ヒメハナカメムシなど、害虫の天敵を増やす。
  31. ムギ…アブラムシの天敵であるアブラバチ(寄生バチ)・テントウムシを呼ぶ。
  32. ヤグルマギク(コーンフラワー)…クサカゲロウ・クモ・ゴミムシ・テントウムシ・ヒメハナカメムシなど、害虫の天敵を増やす。
  33. ヨモギ…アブラムシ・ハムシ類を自分に誘引して天敵を増やし、他の植物を守る。(ただし、キク科野菜の害虫を増やす。)アブラムシの天敵であるアブラバチ(寄生バチ)・テントウムシを呼ぶ。
  34. ラベンダー…さまざまな害虫の天敵を増やす。
    (※ 他の植物の生育を妨げるとされ、同じ土に混植しないほうがよい。)
  35. ローズマリー…さまざまな害虫の天敵を増やす。
    (※ 他の植物の生育を妨げるとされ、同じ土に混植しないほうがよい。)

禁忌の組み合わせ

コンパニオンプランツにおける、具体的なマイナスの組み合わせを以下に列挙する。「一緒に栽培すると問題のある組み合わせ」と、「同じ土での栽培順序が問題になる組み合わせ」がある。ここより上の記述にある「相性の良い組み合わせ」と全く同じ組み合わせが、一方では「相性が悪い」とされており、一定しない点に注意。肯定説・否定説の両方がある組み合わせは、その旨を記した。

  • 野菜・マメ類・ハーブ・果樹など
    1. アブラナ科野菜全般…イチゴと相性が悪く、生育を妨げ合う。跡地でジャガイモを栽培するのは良くない。
    2. イチゴ…アブラナ科野菜全般と相性が悪く、生育を妨げ合う。キャベツ・タイム・ミント・ローズマリーと混植すると、生育が悪くなる。
      (※ ローズマリーはそもそも、混植に適さない植物とされる。)
    3. インゲン…カブ・ニンジン・ビーツなどの根菜類と混植すると、土中のセンチュウ類を増やす。(混植はもちろん、跡地でこれらを栽培するのも不可。)
      (※ 肯定・否定の両方がみられた説…カボチャ・キュウリ・スイカ・メロンなどのウリ科野菜と混植すると、土中のセンチュウ類を増やす。)
    4. ウリ科野菜全般…ウリ科野菜同士を混植すると、生育を妨げ合ったり、養分を奪い合う。ナス科野菜全般と混植すると、土中のネコブセンチュウを増やす。ニンジン・ゴボウと混植すると、土中のネコブセンチュウを増やす。
    5. エダマメ…跡地でニンジンを栽培すると、生育を悪くする。(混植して同時栽培するのは可。)
    6. エンドウ…跡地でホウレンソウを栽培すると、立枯病を誘発する。(混植して同時栽培するのは可。)
    7. オクラ…ナス科野菜全般と混植すると、土中のネコブセンチュウを増やす。ニンジン・ゴボウと混植すると、土中のネコブセンチュウを増やす。(混植はもちろん、跡地でこれらを栽培するのも不可。)
    8. カボチャ…ウリ科野菜全般と相性が悪い。ジャガイモと混植すると、生育を妨げ、疫病などを誘発する。
    9. キャベツ…ボリジと相性が悪い。跡地でサツマイモを栽培すると、土に残った過剰な肥料成分が生育を悪くする。跡地でジャガイモを栽培すると、生育を妨げ、病気を誘発する。
    10. キュウリ…ウリ科野菜全般と相性が悪い。セージと相性が悪い。跡地でカリフラワー・ニンジン・ブロッコリーを栽培しないほうがよい。
    11. ゴボウ…ウリ科野菜全般と混植すると、土中のネコブセンチュウを増やす。オクラと混植すると、土中のネコブセンチュウを増やす。
    12. サツマイモ…跡地でサトイモを栽培しないほうがよい。
    13. ジャガイモ…ナス科野菜全般と相性が悪い。跡地でエンドウ・ショウガを栽培しないほうがよい。
    14. スイカ…ウリ科野菜全般と相性が悪く、疫病を誘発する。
    15. ソバ…根から他の植物の生育を妨げる物質を出すといわれ、長期間同じ土で栽培しないほうがよい。
    16. ダイコン…ネギ類と混植すると、又根になったり、生育が悪くなったりする。ブドウと相性が悪い。
    17. トウモロコシ…トマトと混植すると、双方の草丈が高いため日光を奪い合う。ナスと混植すると、生育を悪くする。異品種のトウモロコシを近くに植えると、交雑して品質の悪い実ができる。土中のキタネグサレセンチュウを増やす。
    18. トマト…ナス科野菜全般と相性が悪い。トウモロコシと混植すると、双方の草丈が高いため日光を奪い合う。
    19. ナス…トウモロコシと相性が悪い。ヒマワリと相性が悪い。跡地でゴボウを栽培しないほうがよい。跡地でサツマイモを栽培すると、土に残った過剰な肥料成分が生育を悪くする。
    20. ナス科野菜全般…ナス科野菜同士を混植すると、生育を妨げ合ったり、養分を奪い合う。ウリ科野菜全般と混植すると、土中のネコブセンチュウを増やす。オクラと混植すると、土中のネコブセンチュウを増やす。
      (※ 肯定・否定の両方がみられた説…シシトウ・トウガラシ・トマト・ナス・ピーマン(いずれもナス科野菜)は、互いに相性が良い。)
    21. ニラ・ネギ類全般…マメ科植物全般と混植すると、マメ科の根に共生する根粒菌を遠ざけ、生育を悪くする。キャベツ・ハクサイ・レタスなどの結球野菜と混植すると、生育が悪くなったり、結球の仕方が変になる。ダイコンと混植すると、生育が悪くなったり、又根にするなど、根の形が変になる。イチゴと混植すると、生育を妨げ合ったり、養分を奪い合う。
    22. ニンジン…ウリ科野菜全般と混植すると、土中のネコブセンチュウを増やす。オクラと混植すると、土中のネコブセンチュウを増やす。ディルと相性が悪い。ハマスゲと相性が悪い。跡地でジャガイモを栽培するのは良くない。
    23. ピーマン…ナス科野菜全般と相性が悪い。
    24. ベリー類(ブラックベリー、ラズベリー)…樹勢が強すぎ、他の植物全般の生育を悪くする。
    25. ホウレンソウ…クレマチスと混植すると、土中のネコブセンチュウを増やす。跡地でジャガイモを栽培すると、生育を悪くし、病気を誘発する。
    26. ボリジ…キャベツと相性が悪い。
    27. メロン…ウリ科野菜全般と相性が悪く、疫病を誘発する。
    28. ラベンダー…他の植物全般の生育を悪くする。
    29. レタス類…跡地でエダマメ・スイカを栽培しないほうがよい。跡地でサツマイモを栽培すると、土に残った過剰な肥料成分が生育を悪くする。
    30. ローズマリー…他の植物全般の生育を悪くする。
  • 草花など
    1. インパチエンス…クレマチスと混植すると、土中のネコブセンチュウを増やす。
    2. グラジオラス…野菜全般と相性が悪く、生育を悪くする。(ただし、ジャガイモは問題ない。)インゲン・エンドウなどのマメ科野菜と相性が悪い。
    3. ハゼリソウ…土中のキタネグサレセンチュウを増やす。
    4. ヒナゲシ(虞美人草・シャーレーポピー)…コムギと混植すると、収穫量を減らす。
    5. ヒマワリ…土中のキタネグサレセンチュウを増やす。
    6. フリージア…野菜全般と相性が悪く、生育を悪くする。(ただし、ジャガイモは問題ない。)
    7. マリーゴールド…マメ科野菜と相性が悪い。