いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育て る-

園芸知識:土

概要

  1. 土は、植物にとって、根を下ろす「住み家」に相当する。土が良ければ根張りも良くなり、植物が安定して、水や空気、養分を元気よく吸収できる。そのため、土の善し悪しは植物の生育全体を大きく左右する。
  2. 鉢やプランターなどに植わっている植物の根は、非常に限られた、狭い空間に閉じこめられている。なので、地面に直接生える植物以上に、土の善し悪しにこだわらなければならない。
  3. その辺の土をよく観察すると、粘土、砂粒、小さな石、有機物の破片などから成っているのが分かる。これらの間には空間があり、そこに空気や水が保持されている。この空気を「気相」、水を「液相」、土や砂・有機物などの粒を「固相」と呼び、三つ合わせて「土の三相」と称する。この三相が一つでも欠けると良い土とはいえない。
  4. 理想的な三相分布は、「固相(土):液相(水):気相(空気)=2.5:4.5:3」といわれている。
  5. 土の粒は、「単粒」と呼ばれる微細な粒子がたくさん集まり、「団粒」と呼ばれる大きめの粒を構成したものである。そのため、押さえると崩れる。さまざまな大きさの団粒がたくさん集まった土の状態を「団粒構造」と呼ぶ。団粒構造を持つ土は、団粒と団粒の間に新鮮な空気や水がよく入り、余分な水分がさっと抜ける一方、団粒の内部には適量の水が保持されるため、植物が健全に育つ。
  6. つまり「良い土」とは、「土の三相」の比率が理想的で、かつ、しっかりした団粒構造を持つ土のことである。それに加えて、pH(酸度)が極端に偏らず、清潔で、病害虫が潜んでいないことも大切。
  7. 園芸では、良い土を判定する条件として、下記の「通気性」「排水性(水はけ)」「保水性」「保肥性」が挙げられる。
    • 通気性…土の中に新鮮な空気が出入りする度合いを示す。土に新しい空気が入らないと根が窒息し、根腐れする原因になる。通気性を改善したい時は、火山砂礫(桐生砂、日向土、富士砂など)や堆肥、パーライト、腐葉土などを混入する。
    • 排水性(水はけ)…土に浸み込んだ新鮮な水のうち、余分な水を下方へ排出する度合いを示す。余分な水がいつまでも土の中にとどまると、土の中に新鮮な空気が入るのを妨げ、やはり根腐れの原因になる。排水性を改善したい時は、火山砂礫や堆肥、腐葉土などを混入する。
    • 保水性…土の粒の中に水を蓄える度合いを示す。上記の排水性とは両立しないように思いがちだが、与えた水が全て抜けてしまい、土の中に水が保持されないと、植物は水を吸えずに枯れてしまう。保水性を改善したい時きは、赤土や黒土、堆肥、バーミキュライト、ピートモス、腐葉土などを混入する。
    • 保肥性…土の粒の中に肥料を蓄える度合いを示す。保肥性が無いと、与えた肥料が水と一緒に全て流れてしまい、意味が無くなる。保肥性を改善したい時は、堆肥、バーミキュライト、腐葉土などを混入する。
      赤玉土や鹿沼土も使えるが、これらは火山灰土であり、肥料成分のリン酸(P)を吸着するので、使った場合は、リン酸を多めに与えるよう心がける。なお、火山灰土は、pHが酸性に傾くほど、リン酸を強く吸着する性質がある。
  8. なお、「土の肥え具合」は、良い土の条件に当てはまらない。栄養面のことは、肥料によって加減すれば足りるからである。
  9. 土の「重さ」は、あまり重要ではないが、できれば気を配りたい。一般的な植物用培養土は、ピートモスなどが主体であるため軽く、草花や野菜類などに向く。しかし、樹木類などは、あまり軽い土に植えると根が安定せず、生育に影響が出る。基本的に、地上部が大きく高く育つ植物ほど重い土に植えないと、風などで地上部がグラグラし、根が揺さぶられるため、根張りが悪くなり、生育不良につながる。
  10. とはいえ、重すぎる土は通気性や排水性が悪くなる傾向があるため、ほどほどに。1リットル当たり400~600gが標準である。樹木類を鉢に植える場合は、赤玉土を多めに混入した土を自分で作るとよい。逆に、重すぎる土を軽くするには、有機物やバーミキュライト、パーライトなどを混入する。
  11. 鉢植え、地植えを問わず、植物を植えっ放しにすると、時間が経つにつれて周囲の土が固まり、通気性・排水性が悪くなる。そこで、3~4ヵ月に一回くらい、根元の土の表面を、熊手やクワなどで引っかいて軽く耕す「中耕」という作業を行う。中耕を行うことで、固まった土の表面がほぐれ、土の内部まで空気や水が通りやすくなって、通気性・排水性・保水性が回復する。また、中耕を定期的に行うと、植物の周囲に、雑草が生えにくくなる効果も期待できる。
  12. また、植物の周辺の土の数箇所に細い棒を刺し、小さな穴を開けるだけでも、通気性・排水性を改善できる。
  13. 表土の固まり自体を抑制するには、土の表面をバークや専用シートなどで覆う「マルチング」が最も有効である。
  14. 鉢植えは、排水性を改善する目的で、鉢底に大粒のゴロ土(鉢底石)を敷くのが普通だが、4.5号以下の小さな鉢には必要無い。ゴロ土の目的は排水性の改善なので、保水性の高い赤玉土大粒などは使わず、ほとんど水を吸わない発泡スチロール片や、乾きやすい軽石大粒などが適する。市販の「鉢底土」を使うのも良い。
  15. ゴロ土として、珪酸塩白土やゼオライトなど、根腐れ防止効果のある用土を使うと、植物が根腐れしにくくなる。なお、市販の鉢底土の中には、最初から根腐れ防止剤が入っているものもある。
  16. 園芸において「土」を語る際、外せない道具に、「ふるい」が挙げられる。必ずしも園芸用を買う必要はなく、台所用のものでも足りる。ふるいの目の大きさは、1mmの他、3~5mmと、7~10mmくらいのものが揃っていればよい。

用土の種類

  1. 園芸に用いる土を「用土」と呼ぶ。さまざまな用土が市販されており、使い方によって、「基本用土」「改良用土」「その他の用土」に分かれる。なお、一部の用土はさらに、土の粒の大きさによって、大粒(径10mm以上)、中粒(径6~9mm)、小粒(径3~6mm)、細粒(径1~3mm)に分類される。
  2. 基本用土(原土)…自分で土を作る際に、配合の基本となる土。植物を植える土は、通気性・排水性・保水性・保肥性・pH、の全ての条件を満たす必要があるが、実際は、どの土も一長一短である。そのため、単体では用いず、他の用土と混合して植え土を作る。ただし、場合によっては、単体で用いることもある。
    • 火山灰土…火山灰や火山砂礫といった火山噴出物が風化してできた土。通常は弱酸性~酸性を示す。アルミニウムを多く含む一方、肥料成分のリン酸(P)を吸着する。黒土以外はほぼ無菌で、清潔。
      • 黒土(黒ボカ、黒ボク)…関東地方に広く分布する堆積した火山灰土(関東ローム層)のうち、最も表層にある土。やや粘土質で黒っぽく、有機物を多く含む。リン酸を吸着する。保水性・保肥性に優れ、通気性・排水性が劣る。
      • 赤土…関東ローム層のうち、黒土の下層に位置する赤褐色の土。粘土質で、弱酸性。リン酸を強く吸着する。保水性・保肥性に優れ、通気性が劣る。
      • 赤玉土…赤土が団子状に固まったもので、弱酸性。赤土と同様、リン酸を吸着する。粒の大きさによって、細粒・小粒・中粒・大粒に分かれる。通気性・排水性・保水性・保肥性に優れる。
        大量に存在するため出回り量が多く、最もよく使われる。用途も幅広い。
      • 硬質赤玉土…通常の赤玉土より粒が硬く、崩れにくいもの。値段が若干高い。下記の「焼き赤玉土」とは異なり、焼成されていないため、性質は通常の赤玉土に準じる。
      • 焼き赤玉土…文字通り、赤玉土を焼成したもの。「硬質赤玉土」と呼ばれることもあるが、上記の硬質赤玉土とは別物である。高温で焼かれているため、粒が硬く、崩れない。アルカリ性。通気性・保水性に優れるが、赤玉土に比べると、保水性・保肥性が劣る。古典園芸植物の栽培によく使われる。
      • 鹿沼土…栃木県鹿沼市の周辺に産する、黄色っぽい火山灰土。関東ローム層のうち、黒土・赤土の下層に位置する。軽石質で、酸性。粒が崩れやすいのが欠点。通気性・排水性・保水性に優れる。ツツジ科植物や古典園芸植物の植え込みや、挿し木用土としてよく使われる。
        赤玉土と異なり、粒の大きさごとに分類して売られていないため、自分でふるいにかけて選り分けなければならない。水を含むと、色が淡黄色から山吹色に変わる性質があり、水やりのタイミングを計るのにも便利。
      • 硬質鹿沼土…鹿沼土のうち、水分含有量が低いもの。通常の鹿沼土より粒が硬く、崩れにくい。値段が若干高い。性質は通常の鹿沼土に準じる。
    • 火山砂礫…火山噴出物のうち、比較的、土の粒が大きいもの。いずれも多孔質で、通気性・排水性に優れる。
      • 蝦夷砂…北海道に産する硬質の火山砂礫。山砂の一種。通気性・保水性に優れる。
      • 軽石・軽石砂…いずれも代表的な火山砂礫。灰白色で軽く、きわめて多孔質。弱酸性。通気性・排水性・保水性に優れ、保肥性が劣る。大粒のものは、鉢底石として使う。
      • 桐生砂…群馬県桐生市付近に産する、赤サビ色の火山砂礫。硬くて崩れにくい。鉄を多く含むため、若干重い。通気性・排水性・保水性に優れる。
      • 薩摩土…鹿児島県垂水市に産する、白~淡黄色の火山砂礫。弱酸性。無菌で清潔。根腐れしにくい。通気性・排水性・保水性・保肥性に優れる。東洋蘭の栽培にうってつけだが、やや入手しにくい。
      • 十和田砂…十和田湖に産する、淡褐色~淡灰色の火山砂礫。山砂の一種。
      • 日光砂…硬質鹿沼土の一種だが、硬度がさらに高く、きわめて崩れにくい。東洋蘭の栽培にうってつけ。
      • 日向土(日向砂、ボラ土)…宮崎県の霧島火山付近に産する火山砂礫。山砂の一種で、軽量。黄褐色をしており、硬く崩れにくい。通気性・排水性・保水性に優れ、保肥性が劣る。山野草やランの栽培にもってこい。
      • 富士砂…富士山に産する火山砂礫。山砂の一種で、黒っぽく重い。通気性・排水性に優れ、保水性・保肥性が劣る。
    • 山砂…近畿地方~中国地方の山地で採れる、花崗岩などが風化してできた砂。保水性・保肥性に優れ、通気性が若干劣る。
      • 真砂土(まさつち)…近畿地方以西で採れる山砂の一種。やや粘土質で、弱酸性。保水性・保肥性に優れる。通気性・排水性はやや劣る。工事や宅地造成にもよく使われる。
      • 六甲砂…六甲山地域に産する花崗岩礫。通気性に優れる。暑さに弱い山野草に適する。
    • 川砂…川底や川辺から採れる、花崗岩などが風化してできた砂。産出地によって、さまざまな名前が付いているが、園芸用土としての性質は、どれも似通っている。通気性・排水性に優れ、保水性・保肥性が劣る。東洋蘭や盆栽の他、オモトを始めとする古典園芸植物の植え込みに用いる。
      • 朝明砂(あさけすな)
      • 阿部川砂
      • 富士川砂
      • 矢作砂(矢作川砂)…矢作川に産する花崗岩が風化したもの。見た目の美しいものは、「化粧砂(土の表面を飾る砂)」として使われる。排水性に優れ、保水性・保肥性が劣る。
    • 荒木田土…水田の下層土、または、河川の沖積土。きわめて粘土質でずっしりと重い。保水性・保肥性に優れるが、通気性・排水性は無いに等しい。水生植物の植え込みに用いる。
    • 水ゴケ…湿地に生えるミズゴケを乾燥させたもの。2~3年で腐り始める。きわめて軽く、通気性・保水性・保肥性に優れる。特に保水性は過剰なまでに高い。蘭や観葉植物の植え込みによく使われる。
      安い粗悪品は繊維が短く、傷んでいて、腐りやすい。また、雑草のタネが混じっていることもある。良質なものは、淡い黄褐色で、茶色の部分が少ない。
      • 生きた水ゴケ…乾燥状態でない、生きた水ゴケ。湿地性植物の植え込みに用いるが、生長が早く、すぐ繁茂し、植えられている植物を覆い尽くすので注意する。
  3. 改良用土(土壌改良用土)…基本用土の欠点を補うために加える用土。有機物以外の用土は、挿し木やタネまきの土として、単体で使うことがある。
    • 珪酸白土(珪酸塩白土)…珪酸と16種の微量要素を含む、珪酸塩鉱物の一種。白色で、微細な粒子を持ち、粘土状。園芸では、粒状~粉末状のものを用いる。有害物質を吸着し、根腐れを防止する効果がある。保水性・保肥性がある。
    • ゼオライト…「沸石」と呼ばれる鉱物群を加熱し、内部の「沸石水」を除去したもの。有害物質を吸着し、根腐れを防止する効果がある。とても軽く、多孔質のため、保水性・保肥性に優れる。鉢底石として使われる。
    • 石灰石…用土のpH調節用。アルカリ性の土を好む植物に用いる。
    • バーミキュライト…蛭石(ひるいし)という鉱物を焼成し、10倍以上に膨張させて作った人工の用土。金色で層状をしており、薄くはがれやすい。層状のため、通気性・保水性・保肥性に優れる。非常に軽く、吊り鉢栽培に最適。なお、粘土質の重い土に配合すると、層になった部分が崩れてしまい、通気性を悪化させるので注意。
    • パーライト…真珠岩という岩石を砕き、高温高圧下で急激に発泡させて作った人工の用土。丸みを帯びたガラス質で、白っぽく、非常に軽い。多孔質のため、通気性・排水性に優れ、保水性・保肥性が若干劣る。こちらも吊り鉢栽培に最適。
    • ビーナスライト(黒曜石パーライト、フヨーライト)…黒曜石を砕いて高温処理し、発泡させて作った人工の用土。性質はパーライトと同じ。
    • 有機物…腐食質。動植物の遺骸に由来する。土の粒の間にすき間を作り、通気性・排水性・保水性を確保する目的で用いる。
      • 堆肥…やせた荒れ地を肥沃にする効果が高い。肥料成分も小量ながらバランス良く含む。家畜の糞尿に由来する堆肥は、特に「厩肥」と呼ぶ。(さらに、堆肥と厩肥をあわせて「堆厩肥」という。)なお、発酵促進剤を使い、発酵時間を短縮した堆肥は、特に「速成堆肥」と呼ばれる。
        • 稲ワラ堆肥…稲ワラを堆積・発酵させて作った堆肥。良質だが、あまり見かけない。
        • 汚泥堆肥…文字通り、汚泥から作られた堆肥。汚泥の質によっては、有害物質を含む。一般向けの販売は見られない。
        • 鶏糞堆肥…鶏の糞や敷きワラなどで作られた堆肥。石灰分を含む。肥料成分が多め。
        • 牛糞堆肥…牛の糞尿や敷きワラなどを熟成させて作った堆肥。肥料成分をやや多めに含む。
        • 豚糞堆肥…豚の糞尿や敷きワラなどで作られた堆肥。性質は牛糞堆肥に準じるが、肥料成分が多め。
        • 生ゴミ堆肥…家庭から出る生ゴミを発酵させて作った堆肥。窒素を多めに含む。
        • バーク堆肥…樹皮、廃材、オガクズ、かんな屑などを発酵させて作った堆肥。繊維質が多く分解が遅いため、土中で長期間、有機物としての役割を果たす。肥料成分はあまり含まない。
      • ピートモス…寒冷地の湿地でミズゴケが堆積・腐熟し、泥炭化したもの。ほぼ無菌で、清潔。強酸性だが、市販品の多くは、pHを中性に調整済。一度乾くと、なかなか水を吸わない。通気性・排水性・保水性に優れる。
      • 腐葉土…広葉樹の落ち葉が腐熟したもの。厳密には堆肥の一種だが、より高級。土中の微生物を活性化する。微量要素を多く含む。良品は真っ黒に腐熟し、材料である葉の形がある程度残っている。手でもみ砕き、ふるいにかけてから使う。通気性・排水性・保水性・保肥性に優れる。
      • くん炭(もみ殻くん炭)…稲のモミ殻を炭化させたもの。アルカリ性。根腐れを防止する効果がある。通気性・保水性に優れる。
      • ココピート(ココチップ)…ヤシ殻を細かく粉砕したもの。繊維が多く、ピートモスの代用品。使う前に一昼夜、水に浸け、塩分やアクを抜く。弱酸性。通気性・保水性に優れる。
      • 草炭…水辺に生えるアシやヨシが堆積・腐熟し、泥炭化したもの。ピートモスと同様の性質を示す。
      • ヤシ殻活性炭…ヤシ殻を炭化させたもの。有害物質を吸着する効果がある。保肥性がある。
  4. その他の用土…多くは単体で用いられ、他の用土と配合することはない。
    • オスマンダ…オスマンダ(ゼンマイ)というシダ植物の古い根を乾燥させ、用土としたもの。針金のような硬い根の塊で、通気性・排水性に優れる。ランなどの植え込みに用いる。
    • ケト土(化土土)…湿地性植物のマコモやヨシなどが長年にわたって堆積、炭化したもの。真っ黒で、きわめて粘土質。保水性・保肥性に優れるが、通気性が乏しい。山野草や盆栽の「石づけ」に用いる。
    • コルク板…コルクガシという木の樹皮を乾燥させたもの。用土ではないが、着生植物を着生させるのに最適。
    • 天神川砂(天神砂)…石英質の白っぽい砂礫。川砂の一種だが、通常は、植え込み用土として用いない。盆栽などで土の表面を飾る「化粧砂」として使われる。通気性・排水性がある。
    • バークチップ(化粧バーク)…針葉樹の樹皮を風化させ、細かく砕いたもの。通気性・排水性に優れる。小粒のものはランの植え込みに用いる他、大粒のものはマルチング資材に使う。
    • 発泡煉石(クレイボール、ハイドロボール)…粒状に丸めた粘土や赤土、石粉などを焼成・発泡させて作った人工の用土。排水性・保水性に優れ、保肥性が劣る。水耕栽培やハイドロカルチャーに用いる。
    • 発泡スチロール…普通の発泡スチロールを、適当な大きさに砕いたもの。水を全く吸わないため、排水性がきわめて良い。鉢底土の代わりになる他、着生ランの植え込みに使うこともある。
    • ヘゴ…ヘゴというシダ植物の古い気根を乾燥させ、板や棒、鉢の形などに加工したもの。通気性に優れる。用土ではないが、着生植物を着生させるのに最適。
    • ヤシ殻チップ…ヤシの殻を細かく刻み、サイコロ状にしたもの。使う前に一昼夜、水に浸け、塩分やアクを抜く。ランの植え込みに用いる。
    • 山ゴケ…山地に自生するコケの一種。通気性・保水性に優れる。水ゴケほどには水を吸わない。乾燥させたものが市販されており、山野草や盆栽の植え込みに用いる。
    • ロックウール…玄武岩や石灰岩などの岩石を高温処理して作った、ガラス質の鉱物繊維。名前が似るが、発ガン性で有名な石綿(アスベスト)とは別物である。挿し木や水耕栽培に用いる。
    • 那智黒石…三重県に産する「化粧砂(土の表面を飾る砂)」の一種。黒く、表面が滑らかな小石。碁で使われる黒石である。水に濡れると光る。

用土を配合する前に

  1. それぞれの用土は、単体では、通気性や排水性に問題があることが多いので、数種類をブレンドし、互いの欠点を補わせる。土全体を10とすれば、基本用土6~7に対し、有機物4~3を加えるのが最も手軽で、かつ、オールマイティーな土ができる。
  2. 自分で配合する時に注意したいのは、「可能な限り、粒の大きさを揃えること」である。配合された用土の粒の大きさに差がありすぎると、水やりするうちに、細かい粒の土が鉢の下方に集まり、水はけが悪くなる。
  3. どんな用土でも、使う前に1mm目のふるいにかけ、「みじん」を取り除く。みじんとは、「径1mm未満の微細な土の粒」をいい、これが団粒のすき間に入り込むと、土全体の通気性・排水性が著しく悪くなり、根が窒息して腐る原因となる。ふるいがけが面倒なら、土の配合の際に、腐葉土を若干多めにする。
  4. 赤玉土や鹿沼土のような、粒状の用土を購入する際は、みじんが多すぎないか、よく観察する。長期間売れていない古い土などは、小さな土粒が崩れてみじん化し、袋の底に大量にたまっていることがある。そのような土は、実際に使える土の量が少なく、損である。
  5. 硬質鹿沼土や軽石など、粒が崩れにくい硬い用土は、使用前に軽く水洗いしておくと、みじんを抜くことができる。また、土粒の硬い用土は、鉢に入れたまま、バケツの水に、鉢縁のギリギリまで浸し、一気に引き上げると、鉢底穴から、みじんの混じった茶色い水が勢いよく出る。これを数回繰り返せば、かなりのみじんを抜くことができる。
  6. 赤玉土や軽石、火山砂礫などは、土の粒の大きさで「細粒」「小粒」「中粒」「大粒」に選別され、別々に袋詰めされている。しかし、なぜか鹿沼土や桐生砂は、粒の大きさで選別されず、一つの袋に細粒~大粒まで入っていることが多い。そのような土を購入したら、まず最初に、ふるいにかけて粒ごとに選別し、別々の袋に分けて入れておくとよい。
  7. 鉢植えの場合、用いる土の粒の大きさは、鉢底に大粒、表土に小粒~細粒、その間に中粒とするのが理想である。(つまり、鉢底に行くほど土の粒が大きい。)このうち、細粒・小粒・中粒の区別については、それほどこだわらなくても大丈夫だが、大粒だけは、必ず鉢底付近にとどめるようにする。そうすることで、鉢土の通気性・排水性を確保できる。
  8. しかし、度重なる水やりにより、粒の小さな土は次第に下に流され、その上、土粒が崩れて生じたみじんが、鉢底付近に溜まってくる。そうなると、大きな粒が上に押し上げられるので、定期的に植え替えを行い、大粒を鉢底に戻す。
  9. 挿し木やタネまきは、土粒が小さめで、ほぼ無菌の、清潔な用土で行えば成績が良い。赤玉土小粒、川砂、ピートモス、バーミキュライト、パーライトなどが該当するので、2~3種類ずつ等量混合して使うか、単体で用いる。なお、赤玉土小粒6+ピートモス3+バーミキュライトまたはパーライト1、のように、最初からバランスのとれた配合にしておくと、発根や発芽の後も、植え替えずにそのまま育てることができ、楽である。
  10. 鹿沼土は強い酸性のため、酸性の土を好むツツジ科植物には最適だが、それ以外は、植える植物が限られる。(ただし、硬質鹿沼土は、山野草の世界では普通に使われる。)なお、鹿沼土は、湿っている時は山吹色だが、乾いている時は淡黄色と、かなり色が違うので、大きめの粒を、数粒、鉢土の表面に押し込んでおけば、土の乾き具合がわかりやすい。
  11. コンクリート用の砂は入手しやすいが、かなり重く、土を硬くするので、土壌改良には使わないほうがよい。園芸用の「砂」は、火山砂礫や川砂、山砂を指す。海砂や陸砂などは使わないようである。
  12. ここまで、粒の大きさが1mm未満の「みじん」を邪魔者として書いたが、実は、みじんにも活用法がある。水と混ぜると滑らかな泥になるため、水生植物の土に最適である。捨てずに取っておき、スイレンやハスなどの植え土に使うとよい。また、新品の赤玉土など、清潔な土のみじんなら、挿し木の用土としても使うことができる。この場合は、草本の挿し木より、木本の挿し木のほうが適する。

乾燥水ゴケの戻し方

  1. 水ゴケは、品質によって等級があり、パッケージに記載されている。最上級は「5A」で、これは水ゴケ一本一本の繊維が長く、ゴミの混入もほとんど無いため、腐りにくい。数字が小さくなるにつれて等級は下がり、品質が落ち、ゴミの混入も増える。安い下級品ほど長持ちしないので、できれば「4A」以上の上級品を使いたい。
  2. 乾燥水ゴケは、そのままでは水を吸いにくいため、使用前に「戻す」必要がある。戻す手順は下記。
    1. 乾燥水ゴケを袋から出し、濡れてもよい場所に置く。水ゴケの量が多すぎる場合は、必要な分だけちぎって使うが、それだと水ゴケの繊維もちぎれて質が悪くなるうえ、早く腐る。なるべくケチらず、一気に戻したい。
    2. 水ゴケ全体にたっぷりと水をかけ、1~3時間以上そのまま置く。急ぎの場合は30分ほどでもよい。乾燥の激しい真夏は覆いをかぶせ、乾燥を防ぐ。
    3. 水ゴケがふんわりしてきたら、丁寧にほぐす。手で強く握ったり、固く絞ったりすると、水ゴケの繊維が傷むので注意。
  3. 水をかけるのではなく、バケツの水に漬け込んで戻す方法もある。その場合は、数時間吸水させた後に、手で軽く絞って余分な水を切り、ほぐして一時間ほど置いてから使う。
  4. 戻したものの、使いきれずに残った水ゴケがあれば、すぐに天日干しし、完全に乾かして保管すれば、また使える。

実際の配合例

  1. ここから、用土の配合例・工夫例を記す。しかし、配合する用土の種類や配合比率は、人や地域によって、非常に多くのパターンが考えられる。正解は無いので、いろいろ工夫されたし。自分の作った土で植物が元気よく育つと、喜びもひとしおである。
  2. 鉢花・草花・一年草・宿根草・多年草・ハーブ・野菜・観葉植物などの配合例
    • 基本配合
      • 赤玉土6~7+腐葉土3~4
      • 赤玉土3~4+鹿沼土3+腐葉土3~4
      • 真砂土5+腐葉土5
    • やや軽めの土(小型の草花向け)
      • 赤玉土6+腐葉土またはピートモス3+パーライト1
      • 赤玉土4+ピートモス2+軽石砂またはパーライト2+腐葉土または堆肥1+もみ殻くん炭1
      • 赤玉土3+ピートモス3+パーライト1+バーミキュライト1+川砂または山砂1+腐葉土1
      • 赤玉土3+鹿沼土3+軽石砂2+腐葉土2
    • 室内栽培向け…赤玉土6+ピートモス3+バーミキュライトまたはパーライト1
    • 吊り鉢・ハンギングバスケット向け
      • 赤玉土5+ピートモス3+パーライト2
      • バーミキュライト4+ピートモス3+パーライト3
    • 水切れに弱い植物
      • 赤玉土6+腐葉土3+バーミキュライト1
      • 赤玉土または鹿沼土5+軽石砂3+水ゴケ粉末2
      • 赤玉土または鹿沼土6+軽石砂または桐生砂・日向土3+水ゴケ粉末1
    • 湿地性植物…水ゴケ10
    • 水生植物(必ず、水でよく練り合わせてから使う)
      • 荒木田土または赤玉土10
      • 荒木田土または赤玉土9+ケト土1
      • 荒木田土または赤玉土8+腐葉土またはピートモス2
      • 荒木田土6+黒土2+腐葉土2
    • 暑さに弱い植物
      • 硬質赤玉土6+腐葉土2+パーライト1+もみ殻くん炭1
      • 硬質赤玉土4+硬質鹿沼土4+腐葉土2
      • 硬質鹿沼土4+軽石砂または山砂4+腐葉土2
      • 日向土4+赤玉土3+腐葉土3
      • 日向土7+腐葉土3
      • 川砂または山砂5+ピートモス5
    • 根が太い植物(アガパンサス、クンシランなど)…軽石4+赤玉土または川砂・山砂3+腐葉土またはバークチップ3
  3. 庭木・花木・果樹などの配合例
    • 基本配合
      • 赤玉土7+腐葉土3
      • 真砂土6+腐葉土4
      • 赤玉土6+腐葉土3+川砂または山砂1
      • 真砂土5+バーク堆肥3+赤玉土2
    • ツツジ科植物
      • 鹿沼土6~7+ピートモス3~4
      • 赤玉土4+鹿沼土4+腐葉土2
  4. 球根植物の配合例
    • 基本配合
      • 赤玉土6+パーライトまたは軽石砂2+腐葉土またはピートモス2
      • 赤玉土5+川砂または山砂3+腐葉土またはピートモス2
      • 赤玉土5+腐葉土またはピートモス2.5+川砂または山砂1.5+堆肥1
    • 南アフリカ産の小球根…軽石砂または日向土5+硬質赤玉土3+川砂または山砂2
    • やや気難しい種類…日向土5+川砂または山砂5
  5. 山野草・古典園芸植物などの配合例
    • 基本配合
      • 硬質赤玉土7+硬質鹿沼土3
      • 硬質鹿沼土7+ピートモス2+もみ殻くん炭1
      • 硬質鹿沼土6+軽石砂2+腐葉土1+もみ殻くん炭1
      • 硬質鹿沼土5+軽石砂4+硬質赤玉土1
      • 硬質鹿沼土5+硬質赤玉土3+腐葉土2
      • 硬質鹿沼土5+硬質赤玉土4+軽石1
      • 硬質鹿沼土4+軽石砂4+腐葉土2
      • 硬質赤玉土5++軽石砂2+腐葉土2+もみ殻くん炭1
      • 硬質赤玉土4+軽石砂または桐生砂・日向土4+腐葉土2
      • 硬質赤玉土3.5+硬質鹿沼土3.5+日向土3
      • 硬質赤玉土3+硬質鹿沼土3+日向土2+軽石砂1+腐葉土1
      • 軽石砂または桐生砂・日向土4+硬質赤玉土2+硬質鹿沼土2+腐葉土またはバーク堆肥2
    • 暑さに弱い植物
      • 硬質鹿沼土6+軽石砂または桐生砂3+硬質赤玉土1
      • 日向土6+硬質赤玉土2+硬質鹿沼土2
      • 軽石砂または桐生砂・日向土4+硬質赤玉土3+硬質鹿沼土3
    • 耐暑性の無い高山植物
      • 硬質鹿沼土5+軽石砂または桐生砂・日向土5
      • 日光砂5+硬質鹿沼土3.5+軽石1.5
      • 桐生砂5+富士砂5
    • 東洋蘭…硬質鹿沼土または日向土6+焼赤玉土3+ゼオライトまたは珪酸塩白土1
    • イワチドリ・ウチョウランの仲間…硬質鹿沼土5+山ゴケまたは水ゴケの粉末3+焼赤玉土または軽石砂2
    • エビネの仲間…硬質鹿沼土4+日向土3+硬質赤玉土2+腐葉土1
  6. 多肉植物・サボテンの配合例
    • 基本配合
      • 赤玉土6+川砂または山砂2+腐葉土2
      • 赤玉土5+鹿沼土5
      • 赤玉土5+鹿沼土2+腐葉土2+ピートモス1
      • 赤玉土5+鹿沼土2+腐葉土1+軽石砂1+もみ殻くん炭0.5+珪酸塩白土0.5
      • 赤玉土4+鹿沼土4+腐葉土2
      • 赤玉土4+川砂または山砂4+腐葉土2
      • 赤玉土3+鹿沼土3+軽石砂2+腐葉土2
      • 赤玉土3+鹿沼土3+日向土3+腐葉土1
      • 日向土4+赤玉土3+川砂または山砂3
      • 軽石砂5+赤玉土4+腐葉土またはもみ殻くん炭1
      • 川砂または山砂6+軽石砂3+腐葉土またはもみ殻くん炭1
      • 川砂または山砂5+赤玉土3+腐葉土2
      • 川砂または山砂3+赤玉土3+腐葉土3+軽石砂1
    • 森林性着生サボテン(クジャクサボテン、シャコバサボテン、月下美人など)
      • 軽石砂7~8+バークチップまたは腐葉土2~3
      • 赤玉土4+軽石砂またはパーライト3+腐葉土3
  7. 洋蘭・着生植物などの配合例
    • 水ゴケ10
    • 軽石7~8+バークチップ2~3
    • 軽石6+バークチップ3+ヤシ殻チップ1
    • 軽石または日向土5+バークチップ3+ヤシ殻チップ2
  8. 土に付加価値を出す工夫の例
    • 土を軽くしたい…パーライトを2~3割混ぜる。
    • 水持ちを改善したい…バーミキュライトか、水ゴケの粉末(乾燥水ゴケをふるいに押し付けて作る)を1~2割混ぜる。
    • 根腐れを防ぎたい…ゼオライトまたは珪酸塩白土を1割混ぜる。
    • 夏越しの成功率を上げたい…通気性と排水性を重視し、保水性を下げる。(その分、水やりは頻繁に行う。)また、粘土質の用土と有機物の比率を減らし、粒が崩れにくい、硬質の用土を用いる。

市販の培養土

  1. 最近は、最初からさまざまな用土が配合された「培養土」が容易に手に入るので、これを使うと楽ができる。市販の培養土には一部、粗悪品もあるが、現在ではかなり減った。それなりに名前の知れたメーカーの製品なら、そんなにひどい土はない。ただし、小さな園芸店の中には、自家製の粗悪品にボッタクリ価格を付けている店が未だにあるので、大型店で買ったほうがよい。品揃えが良いので選択肢が多く、粗悪品をつかまされる心配も少ない。
  2. 「ガーデニングの土」「花と野菜の土」などの名前で売られている培養土は、最も汎用的な土で、名前の通り、多くの草花や野菜類に適している。余裕があれば、安価な大袋をまとめ買いしておくとよい。鉢やプランターで使うだけでなく、花壇や畑などにすき込めば、土壌改良用土として働いてくれる、便利な土である。
  3. 「観葉植物の土」「サボテン・多肉植物の土」「山野草の土」「ハーブの土」「洋蘭の土」といった名前の培養土は、そのジャンルの一般的な植物に適した配合になっており、酸度も調整されている。なお、「観葉植物の土」は、草本性の観葉植物や、小鉢植えには適しているが、反面、木本性の観葉植物や、大鉢植えの栽培には、土が軽すぎてよくないので、赤玉土小粒を3~5割ほど混合して使うとよい。また、「サボテン・多肉植物の土」は、地面に生える多肉植物(アロエやサボテンなど)のための土であって、木や岩に着生する多肉植物(クジャクサボテンやシャコバサボテンなど)に使う土ではない点に注意する。
  4. 「クンシランの土」「シャコバサボテンの土」「セントポーリアの土」「バラの土」など、特定の植物名を冠している培養土は、その植物に最も適した配合になっていて使いやすい。
  5. 同じ名前の植物用の土でも、メーカーによって、使っている土の種類や配合比率が違う。いろんなメーカーのものを試し、自分と植物にあったものを選抜するとよい。なお、植物は、植え替えで土が変わると、生育が悪くなることがあるので、一度土を決めたら、その植物には、ずっと同じメーカーの同じ土を使ったほうがよい。
  6. 「ハンギングバスケットの土」は、軽い土を配合しつつ、保水性も確保している。また、「挿し木・タネまきの土」は、数種類の清潔な用土を配合し、根腐れ防止剤を加えたものである。いずれも、そのまま使うことができる。
  7. 市販の培養土は、最初から、堆肥や腐葉土などの有機物が入っているものが多いが、粗悪品は未熟な有機物を使っていることがあるので注意する。未熟な有機物は、土中で発酵してガスを出し、植物の根を傷める元である。
  8. あらかじめ肥料が入っている培養土は、元肥を入れる手間が省けて助かる。また、最初から酸度が弱酸性に調整されている土は、使う前に石灰を施す必要がなく、楽である。
  9. 培養土に不満があるが、自分で一から土を作るのが面倒な場合は、培養土に別の用土を配合する、という方法をとるとよい。例えば、「花と野菜の土」を買ったが土が重すぎて困る、という場合は、上の方でも書いたように、パーライトを2~3割混ぜると改善できる。水持ちを改善したければ赤玉土かバーミキュライトを、水はけを改善したければ軽石砂を、それぞれ2~3割配合すればよい。他にも、いろいろな組み合わせのパターンが考えられるので、自分で工夫すると面白い。

土の酸性度

※ 「肥料」ページにある「石灰質肥料とガス障害」も参照。

  1. 植物を育てる土は、pH(酸度)が、極端な酸性やアルカリ性に偏らないようにする。多くの植物は、ほぼ中性~弱酸性(pH6.5~5.5)の土を好む。土が強酸性に偏ると、植物は、窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K)の三大要素や石灰分を吸収しにくくなる上、土中に溶け出すアルミニウムにより、根に障害を受ける。逆に、土が強アルカリ性に偏ると、亜鉛や鉄、銅など、微量要素の成分を吸収しにくくなる。いずれにせよ、ひどい生育不良、ひいては枯死を招く。
  2. 土壌酸度は、市販の「土壌酸度計」や、リトマス試験紙で測定できる。土壌酸度計は、土に差し込むだけで測定できるので楽だが、値段が高い。リトマス試験紙を使う場合は、深さ3~5cmの場所から採取した土を水に入れて撹拌し、その上澄み液を測定するか、水やり後に鉢底から流れ出る水を採取して測定する。なお、花壇や畑では、場所によって土壌酸度が違うことが多いので、複数箇所で測定したほうがよい。
  3. 土壌酸度をわざわざ測定しなくても、雑草のオオバコ、カヤツリグサ、スイバ、スギナ(ツクシ)、ハハコグサ、ヤマユリ、ヨモギなどが生えていれば、確実に酸性の土である。(「指標植物」という。)
  4. 使い込んだ土ほど、度重なる水やりや施肥、酸性雨などの影響で、pHが酸性に偏っていることが多い。酸性の土を改善するには、植物を植え付ける二週間ほど前に、苦土石灰か消石灰、炭酸石灰(炭酸カルシウム=炭カル)のいずれかを土中にすき込む。使用量は、土1リットル当たり3~5gが目安。貝石灰も使えるが、効果が弱いため、苦土石灰より若干多めに施す。なお、生石灰は、強アルカリ性のうえ、水と反応して発熱するので、普通は園芸に使わない。
  5. 石灰には、土の水はけを良くしたり、有機物の分解を促進し、微生物の活動を促す効果もあるので、1~2年に一度は土にすき込みたい。なお、改良用土の一種であるもみ殻くん炭や、肥料の一種である過リン酸石灰や草木灰にも同様の効果がある。
  6. 石灰はアルカリ性のため、肌に直接触れると、かぶれることがあるので注意する。
  7. 花壇や畑の土壌酸度を改善したければ、植物植え付けの二~四週間前に、石灰を表土にまぶして耕し、よくなじませる。使用量は、苦土石灰や炭酸カルシウムなら、1平方メートル当たり100~200g(霜降り程度)、消石灰なら、それよりやや少なめとする。
  8. ブロック塀など、コンクリート建造物の周辺の土は、pHがアルカリ性に偏っていることがある。そのような土を改善する場合は、硫黄の粉末である「硫黄華」を1平方メートル当たり200gすき込む。また、鹿沼土や、酸度無調整ピートモス、硫安(硫酸アンモニウム)、硫化カリウムなどを使っても効果がある。なお、硫安と硫化カリウムは肥料の一種なので、施しすぎに注意する。
  9. 最近の造成地は、土壌にコンクリートを注入するなどしており、強いアルカリ性になっていることが多い。敷地の一部ならまだしも、全体が強アルカリ性に偏っている場合は、上記のような改善作業をしても、すぐアルカリ性に戻ってしまう。潔くあきらめて、アルカリ性の土でも育つ植物だけを植えるか、鉢・プランター植えで楽しむ。広さがあれば、石やレンガを積んでレイズドベッドを作り、その中に健全な土を入れるのも良い方法である。
  10. 花壇や畑の土壌酸度を調整したら、植物の植え付けまでに、数回雨に当たると理想的である。雨が降らなければ、適当に水をかけておく。
  11. 重要な肥料成分の一つである窒素(N)は、石灰などのアルカリ性物質や、未熟な有機物(有機質肥料・堆肥・腐葉土など)と同時に施すと、化学反応を起こし、アンモニアガスを発生させて植物を傷めるので注意する。同時には施さず、一週間以上の間隔を開ける。このとき、土壌酸度が強酸性だと、亜硝酸ガスが発生し、やはり植物を傷める。

花壇・庭・畑の土質改善

  1. 新たに花壇や畑を作ろうと思ったら、その土全体の通気性・排水性・保水性・保肥性を改善しなければならず、思いのほか大変である。実行に当たっては、下記のように行う。
    1. まず、予定地全体を深さ30~60cmほど掘り返し、石やゴミを取り除く。
    2. 有機物(堆肥か腐葉土)を1平方メートル当たり15~35リットルほど加え、よく耕す。(重い土や、初めて耕す土には多めに加え、軽い土や、以前に耕したことのある土なら、少なめに加える。)なお、有機物は、土の上に広げたら、すぐにすき込まないと、有用な微生物が紫外線で死滅する。
    3. 余裕があれば、さらに、軽石、珪酸塩白土、ゼオライト、バーミキュライト、パーライト、酸度調整済ピートモスなどの改良用土を、総量10~30リットルほどすき込む。(こちらも、重い土や、初めて耕す土には多めにすき込み、軽い土や、以前に耕したことのある土には少なめにすき込む。なお、全種類すき込む必要はない。)もみ殻くん炭を大量にすき込むと、土壌酸度がアルカリ性に偏るので注意。
    4. 土壌酸度を測定し、酸性に偏っていれば、上で述べたように、石灰をすき込む(1平方メートル当たり100~200g)。
  2. 重く粘土質な土を改善したければ、腐葉土かバーク堆肥を使うのが一番である。家畜の糞で作られた堆肥(牛糞堆肥、鶏糞堆肥、豚糞堆肥など)を使う場合は、ワラやもみ殻などと一緒に発酵させた製品を選ぶとよい。(家畜の糞だけで作られた堆肥は、どちらかというと肥料に近く、土質改善効果が劣る。自家製の生ゴミ堆肥も同様。ただし、家畜に由来する堆肥は、肥料の三大要素の一つであるカリを多めに含んでいるので、カリ不足を避ける意味でも、時には使いたい。)
  3. 花壇や畑の土質改善が終わったら、元肥として、長期間穏やかに効く緩効性肥料を、1平方メートル当たり100gほど施せば完璧。ただし、生ゴミ堆肥や、家畜の糞で作られた堆肥には、肥料成分が多く含まれるため、土質改善の際にこれらの堆肥を用いた場合は、施す元肥の量を半分程度に減らす。(なお、これらの堆肥は、肥料成分が多いとはいえ、肥料代わりに使えるほど多量に含むわけではない。)
  4. 土質が改善されたら、その後も長期間、良い土質を保つため、一年に一度は堆肥か腐葉土をすき込み、耕すのが望ましい。(とはいえ、あまり頻繁かつ念入りな耕起は、土中に住むミミズなどの小動物の生活を阻害するので好ましくない。二度目以降の耕起は、適当加減に済ませておく。)なお、すき込む有機物は、同じものばかりを使うと、土中に特定の肥料成分などが蓄積する可能性があるので、最初に牛糞堆肥を使ったら、翌年は腐葉土、その次の年は生ゴミ堆肥、というように、ときどき変えるとよい。
  5. 土質の改善作業が面倒なら、高さ20~30cmくらいに土を盛って畝を作り、そこに植物を植えるとよい。また、レンガや石を積み上げて囲いを作り、その中に土を入れて植物を育てる「レイズドベッド」を作るのも、良い方法である。いずれの方法も、実際に植物を植え込む土は、排水性の良い土でなければならない。
  6. 逆に、極端な砂質であるなど、庭の水はけがよすぎて、すぐに乾いてしまう場合は、堆肥や腐葉土などの有機物だけでなく、赤土や黒土、田土などの粘土質の土もすき込めば、土の保水性が改善される。狭い場所なら、保水性の高いバーミキュライトを使う方法もある。
  7. 冬の間、何も植えていない花壇や畑があれば、深さ30~60cmほど掘り返し、「天地返し」をしておきたい。天地返しとは、上層の土と下層の土をひっくり返す作業で、三~四週間ごとに行えば、寒さに当たることで土がサラサラになって排水性・保水性などが回復し、土中の病害虫も駆除できる。また、連作障害の抑止にもなる。春までに2~3回行うとなお良い。とはいえ、大変な重労働なので、無理して行う必要は無い。
  8. 一年中、何かが植わっている土は、植物の植え替え時に、土質の改善作業を行う。植物を抜き取った跡を、できる限り深く、大きく掘り、石やゴミなどを取り除いたら、元の土に、有機物や改良用土をすき込み、埋め戻す。このとき、元の土を使わず、そっくり新しい土に替えてもよい。
  9. 植え替え時まで待てなければ、植物が植わったまま、土質改善作業を行う。あまり大きく深く掘ることはできないので、植物の根や地下茎がない部分の土を、深さ10~15cmほど掘り下げ、上記と同様に行う。多少、根が傷ついても気にしない。
  10. 花壇や畑、庭などの土を掘り返して耕す作業は、土がほどよく湿っているときにする。土がひどく乾いているときに作業をすると、土が固すぎて疲れる上、土の団粒構造を崩してしまい、土質をかえって悪くする可能性がある。逆に、土がひどく湿っているときに作業をすると、今度は、土が重すぎて疲れる。
  11. 土の中に、ゴミや石、有害物質、ガラス片などの危険物が混じっていると、植物の生育に著しい支障をきたすので、きちんと取り除く。
  12. 鉢やプランターなどに、庭の土を入れて植物を栽培したい場合は、上記のように土質を改善したものを採取して用いればよい。が、必要量が少ない場合は、必要な分だけ庭土を採取し、ゴミや石などを取り除いてから、1mm目のふるいにかけてみじんを抜き、堆肥か腐葉土を投入する。(配合比率は、庭土6に対し腐葉土4など。できればパーライトも1割ほど入れたい。)土ができたら酸度を測定し、酸性に偏っていたら、石灰も混ぜる(1リットル当たり3~5g)。
  13. 庭土を採取する際は、土質の劣化が進んでいる表層の土は避け、数cm掘り下げた部分の土を使う。ちなみに、田んぼの土を採取する場合も、表層の土は使わない。最低でも深さ30cm以上のところにある土を採取するとよい。(言うまでもないことだが、他人の田んぼを勝手に掘ったりしない。)
  14. よく、よい土を表す言葉として、「肥えた土」「肥沃な土」という言い方をするが、これは、「肥料を多く含む土」というよりは、「有機物をほどよく含む土」のことだと思ったほうがよい。有機物は、上のほうで述べたように、土の通気性・排水性・保水性・保肥性の全てを改善してくれる上、土の中の有益な微生物を活性化させて、植物の生育を健全にする働きもある。
  15. 堆肥や腐葉土などの有機物は、土質の改善に欠かせないが、大量に用いると、コガネムシなど、腐食質を好む害虫を呼び寄せることがある。
  16. 市販の腐葉土の中には、分解・発酵の未熟な粗悪品があるので、注意が必要である。粗悪品は、腐敗物のような臭いがし、材料である茎葉などが、はっきりと原形をとどめている。そんなものを土に混入すると、タネバエなどの害虫が発生したり、分解の過程で、土中に有害なアンモニアガスが発生し、植物の根を傷めることがある。また、分解を進めるために、土中の窒素が使われるため、植えられた植物が窒素欠乏に陥ることもある。(「窒素飢餓」という。)
  17. もし、未熟な腐葉土を入手してしまったら、油かすなどの窒素肥料を、10リットル当たりカップ1杯ほどまぶして混ぜ、よく湿らせて、そのまま1~6ヵ月ほど日陰に放置する。(この間、密閉する必要はないが、乾燥させないよう注意する。)茎葉などが原型をとどめず、黒っぽくなり、悪臭がしなくなれば完成。完熟品は、鼻を近づけると、山林の中のような独特な匂いがし、手で握っても固まらず、ポロポロと崩れる。
  18. 上で書いたように、はっきりと葉の原型がわかるような腐葉土は、分解・発酵が進んでいない未熟な粗悪品だが、材料の葉の原型がまったく分からないほど崩れているものも問題がある。そのような腐葉土は、材料が崩れすぎて、微細な粉末になっているため、土中に混入すると、かえって排水性を損なう恐れがある。
  19. 余談になるが、市販の腐葉土は、製品によって、品質の差が著しい。上記のような未熟品も十分粗悪だが、自分で発酵させれば、普通の腐葉土になる。問題なのは、不純物が混入している製品である。良質な腐葉土は、ブナ科やニレ科の樹木の落ち葉で作られている。それほど高級な腐葉土でなくとも、普通は、広葉樹の落ち葉だけを材料としている。しかし、中には、針葉樹の葉・太い木の枝・プラスチックゴミなどが混入した、超粗悪品が存在する。(針葉樹の枝や葉は、植物の生育を妨げる。)購入前によく中身を確認するよう心がけたい。
  20. エンバクやギニアグラス、クローバー類、クロタラリア、サツマイモ、ソルゴー、ヒマワリ、ファセリア、ヘアリーベッチ、マリーゴールド、レンゲなどを、庭や畑でたくさん栽培し、大きく育ったら細かく刻んで、土中にすきこむと、堆肥の代わりになる。(「緑肥作物」「緑肥植物」などという。)この方法だと、タネ代だけで土質を改善することができる。
  21. すき込む適期は、原則として開花中だが、イネ科の植物(エンバク、ギニアグラス、ソルゴー)は、穂が出る前に行う。このとき、1平方メートル当たり100~200gの石灰も一緒にすき込むと、分解が早まる。すき込み後は三~四週間ほどそのままおき、土中で分解されるのを待ってから、植物を植え付ける。
  22. 緑肥植物のうち、ギニアグラス、クロタラリア、ソルゴーは、長く伸びる根が、硬くなった土をほぐす。また、エンバクやフレンチマリーゴールドは土壌害虫のネグサレセンチュウを、ギニアグラス、クロタラリア、アフリカンマリーゴールドには、ネコブセンチュウを減らす効果がある。

古土の再生・処分

  1. 鉢やプランターで使った古い土は、土壌伝染する病虫害(センチュウ、白絹病など)が発生していなければ、再利用できる。しかし、古土には、下記のような欠点がある。従って、使い古した土を、そのまま使い回すのは好ましくない。
    1. 土の粒が崩れて通気性・排水性が悪化している。
    2. 有機物の分解が進みすぎている。
    3. 微生物の勢力バランスが崩れている。
    4. 肥料成分のバランスが崩れている。
    5. pHが酸性またはアルカリ性に偏っている。
    6. 根から排出された老廃物が溜まっている。
    7. 害虫の卵や、病原菌が紛れ込んでいる。
    8. 雑草のタネが紛れ込んでいる。
  2. 古土を再利用するには、まず最初に消毒しなければならない。消毒の方法は、真夏の太陽熱を利用する方法が最もよく知られている。手順は、下記の通り。
    1. 土をよく乾かし、7~10mm程度の粗い目のふるいにかけて、古い根や枯れ葉、害虫、ゴミなどの不純物を取り除く。次いで、1mm目のふるいにかけ、細かいみじんも取り除く。
    2. 古土に水をかけてよく湿らせる。水の代わりに、80℃以上の熱湯や、園芸用殺菌剤(オーソサイド、ベンレートなど)の1000倍液をかけると、土の消毒効果が高まる。
    3. 十分に湿った古土を、黒いビニール袋に入れて密封し、戸外の、よく日が当たるコンクリートやアスファルト、トタン板などの上に、平らにして置く。強い直射日光に1ヵ月ほどさらせば、土中の雑菌や害虫がほぼ死滅する。時間がなければ、3~7日くらいでも効果がある。
  3. たとえば山野草専用土や洋蘭専用土のような、粒の粗い砂利状の用土の場合、ふるいにかけるのではなく、ザルに入れて、手でしっかり水洗いすれば、かなりきれいな土になる。その後で消毒すれば完璧。
  4. 夏まで待てなければ、真冬の寒さを利用する消毒方法もある。上記の1と2の後、湿った古土を、戸外のコンクリートやアスファルトなどの上に薄く広げ、冬の寒さにさらすだけである。数回霜に当たったり、凍結したりすると、なお良い。三~四週間に一度、土をひっくり返し、上下の土を入れ替える。夏の場合と違い、消毒に時間がかかるので、春が来るまで続ける。この方法は、積雪量の多い地域では行えない。
  5. その他、下記のような消毒方法もある。いずれの方法も、実行前に、古土をふるいにかけることだけは怠らない。古土の量が少なく、土壌伝染性の病虫害さえ発生していなければ、この程度の消毒法でも十分。
    1. 古土を薄く広げ、80℃以上(できれば95℃以上)の熱湯をたっぷりとかける。
    2. 古土を薄く広げ、園芸用殺菌剤(オーソサイド、ベンレートなど)を800~1,000倍に希釈したものをたっぷりとかける。
    3. 古土を薄く広げ、塩素系漂白剤の100倍液をたっぷりとかける。その後、数日間放置し、臭いが無くなれば完了。
    4. せいろや蒸し器を使い、古土を蒸す。加熱時間は、火にかけ始めてから一時間程度。
    5. 大きな鍋に半分ほど古土を入れ、水をひたひたに張って煮沸する。加熱時間は、沸騰してから30分程度。
    6. 古土を湿らせ、ラップをかけて電子レンジに入れ、ごく短時間加熱する。薄く広げて加熱しないと、熱の通りにムラができるので注意。
    7. 古土を十分に湿らせ、フライパンに入れて、水気が飛ぶまで火であぶる。加熱時間は、湯気が出るようになってから、少なくとも15分以上。焦げ付いたりしないよう、ときどきかき混ぜる。なお、油は不要。
    8. 鉄板の上に、古土を山盛りにし(高さは20cm以下)、中にジャガイモを入れて、下から火であぶる。土の上には濡れたムシロなどをかぶせ、蒸し焼きにする。ジャガイモに火が通れば完了。
    9. 水が漏れない容器に土を入れて、水をたっぷりと張り、土をかき混ぜて空気を抜く。水が減ったら足す。(ビニールシートなどをかぶせて密閉すると楽。)1ヵ月以上水に沈めておくと、土中の雑菌や害虫が減少する。
    10. 土1リットルにつき1gの石灰窒素を振りかけて、よく混ぜ合わせ、容器などに密閉して二~三週間置くと、石灰窒素が分解される過程で発生するシアナミドの毒性により、土中の雑菌や害虫が減少する。(分解が終われば毒性は消える。)消毒後の用土は、pHがアルカリ性のほうに傾き、窒素分の含有が多くなるので注意。
    11. 庭の片隅の、日光や雨がよく当たる清潔な場所に、古土を山盛りにしておく。一年くらいそのまま置けば、長い月日の間に風化し、雨に洗われてきれいになる。消毒が終わる頃には、土の量が減っているが、仕方がない。猫のトイレにされないよう、ネットをかぶせておく。
  6. 上記の消毒法のうち、加熱による方法は、思いのほか悪臭が漂うことがあり、おすすめしない。ただ、有機物の含有がほとんどない、砂利のような土(東洋蘭専用土など)は、あまり臭わない。
  7. 消毒後の古土は、土中に有益な微生物が少なく、やせているので、新しい土を2~5割ほど混ぜるか、市販の土壌再生剤(土のリサイクル剤)を指定量混ぜてから使う。
  8. 古土をふるいにかけるのは面倒だが、やって損はない。土の中には、さまざまな微生物が住んでおり、植物に無害なものと、有害なものがある。このうち、植物に有害な菌類は、酸素に触れると死んでしまう「嫌気性菌」が多いとされており、土をふるいにかけることで、これらを減らすことができる。植物に有益な菌類は、酸素に触れても平気な「好気性菌」であることが多いらしいる。ただし、菌類の世界は、「嫌気性菌=悪、好気性菌=善」などという単純なものではないので、偏見を持たない。たとえば、人間に有益な乳酸菌の仲間にも、嫌気性菌が存在する。
  9. 白絹病や紋羽病、センチュウ類など、土壌伝染性の病虫害が発生した土は、クロルピクリンくん蒸剤やバスアミド微粒剤などで消毒しなければならない。しかし、これらの土壌消毒剤は、毒・劇物に該当することが多く、刺激臭まであり、一般家庭で気軽に使えるものではない。そのような病虫害が発生した土は、素直に処分するか、焼く、蒸す、水に沈めるなどして徹底的に消毒する。庭に捨てると、その周囲が汚染される。(実際は、庭土の中にいる先住の微生物群に抑制され、そうそう発病しないが、好ましい処分法とはいえない。)
  10. 古土の処分方法は、自治体ごとに異なる。可燃ゴミとして出せる自治体もあれば、不燃ゴミ扱いの自治体もあり、そもそもゴミとして回収しない自治体までさまざま。土は再利用がきくため、安易に処分するのは好ましくないが、どうしてもという場合は、居住する自治体のルールに従い、適切に処分する。なお、地域によっては、ホームセンターや、園芸業者が回収していることがあるので、よく調べておきたい。