ジャンル別索引:多年草・宿根草
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※ 植物名リストの下方に、このジャンルに関する解説文があります。
植物名リスト
このジャンルについて
概要
- ここにあるのは、植え付け後、二年以上に渡って生存・開花し、かつ、比較的耐寒性が強く、花壇やグラウンドカバーに使えそうな植物である。(私の独断と偏見で分類。)一部、寒冷地では露地で越冬できない、半耐寒性の植物も含めた。(例、ダンギクなど。)
- 耐寒性の弱い植物は「鉢花」の一覧へ。(例、チョコレートコスモスは鉢花扱い。)また、球根性の植物は「球根植物」へ。エビネなど、少々マニアックな植物は「山野草・古典園芸」へ。さらに、本来は多年草だが、暑さ寒さに弱いために一年草扱いされる植物は「一年草・二年草」にあるかもしれない。
- 「多年草」とは、休眠期も地上に緑色の部分が残る草本を指し、「宿根草」とは、休眠期に地上部が全て枯れる草本を指すらしい。
- 水草は、個人的に詳しくないので除外したが、鉢植えで栽培できるオモダカやスイレン、ハスなどは収録した。しかし、沈水性植物(水上に葉を出さず、一生、水中で生活する植物)については、全くの守備範囲外である。
- 基本的に、鉢植えにすることを前提に解説した。とはいえ、庭や花壇に植えれば水やりがほとんど不要になり、手間がかからないので、場所があれば地植えにしたほうが楽である。
- この仲間は、毎年同じ時期に咲く代わりに、花期が短い傾向がある。花壇やコンテナガーデンなどで楽しむ場合は、花期の長い一年草などと組み合わせたい。
日頃の管理
- 多年草・宿根草は基本的に、十分な日当たりと、適度な水分を好む種類が多い。
- 施肥は比較的少なめでよく、原則として、春・初夏・秋の三回である。地植えの植物なら春と秋の二回、あるいは春の一回だけでも支障はない。しかし、生育環境がよいにも関わらず、葉色が薄くなったり、花付きが極端に悪くなったりしたら、肥料不足の可能性があるので、液肥を与えて様子を見る。
- 多くの多年草・宿根草は、一度植え付けると、最低でも2~3年そのまま据え置き栽培できる。年数を経るごとに株が大きくなり、見栄えが良くなる。
- 地植えにした場合は、植え付け後5~8年も経てば、さすがに勢いが衰える。回復させるには、掘り上げて別の場所に植え替えるとよい。場所を変えたくなければ、元の植え場所を大きく掘って、古い土やゴミを取り除き、そこに、新しい土を入れてから植える。(「客土」といい、連作障害を避ける作業。)
- 鉢植えの植え替えは、種類によるが、だいたい1~3年に一回が適当。古い土を軽く落とし、新しい土で植える。
- 植え付け後、数年間そのままにするので、株の周囲の土が固まってしまいがち。年二回ほど、小さな熊手などで株の周囲を軽く耕し、土をほぐしてやると、土の通気性・排水性が回復し、植物がよく育つ。(「中耕」という。)
- 花が終わった後、葉だけが茂って邪魔になっても、自然に枯れるまで刈り取ってはいけない。もし、元気な葉を刈り取ったりすると株が弱り、翌年の花数が減るか、まったく開花しなくなる。
- 多年草・宿根草は温帯地域に自生する種類が多く、冬の寒さに十分さらされないと、春になっても正常に育たない。従って過保護は避ける。耐寒性が弱い種類は鉢植えにして、室内の無加温の場所に置くとよい。
- 中には、タネを周囲にばらまいて雑草化したり、地下茎で勝手に広がったり(地植えの場合のみ)する、繁殖力の強いものがある。そのような植物は、放置すると、他の植物を駆逐することもあるため、しっかり監視する。
- 鉢植えの場合、休眠期に地上部が枯れて無くなっていても、水やりを忘れてはいけない。体内に水分や養分を蓄えているわけではないので、水やりを怠ると、干からびて枯れてしまう。地植えの場合はそんな心配はない。
休眠期の形態について
- 多年草・宿根草の休眠中の形態は、次の三通りがある。
- 地上部が完全に枯れて無くなり、地下に芽を作るもの。(例、アマドコロ、キキョウ、シャクヤク、スズラン、ホオズキなど。)
- 地上部が枯れ、地表に小さな芽を出すもの。(例、アヤメ、コレオプシス、ハナトラノオ、ホタルブクロ、ロベリアなど。)
- 地上部が緑色を保ち、枯れないもの。植物によっては、葉先などが傷む。(例、シバザクラ、ジャノヒゲ、セキショウ、ツワブキ、ハランなど。)
- ただし、地上部を残して休眠する植物でも、寒冷地では、すべて枯れてしまうことも少なくない。