ギボウシ
イメージ
原産地
日本(沖縄除く)・中国・朝鮮半島・カラフト
科
キジカクシ科(またはクサスギカズラ科・リュウゼツラン科・ユリ科)
高さ
10~150cm(種類による)
花期
5~8月
【イワギボウシ系】9~10月
形態
宿根草
別名等
ホスタ(属名)/擬宝珠/ギボシ/ウルイ/コレイ/ウリッパ/プランテーンリリー
(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)
日照
西日を避けた戸外の直射日光下(7月中旬~9月上旬は30~50%遮光)。
【補足】大型種ほど日光を好み、耐陰性が弱い傾向がある。逆に、小型種ほど耐陰性が強く、多少の日陰なら耐える。
イワギボウシ系は強い日光を嫌うため、遮光を強めにする。黄金葉の品種は、日光が弱いと葉が緑色っぽくなる。
水やり
土の表面が乾けば与える。
【補足】タチギボウシやミズギボウシは湿った場所を好むので、水切れは厳禁。
肥料
3月上旬~5月中旬と、9月中旬~10月下旬に、少量の固形肥料を置き肥。
【補足】秋の施肥は、窒素(N)を含まないものを。
植え替え
2月下旬~4月中旬か、10月上旬~11月下旬。
【補足】鉢植えは1~3年に一度、地植えは4~6年に一度行う。太い根をなるべく切らない。
整姿
特に無し。
繁殖
【株分け】植え替えと同時期。(春のほうがよい。イワギボウシ系のみ、5月下旬~6月中旬に作業する。)
【タネまき】採ってすぐにまく(発芽は翌春)。
耐暑性
強いが、強光と乾燥に注意。
耐寒性
とても強い(-20~-30℃)。
解説
- 原種・園芸品種ともに多く、大型種~小型種までさまざま。耐陰性が強く、葉に斑が入るものが多いので、日陰の彩りとして用いられる。花色は、白~淡青紫、淡桃色など。
- 原種だけでも、かなりの種類が流通する。大型種では、葉裏が白いウラジロギボウシや、斑入りの品種が多いオオバギホウシ、やや寒地性で湿地を好むタチギボウシ、花に芳香があるタマノカンザシなどがある。
- 中型種では、岩や樹の上に生えるイワギボウシや、ヒュウガギボウシの変種で花茎が下垂するウナズキギボウシなどがある。
- 小型種では、済州島原産のオトメギボウシや、アキギボウシの変種で、細い葉がねじれるコガラシギボウシ、斑入りの品種が多いコバギボウシ、イワギボウシの仲間で小型のヒメイワギボウシ、湿地に自生し、葉幅が狭いミズギボウシなどがある。
- 小型種のタチギボウシとコバギボウシは同一種であるとする説もある。
- 有名な「サガエ」や、トクダマギボウシなどは、オオバギボウシに近い大型種である。草姿も見事で、庭に植えると結構な存在感がある。
- 夏または秋に、ユリを思わせる清楚な花が咲く。美しいが、一日花である。
注意点・病害虫
- 丈夫で育てやすいが、種類によって、ややクセがある。オオバギボウシ系の種類は日なた~日陰まで適応範囲が広く、乾燥にも耐えられる。タチギボウシやミズギボウシは湿気を好み、水切れに弱い。また、イワギボウシ系の種類は、強い直射日光を嫌うのに加え、根が空気を好むので、通気性のよい土に植える。
- 斑入り葉を持つ種類の中には、夏以降、斑が消え、緑一色の葉になってしまうものがある。(「後暗み」という。)しかし、春に出る新葉には、また斑が入っているので心配しない。これは性質なので、どうしようもない。
- 最近人気の、葉が青みを帯びた品種は、葉の表面の粉(「ブルーム」という)によって、青っぽく見えている。雨よけ下で栽培すれば、この粉が流れてしまうことなく、いつまでも美しい葉を観賞できる。雨に当て放題にすると、粉が流れて葉が緑色っぽくなる。なお、青葉の品種は、葉に粉をまとっている分、比較的、強い日光に耐える。
- ギボウシの葉の斑は、母親(種子親)から子へ遺伝するが、父親(花粉親)から子へは遺伝しないらしい。なお、人工授粉を行う場合は、午前中に作業する。
- ウイルス病にかかると、葉に淡い縞模様やモザイク模様が入るので、処分したほうがよい。もちろん、斑入り葉の品種は例外。その他、白絹病にもかかる。
- 山菜の一種なだけに、害虫に葉をかじられやすい。ナメクジやヨトウムシに注意。ネコブセンチュウも付く。
- 人間にとっては山菜だが、犬猫にとっては有毒植物である。食べさせないよう注意する。
余談
- 山菜としても有名。春に出る若芽を摘み、食用にする。さっとゆでてサラダに。マヨネーズとよく合う。
各種の和名・異名
- スジギボウシ/筋擬宝珠(ウンドゥラタ)
- シロフクリンオハツキギボウシ(ウンドゥラタ「アルボマルギナタ」)
- ヒュウガギボウシ/日向擬宝珠(キクチイ)
- ウナヅキギボウシ(キクチイ変種カプット-アビス)
- ウナヅキギボウシ/トサギボウシ/トサノギボウシ/土佐擬宝珠(いずれもキクチイ変種トサナ)
- スダレギボウシ/簾擬宝珠(キクチイ変種ポリネウロン)
- キヨスミギボウシ/清澄擬宝珠(キヨスミエンシス)
- アルボマルギナタ(異名)/コバギボウシ/コバノギボウシ/小葉擬宝珠/フクリンギボウシ/覆輪擬宝珠(いずれもシーボルディー)
- カビタン/カピタン(いずれもシーボルディー変種シーボルディー品種カビタン)
- シロカビタンギボウシ/シロカピタンギボウシ(いずれもシーボルディー変種シーボルディー「シロカビタン」)
- 文鳥香(シーボルディー品種ブンチョウコウ)
- トウギボウシ(シーボルディアナ)
- シーボルディアナ/モンタナ/シーボルディアナ変種ギガンテア(いずれも異名)/オオバギボウシ/大葉擬宝珠(いずれもシーボルディアナ変種モンタナ)
- トルティフロンス(異名)/コガラシギボウシ/木枯擬宝珠(いずれもタルディフロラ変種トルティフロンス)
- シーボルディアナ変種コンデンサタ(異名)/トクダマギボウシ(いずれもトクダマ)
- キフクリントクダマ(トクダマ品種フラボシルシナリス)
- ウラジロギボウシ/裏白擬宝珠(ヒポレウカ)
- シロフクリンレンゲギボウシ/白覆輪蓮華擬宝珠/シルバー・クラウン(いずれもフォーチュネイ「アルボマルギナタ」)
- マルバタマノカンザシ/丸葉玉簪/オーガストリリー(いずれもプランタギネア)
- タマノカンザシ/玉簪/玉簪花(プランタギネア変種ジャポニカ)
- シーボルディアナ変種フルクツアンス(異名)/クロナミギボウシ/黒波擬宝珠(いずれもフルクツアンス)
- シーボルディアナ変種フルクツアンス「サガエ」(異名)/サガエギボウシ/寒河江擬宝珠(いずれもフルクツアンス「バリエゲイテッド」)
- オトメギボウシ/乙女擬宝珠(ベヌスタ)
- ムラサキギボウシ/紫擬宝珠(ベントリコサ)
- タチギボウシ/立擬宝珠/エゾギボウシ/蝦夷擬宝珠(いずれもレクティフォリア)
- ミズギボウシ/水擬宝珠(ロンギッシマ)
- サイゴクイワギボウシ/西国岩擬宝珠(ロンギペス変種カドゥカ)
- ヒメイワギボウシ/姫岩擬宝珠(ロンギペス変種グラシリマ)
- コフキイワギボウシ/粉吹岩擬宝珠(ロンギペス変種ヒポグラウカ)
- イワギボウシ/岩擬宝珠(ロンギペス変種ロンギペス)
(※データ:大阪市基準)