園芸用語:ア行
アで始まる用語
- 青海苔斑
- 葉に入る斑の一種。淡い緑色をぼかしたような斑。
- 赤玉土
- 赤土が団子状に固まったもの。大粒・中粒・小粒がある。弱酸性。通気性・保水性・保肥性に優れ、基本用土として最もよく使われる。土の粒が崩れると排水性が悪化する。
- 赤土
- 関東ローム層を代表する、赤茶けた火山灰土。粘土質。保水性・保肥性がよい。
- 明るい日陰
- →半日陰
- 亜寒帯
- 地球の気候帯のうち、寒帯と温帯の中間を、こう呼ぶことがある。日本では、北海道の山岳地帯および内陸部と、北部~東部地域の平野部が該当する。
- 秋植え球根
- 秋~初冬に植え付け、翌年の晩春~初夏に生育を終える球根植物。
- アキシール
- サボテンの体表面にある「イボとイボの間の部分」のこと。マミラリア属など、多数のイボを持つ種類で使われる言葉。種類によっては、そこから毛が生える。
- 上げ継ぎ(揚げ接ぎ)
- 台木を掘り上げて行う接ぎ木。作業が終わったら植え直す。
- 曙斑
- 葉に入る斑の一種。細長い葉の基部・端・途中などに入る、ぼんやりした淡色の部分。葉が古くなると消えることが多い。
- 浅鉢
- →半鉢
- 亜種
- 分布地域の広い生物は、地理的・気候的条件によって、基本種と異なる姿・性質を持つ変異種を生じることがある。その変異種をこう呼ぶ。学名表記では、「subsp.」の後に続けて書く決まりになっている。
- 圧縮ピート
- ピートモスを乾燥・圧縮し、板状や円盤状にしたもの。水を含ませ、戻してから使う。
- 厚まき
- タネを密にまくこと。スプラウト(モヤシ)作りに適する。そうでない場合は、密植状態を避けるため、発芽後すぐに間引きをする。
- 亜低木
- 茎の根元が木質化し、先端は草本のようになっている植物。ラベンダーなどがよい例。
- 後暗み
- →後暗み
- 後冴え
- →後冴え
- 亜熱帯
- 地球の気候帯のうち、温帯と熱帯の中間を、こう呼ぶことがある。日本では、鹿児島県の屋久島南部以南の、全ての地域が該当する。
- アネモネ咲き
- →丁字咲き
- 油かす
- 大豆・ナタネ・ゴマなど、植物油の絞りかす。窒素を多く含む。市販品には未発酵と発酵済みがあり、使いやすいのは後者。
- 荒植え
- 1…粒の大きい用土で植え込むこと。
2…田畑などに、複数の苗を、広い間隔をとりながら植え付けること。 - 荒起こし(粗起こし)
- 何も植わってない花壇や畑の土を深さ30cmほど掘り返し、そのまま放置する作業。真冬に行うことが多い。土質が改善され、土中の病害虫も減る。
- 荒木田土
- →田土
- アルバ(alba)
- 花色を示す言葉。標準の色に比べ、色素が抜けて白くなった花。
- アルベッセンス(albescens)
- 花色を示す言葉。標準の色に比べ、色素が抜けて白っぽくなった花。 アルバよりは色が残っている。
- アレロパシー
- →他感作用
- 暗期
- 明かりの無い、暗黒の時間帯をいう。短日植物や長日植物は、これの長さに反応し、花芽を作ったり作らなかったりする。
- 行灯(あんどん)
- 園芸道具の一種。植物の周りに3~4本の支柱を立て、輪っかを2~4段ほど取り付けたもの。主に、つる性植物の誘因に用いる。
- 暗発芽種子
- →嫌光性種子
イで始まる用語
- いかだ吹き
- 盆栽用語の一つ。主幹が地表に水平に倒れ、そこから伸び上がった複数の枝が幹のようになり、その結果、複数の木が寄せ植えされたように見える状態。
- 維管束
- 枝や茎の内部にあり、水分や養分が通る輸送管などから成る組織。「木部」と「師部」の総称。
- 育種
- 人為的に交配を繰り返したり、植物体の一部を培養したりして、新品種を作り出すこと。品種改良。
- 育苗
- タネを発芽させて苗を作り、ある程度の大きさまで育てること。
- 異形花不和合性
- 花の形状が二種類以上あり、異なる形状同士の交配でなければ、タネができない性質。同じ形状の花同士では結実しない。プリムラが代表的。
- 生垣
- 細い竹を格子状に組み、それを支柱にして、常緑樹を一列に植え、仕切り壁の代わりにしたもの。
- 石ダネ
- →硬実種子
- 石づけ
- 大きめの軽石や抗火石の所々に穴を開け、植物を植え込むこと。山野草でよく行う。
- 移植
- 1…今とは別の場所や、違うコンテナに植え替えること。
2…育てている幼苗が混み合わないよう、生育に応じて掘り上げ、間隔を空けて植え直すこと。 - 移植ゴテ
- 園芸用の小型のコテ。土を掘り下げたり、植物の根を切ったり、硬い土を崩したりする。物によって、刃の幅や柄の角度に違いがあるので、使いやすいものを選ぶ。
- 異数体
- 体細胞の染色体数(2n)が、必要最小限数(x)の倍数になっていない、特異な個体。通常は種子ができない。
- 板目
- 幹を縦に切断して現れる木目のうち、幹の髄心を含まないものをこう呼ぶ。
- いちじく状花序
- 花軸が肥厚して袋状になり、内側に小さな花がたくさん咲く開花形式。イチジクの花が典型。
- 一巡植物
- 花が咲いて種子ができると、直後に枯死する植物。リュウゼツランの仲間などにみられる。
- 一代雑種(一代交配種)
- →F1品種
- 一日花
- 咲いてから一日以内にしぼむ花。
- 一年枝(一年生枝)
- 春に伸びた新梢で、まだ年を越していないもの。
- 一年草(一年生植物)
- タネまき後、一年以内に開花結実し、その後枯死する草本。日本の気候では夏越し・冬越しできない多年草も含む。真夏や真冬など生育に適しない時期を、種子の状態で乗り切るのが特徴。
- 一の枝
- 盆栽用語の一つ。根元から枝を順番に数えて、一番最初にある枝。つまり、最も土に近い位置にある枝。これ以降は、「二の枝」「三の枝」と数える。
- 一番花
- 花期を迎えて、一番最初に咲いた花。
- 一回繁殖性
- 一度花が咲いてタネができると、その直後に必ず枯死する性質。
- 居接ぎ
- 台木を掘り上げず、植わった状態のまま行う接ぎ木。
- 一季咲き
- 一年のうち、特定の短い一時期だけ花が咲く性質。
- 一歳もの(一歳植物)
- 基本種に比べて、成熟・開花が早い性質を持つ品種。
- 一作株(一作開花株)
- →NBS
- 一本立ち(一本立て)
- 1…周囲の苗を全て間引き、一本の苗だけを育てる仕立て方。
2…腋芽を全て取り除き、一個の主芽だけを育てる仕立て方。 - 稲ワラ堆肥
- 稲ワラを材料にして堆積・発酵させた堆肥。良質だが、最近は少なくなった。
- 今はぜ
- →天冴え
- 忌み枝
- 樹形を著しく乱す枝。なるべく早いうちに剪定する。
- 忌地(嫌地)
- 同じ土に、続けて同種の植物を植えたため、土中に特定の病菌や害虫が増え、生育不良になること。長年植え替えを怠ったときにも起きる。
- 異名
- 複数の学名を持つ生物の場合、正しい唯一の学名を正名と呼び、それ以外の学名をこう呼ぶ。
- 入り皮
- 幹や枝の分岐部に、樹皮が巻き込まれている現象。直立した枝がそのまま太ったときに起きやすい。これが見られる分岐部は、材がくっついていないため、裂けやすく危険。これとは逆に、分岐部に樹皮が盛り上がっている現象は「ブランチバークリッジ」といい、きわめて頑丈。
- 隠花植物
- 花の咲かない植物の総称。顕花植物より原始的。コケ、シダ類が典型的。
- イン・ザ・グリーン
- 休眠期に入る前の、緑色の葉が茂ったままの球根植物を掘り上げ、植え替えること。
- 陰樹
- 1…陰地性植物のうち、木本について特にこう呼ぶ。
2…幼木時のみ、周囲が半日陰や日陰でも生育できる植物。常緑照葉樹に多い。 - 陰生植物(陰地生植物)
- 直射日光を好まず、半日陰や日陰で生育する植物。
- 隠頭花序
- →いちじく状花序
- 陰陽生植物
- 陰生植物のうち、直射日光下でも生育できる植物。
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ウで始まる用語
- ウイルス
- DNAまたはRNAと、タンパク質から構成される、微細な病原体の総称。他の生物の細胞に寄生し、そこで増殖して、さまざまな症状をもたらす。
- ウイルス病
- ウイルスによって引き起こされる病状の総称。茎葉や花にモザイク状の斑模様や萎縮を生じることが多い。症状が悪化すると、植物は枯死する。
- ウイルスフリー
- 1…ウイルスに全く感染していない株。一旦感染してしまった株は、実生や生長点培養によって、ウイルスフリーにされる。
2…実害のほとんど無い、弱毒性ウイルスだけに感染している状態。 - ウインドウボックス
- 1…寄せ植え向きの、横長のプランター。
2…1のプランターに植物を植え込み、窓辺に飾ったもの。 - 植え傷み
- 植え替えに伴う根の損傷などが原因で、一時的に植物の生育が悪くなること。多くの場合、葉が蒸散する水分と、根が吸収する水分のバランスが崩れるために起こる。
- 植え替え
- 1…地植えされた植物を掘り上げ、別の場所に植え直すこと。
2…鉢やプランターなどに植えられた植物を抜き、新しい土で植え直すこと。 - 上木
- 背の高い樹木。庭のシンボルツリーなどに適する。クロガネモチ、ケヤキ、ヤマモモなど。
- 植え込み材料
- 植物を植え込む用土。多くの植物では普通の土を用いるが、洋蘭などは、水ゴケやバーク、軽石など、特殊なものを使う。
- 植え付け
- 苗を、庭や鉢などに植えること。
- 植え床
- 畑の畝の、平らにならされた部分。
- 上根
- 1…地表に近い、浅い部分に張った根。
2…球根植物で、球根より上の部分(茎など)から出ている根。ユリなどに見られる。 - ウォーターガーデン
- 池や水鉢、穴をふさいだプランターなどに、水生植物を植えて作った花壇。夏向き。
- ウォータースペース
- 鉢やプランターに土を入れる際、縁のギリギリまで入れず、上部2~3cmを空けておくが、そのスペースをいう。水やりは、このスペースが一杯になるまでたっぷりと。
- ウォールドガーデン
- 1…特殊な壁に植物を直接植え込んで作った、立体的な花壇。
2…四方を塀や壁で囲った庭園。フェンスやラティスなどを使い、壁面に、つる性植物を平面的に誘引したり、ハンギングバスケットなどを配置し、限られた空間をさまざまにデザインしている。 - 羽状複葉
- 複葉のうち、葉全体が細かく切れ込み、鳥の羽毛を思わせる形になったもの。小葉の枚数が奇数の「奇数羽状複葉」と、偶数の「偶数羽状複葉」がある。
- 羽状裂
- 葉の両縁に、左右対称に羽状の切れ込みが入っている状態。アザミやタンポポの葉など。
- 打ち込み斑
- 斑の入った部分が少しへこんでいる状態。
- 内芽
- 枝の途中にある芽(腋芽)のうち、樹冠の内側へ向かって付いている芽。萌芽後、樹形を乱す枝になりやすい。
- 打ち水
- 庭や植物の周囲に水をまくこと。湿度を高めると同時に、気温を下げる効果がある。
- 畝
- 畑などで、土を細長く筋状に盛り上げた部分。ここに植物を植える。盛り土の形状によって、「丸畝」「三角畝」「広畝」「低畝」に分かれる。
- 鱗状鱗茎
- 球根の形態の一種である「鱗茎」のうち、小さな鱗片がたくさん寄り集まっているものをいう。薄皮で覆われておらず。乾燥に弱い。ユリ根がよい例。
エで始まる用語
- エアレーション
- 芝生に小さな穴をたくさん開け、土に新しい空気を入れて、リフレッシュさせること。
- 裔芽
- 花茎から直接生じる子株。パイナップルの仲間などでみられる。
- 栄養生長
- 茎葉だけが旺盛に生育し、花が咲かない生長の仕方。
- 栄養繁殖
- タネまき以外の繁殖方法を指す。挿し木、株分け、接ぎ木、取り木、分球など。殖えた個体は、遺伝的に親と全く同一である。
- 栄養葉
- シダ植物の葉のうち、胞子嚢を持たないものをいう。 胞子葉に対する言い方。
- 液果
- 果汁が多く、みずみずしく柔らかい果肉と果皮を持つ果実。中の種子は硬い。ブドウ、モモなど。
- 腋芽
- 枝の先端ではなく、途中にある芽。普通は葉の腋にある。枝の先端にある芽(頂芽)に比べて勢いが劣る。
- 腋生
- 葉の腋に花や芽を生じること。
- 液相
- 土の粒のすき間にある水分。土の三相の一つ。
- 液肥
- 液体状の肥料。予め希釈されているものと、自分で希釈して使う原液とがある。
- エスパリエ
- つる性でない樹木を、壁面に這わせるように平面的に仕立てたもの。普通は、主枝を一本垂直に伸ばし、その左右に、複数の側枝を水平に伸ばさせる。(「丰」のような形。)西洋ナシやリンゴなどの果樹類でよく行われる。
- 蝦夷砂
- 北海道でとれる、硬質の火山砂礫。多孔質で、通気性・保水性に優れる。
- 枝下ろし
- 主幹や側枝のような太い枝を切り落とす、非常に強い剪定。適期を守って行わないと木を著しく弱らせる。
- 枝変わり
- 枝や茎、葉、花など、植物体の一部が偶発的に変異し、他の部位とは異なる特徴を獲得すること。突然変異の一種。変異した部分が新品種として認められることも多い。
- 枝配り
- 盆栽用語の一つ。木全体の、美しい枝の配置(位置・間隔・方向など)をいう。
- 枝透かし
- 枝が密生している部分において、不要な枝を根元から間引き、日光と通風を確保するための剪定をいう。間引く枝の太さ・大きさによって、「大透かし」「中透かし」「小透かし」がある。
- 枝摘み
- 新しく伸びた若枝だけを付け根から切る剪定。毎年同じ樹形を保つために行う。
- 枝吊り
- 重い果実をつける果樹類で行う作業。枝のしなりや折れを防ぐため、主幹に支柱を添え、上から結実枝を吊り下げる。
- 枝抜き
- 太めの枝を付け根から切る、強い剪定。「枝下ろし」よりは弱い剪定である。
- 枝はさみ
- →枝摘み
- エチレン
- 植物ホルモンの一種。植物体の成熟・老化に関わる。リンゴの果実や、石油系暖房器具からもよく発生する。
- 越年草
- 一年草のうち、秋に発芽して翌春に開花結実、その後枯死するもの。
- エディブルフラワー
- 食用の花。食用ギクが代表的。
- N-P-K
- 肥料の三要素。Nは窒素、Pはリン酸、Kはカリ。
- NBS
- 「Near Blooming Size」の略。あと一年育てれば開花年齢に達する苗のこと。洋蘭で使われる言葉。
- F1品種(F1ハイブリッド)
- 安定した形質を代々受け継ぐ両親から生まれた、一代目の雑種をいう。雑種強勢により、純血種の親より性質が強いことが多い。雑種の二代目(F2)以降には、親(F1)より劣る形質が現れやすい。
- 園芸植物
- 野生ではなく、人為的に栽培されている植物。
- 園芸品種(園芸種)
- →品種の2と3
- 円錐花序
- 花軸が細かく分枝して、全体に小花がびっしりと付き、円錐形のように見える花序。
- 塩性植物
- 塩分の多い場所でも生活できる植物。
- 燕尾
- 東洋蘭において使われる言葉。葉の先が二股に裂けているもの。
- 円弁
- 普通種と比較して、花弁の先端が丸くなっている状態。
オで始まる用語
- 追い肥
- →追肥
- オーキシン
- 植物ホルモンの一種。地上部の伸長を促進する。
- 黄変
- 老化した茎葉などが黄色っぽく変色すること。
- オーチャード
- ヨーロッパ風の果樹園。
- 大粒
- 土の粒の大きさが直径1cm以上のものをいう。鉢底のゴロ土に使う。
- 黄葉
- →黄葉
- 置き肥
- 固形肥料を鉢土や株の周辺に置くこと。水やりの度に、少しずつ有効成分が溶け出す。
- 晩生種
- 「おくてしゅ」と読む。他の品種系統に比べて生育期間が長く、開花・結実などが遅いものをいう。
- 雄しべ
- 植物の生殖器官のうち、雄性のもの。葯と花糸から成り、花粉を作る。
- オスマンダ
- 1…主にアジアに分布する、ゼンマイ科シダ植物の属名。大株に育つと、古い根の部分が黒い塊状となる。
2…1の古根を乾燥させ、園芸用土としたもの。針金のような硬い根の塊なので、通気性・排水性に優れる。洋蘭などの植え込みなどに用いる。 - 雄花
- 単性花の一つで、雄しべだけを持つ花。
- オモト鉢
- オモト栽培用の鉢。鉢縁のつばが広く、三本の足がある。黒色のものが多い。鉢壁に絵が描かれているものは、「錦手」と呼ばれる高級品。
- 親木
- 東洋蘭において使われる言葉。前年度以前に完成したバルブのうち、比較的新しいものをいう。三年以上経ったものは、「古木」「ヒネ木」と呼ぶこともある。
- オランジェリー
- 柑橘類を寒さから保護するための温室。17世紀のヨーロッパで生まれた。
- オリジナル
- 親株から株分けで殖やされた個体のこと。親株と全く同じ形質を持つ。洋蘭で使われる言葉。
- お礼肥
- 花を観賞した後や、果実の収穫後に、お礼代わりに施す肥料。
- 温帯
- 地球の気候帯の一つで、寒帯と熱帯の中間に位置する。日本では、北海道以北と屋久島以南を除く、全ての地域が該当する。気温や降水量の違いにより、冷温帯と暖温帯に分けられることもある。