いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育て る-

園芸知識:苔玉

概要

  1. インテリアとして人気の「苔玉」は、観葉植物や樹木、野草などの小苗を、球状の土または水ゴケに植え込み、表面にコケを貼ったものである。もともとは、盆栽における「根洗い(植物を鉢から抜き、根鉢をケト土とコケで包んで、皿や水盤などに載せて観賞する手法)」の応用から生まれたらしい。
  2. 過度の乾燥または過湿になりやすいので、水加減に注意が必要。なお、根が空気に触れやすいため、シダ類など、湿り気を好む着生植物は、鉢植えの場合よりもよく育つようである。
  3. 自作の苔玉なら、玉の中に植物のタネをまき、そのまま育てるのも楽しい。マサキなど、土質にこだわらない、丈夫な植物を選んでまくとよい。

苔玉の作り方

  1. 苔玉は簡単に自作できる。市販の制作キットを利用するのもよい。
    1. 植え込む植物の根鉢の表面を少し崩し、丸い形に整える。
    2. 根鉢の周囲を、ケト土など粘土質の土(水ゴケでも可)でくるむ。
    3. ケト土にコケを貼り付け、テグスなどの糸でぐるぐる巻きにして留めれば完成。
  2. 糸を巻き付けるのは、コケを密着させ、しっかり固定するためだが、普通に上から押さえておくだけでも、意外とコケは剥がれない。
  3. 苔玉の材料にこだわるなら、ケト土5に対し、赤玉土細粒3、砂(富士砂がよいが、桐生砂など、他の砂でも可)1.5、籾殻くん炭0.5、といった割合で混合した土を使う(数字はあくまで目安、お好みで調節を)。籾殻くん炭の代わりに珪酸塩白土(商品名「ミリオン」)を入れてもよい。さらにこだわる場合は、できあがった土の玉を、さらに水ゴケでくるんでからコケを貼る。

コケについて

  1. 苔玉に貼るコケの種類は何でもよい。盆栽用に市販されている、スギゴケ、スナゴケ、ハイゴケ(オニゴケ)、ヤマゴケ(ホソバオキナゴケ)などが一般的だが、ギンゴケなど、道端に生えているコケも十分使える。
  2. コケの種類はとても豊富で、大抵の種類は、明るい木漏れ日がよく当たる場所と、水はけのよい腐食質の土を好む。断じて、「薄暗くじめじめした場所を好む植物」ではない。ギンゴケやスギゴケ、スナゴケ、ホソウリゴケのように、強めの日光を好む種類もある。身近な場所で採取したコケなら、採取場所の環境に近い場所で育てる。

苔玉の管理

  1. 苔玉の日頃の管理は、植えられた植物によって異なる。基本的には戸外栽培とし、午前中に直射日光が当たる、風通しのよい場所に置く。真夏の直射日光と、真冬の乾いた寒風は、絶対に避ける。
  2. 苔玉を屋内に飾る場合は、冷暖房の風が直接当たらない、明るい窓辺に置く。しかし、植物である以上、日光不足の室内では調子を崩すので、室内に置くのは二~三日を限度とする。
  3. 苔玉が乾いてくると、表面のコケが縮れ、カサカサした感じになるので、水を与える。水やりは、浅い皿に水を張り、そこに浸す形で行うと楽。ただし、度が過ぎると過湿となり、植えられた植物もコケも枯れるので、水の量は、半日で全て無くなる程度とする。また、苔玉部分全体を、5分ほど水に沈めて染み込ませる、という方法でもよい。
  4. コケは過湿・乾燥に非常に敏感なので、水やりの加減が難しいが、一度体得すれば、あとは楽である。土はやや乾き気味にし、空中湿度を高く保つことが大切。コケは、多少カサカサになっても、滅多に枯死することはない。水をかければすぐ元通りになる。
  5. とはいえ、暑い時期の日中に水やりをすると、あっけなく蒸れて枯れる。高温には耐えるが、高温多湿には弱い植物である。
  6. 施肥は、2000倍以上に薄めた、ごく薄い液肥を、水やり代わりに与える程度でよい。晩春~秋にかけて、1~2ヵ月に一度与えれば十分。肥料が多いとコケが腐ったり、植えられた植物が大きく育ってバランスが悪くなったりする。なお、コケ以外の植物を植えていない苔玉には、施肥は一切不要。(コケは、養分を吸収する根を持たず、肥料を必要としない植物である。)
  7. 苔玉の植物が弱ってきたら、コケをはがして内部の古い土を落とし(全て落とす必要はない)、腐った根を取り除いて、新しい苔玉用土で作り直す。このとき、植物の根を広げながら、根の間に新しい土を入れ込むようにして植えるのがコツ。二~三年おきに植え替えるとよい。なお、植え替えの適期は、植物の種類によって異なる。
  8. 運悪く、植え込まれた植物が枯れてしまったら、コケ専用の苔玉として育てるのも手。コケの緑色だけでも、十分美しいものである。コケは意外に丈夫で、茶色く枯れこんでも、その後の管理さえ適切なら、すぐに新しいコケが生え、緑一色に戻る。
  9. 苔玉に雑草が生えてきたら、大きくなる前に抜き取る。