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素人園芸解説 -私はこう育てる-

ジャンル別索引:果樹

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※ 植物名リストの下方に、このジャンルに関する解説文があります。

植物名リスト

このジャンルについて

概要

  1. ここにあるのは、主に果実の収穫を目的とする木本である。草本については、果実の収穫が目的であっても、「ハーブ」「野菜・穀類」に入れた。(ローゼルやワイルドストロベリーなどはハーブ、イチゴやスイカ、メロンなどは野菜の扱い。)もっとも、サボテンであるドラゴンフルーツはここに入れているが…。
  2. 扱い方に共通点が多いので、できれば「庭木・花木」にある概要解説もご一読を。
  3. 果樹類は大きく育つ木が多く、広い庭がなければ育てられないと思われがちだが、適度な剪定によって木を小さく保つことが可能。庭がなければ鉢植えにすればよい。鉢植えでも収穫は十分可能である。
  4. 鉢植えの果樹は、水・肥料を効かせる時期や分量をコントロールしやすく、強光や風を避けることも容易なため、気象条件の影響をまともに受ける地植えの果樹よりも、質のよい果実が収穫できる。ただし、木が小さいので収穫量は少ない。

入手~植え付け

  1. 樹木の苗には、挿し木で作った「挿し木苗」、接ぎ木で作った「接ぎ木苗」、タネをまいて作った「実生苗」がある。新たに苗を入手するなら、「接ぎ木苗」が最善である。「挿し木苗」もよいが、ブドウの場合はフィロキセラ(ブドウネアブラムシ)の被害を受けることがあるので、避けたほうが無難。なお、アケビやイチジク、ザクロ、スグリ類、ナツメ、ベリー類などは、接ぎ木苗が出回らないので、挿し木苗を入手する。「実生苗」は、果実が成り始めるまで年数がかかり、しかも、質のよい果実が成るとは限らないので、なるべく避ける。
  2. サクランボやナシ、モモ、リンゴなどの接ぎ木苗には、「矮性台木」に接がれた苗が存在する。矮性台木とは、文字通り、矮性(樹高が高くならない性質)の台木で、これに接がれた穂木は、台木の影響を受けて樹勢が抑えられ、コンパクトな木に育つ。矮性台木を用いた苗は、場所を取らない上に、結実までの年数も短くて済むので、良いことづくめ。ただし、樹勢が弱くなったり、寿命が短くなる欠点がある。
  3. 落葉果樹の植え付けは、普通は落葉期の11~3月に行う。が、寒冷地では秋~冬の作業は避け、春まで待つ。その間に入手した苗があれば、植え付け適期まで「仮植え」しておく。
  4. 落葉果樹の苗を庭に仮植えする手順は、まず、深さ50~60cmの穴を掘り、鉢から抜いて土を落とした苗を穴の中に入れ(土を落とさず鉢ごと入れても可)、土をかぶせるだけである。このとき、本来の地際部分より10~15cm上まで、土を厚くかぶせるのがコツ。接ぎ木部分は必ず土に埋まるようにする。
  5. 別の仮植えの手順としては、穴を掘らず、10号くらいの大鉢を用意し、その中に苗を仮植えするという方法もある。苗が複数あれば、数本まとめて一緒に仮植えしておく。
  6. 落葉果樹の場合、「根作り」という作業を行うことがある。手順は下記。
    1. 苗を入手したら一度、鉢植えにしておく。
    2. 9月頃に、苗を鉢から抜き、土を少し落として、太い根を長さ10cm程度に切り詰める。このとき、細い根を傷付けてはいけない。
    3. 元通り鉢に植え直し、たっぷりと水やりをする。
    4. 晩秋に葉が全て落ちたら、改めて最終目的地に定植する。
    根作りを行うと、太い根の切り口から細根がたくさん発生し、定植後の生育がよい。しかし落葉樹は、葉がある時期に根をいじられると弱り、ひどいと枯れることがあるので、危険を冒してまで行う必要はない。
  7. 落葉果樹は、主幹が一本でほとんど分枝していない、変な形の苗が多い。そんな苗を入手したら、樹形作りから始める必要があるので、地植えにする際に、高さ60~70cmくらいの部分でばっさり切っておく。(必ず、芽のすぐ上で切る。)鉢植えにする場合は、鉢の高さと同じくらいの高さで切る。いずれも、だいたい、苗の高さが2/3になるように調整する。このような強剪定を行うことで、春以降、分枝が促され、樹形が作りやすくなる。とはいえ、春に芽吹かない危険性もあるので、必須の作業ではない。
  8. 苗を、いきなり地植えにすると、その後数年間は、樹勢が強すぎて木が生長し続け、なかなか成熟しないため、開花・結実まで時間がかかる。一方、鉢植えにすると、三年くらいで成熟する。なので、地植え予定の果樹は一度、鉢植えで数年間育てて、開花・結実を数回経験させてから地植えにするのがよい。そのように育てられた果樹は、鉢植え時代に樹勢が落ち着き、「実成りグセ(成りクセ)」が付いているので、いきなり苗を地植えするよりも、開花・結実までの期間が短くてすむ。
  9. 苗を鉢植えで育てる場合は、根を十分に張らせ、よい果実を収穫するためにも最低5号、大きく育つ木なら7号以上の鉢に植える。その後は、木の生長に従って適宜、大きな鉢に植え替え、最終的には13~15号くらいの大鉢に植えたい。

施肥について

  1. 果樹類の施肥は、庭木・花木類と同様、晩秋~早春の「寒肥(元肥)」、初夏の「夏肥(追肥)」、秋の「お礼肥(秋肥)」の三回が基本である。このうち、初夏の追肥だけは控えめに(特に窒素分を少なく)しないと、せっかくの果実が落ちてしまうことがある。
  2. 寒肥には、遅効性の有機質肥料を使うと、根が傷みにくい。春の生育開始期から効かせる重要な肥料なので、忘れずに与える。
  3. お礼肥は、たとえ収穫が皆無でも時期がきたら必ず施す。

仕立て樹形

  1. 果樹の樹形の仕立て方は、見た目の美しさより、果実の数・大きさ・品質・収穫しやすさを第一に追求するため、普通の花木・庭木類の仕立て方とは異なる。鉢植えなら、あまり木が大きくならないので、難しく考える必要はないが、地植えの場合は、幼木のうちから地道に樹形を作っておかないと、放任状態で大きく育ってしまうと、剪定や収穫に支障をきたす。
  2. 一般的な果樹の仕立て樹形は、下記のようなものがある。
    1. 主幹形仕立て…「ピラミッド仕立て」ともいう。一本の主幹が直立し、多数の枝が伸びて、枝葉が茂っている形。クリスマスツリーのような形。
    2. 変則主幹形仕立て…主幹形に似るが、高さ2~3mくらいで主幹を切断して芯を止め、樹高を低くしたもの。
    3. 開心自然形仕立て…低い位置で、主幹から複数本の主枝を出させ、それぞれを斜め上に伸ばさせて、フォークの先のような形に仕立てたもの。
    4. 株仕立て…地際または低い位置で多数の主枝を伸ばさせ、古くなった枝から順に切除する仕立て方。
    5. 扇仕立て…「ファン」ともいう。主幹形仕立てに似るが、主幹を斜めに誘引して、適当な位置で摘芯し、伸び出た主枝も、それぞれ横方向に誘引する仕立て方。木を正面から見ると枝葉が扇型に茂っている。
    6. 半円形仕立て…低い位置で、主幹から2~3本の主枝を出させ、それぞれを横方向に誘引したもの。木を正面から見ると枝葉が半円型(弧が上)に茂っている。柑橘類でよく行われる。
    7. 杯状仕立て…低い位置で、主幹から複数本の主枝を出させ、それぞれの主枝を横に大きく開かせた形。木を正面から見ると枝葉が杯型に茂っている。
    8. 一文字仕立て…「垣根仕立て」「ホリゾンタル仕立て」ともいう。フェンスなどを固定し、そこに二本の主枝を横方向に誘引して固定し、平面的に仕立てたもの。二本の主枝を左右に伸ばさせ、T字型に誘引することが多い。つる性果樹はもちろん、それ以外の果樹にも行われる。
    9. パレット仕立て…一文字仕立てに似るが、多段に渡って主枝を横方向に誘引する仕立て方。従って、T字ではなく「干」のような形になる。
    10. U字型仕立て…「ダブルコルドン」ともいう。一文字仕立てに似るが、二本の主枝を、途中から上方向に誘引し、U字型に仕立てたもの。三本や四本の主枝で仕立てることもある。
    11. ほうき仕立て…一本の主幹を、高さ1~2mで摘芯し、多数の枝を上方向に伸ばさせて、ほうきを逆さに立てたような形に仕立てたもの。
    12. 棚仕立て…支柱を立てて棚を作り、そこに主幹を誘引して、多数の主枝を棚の上に這わせたもの。つる性果樹はもちろん、それ以外の果樹にも行われる。
    13. 棒仕立て…支柱を立て、主幹を誘引して巻き付け、固定したもの。主につる性果樹で行われる。
    14. スタンダード仕立て…直立した一本の主幹の上部だけに、こんもりと枝葉が茂っている仕立て方。下葉と下枝は全て切除する。
    15. 壁面仕立て…「エスパリエ」ともいう。壁面にネットやワイヤーなどを固定し、そこに幹や枝を誘引して平面的に仕立てたもの。つる性果樹以外でも可能。

結果特性

  1. 果樹類の結実の特性には、下記の四種類がある。
    1. 単為結果性…受粉しなくても結実する。(例、イチジク、ウンシュウミカンなど。)
    2. 自家結実性(自家親和性)…自分の花粉で受粉・結実する。(例、ザクロ、ナツメなど。)
    3. 他家結実性(自家不和合性)…自分以外の株の花粉で受粉・結実する。(例、アケビ、リンゴなど。)
    4. 雌雄異株…雄株の花粉を受けて雌株に結実する。(キウイ、ヤマモモなど。)
  2. このうち、単為結果性の果樹と自家結実性が強い果樹は、一本だけで収穫が楽しめるので、一般家庭向きといえる。他家結実性の強い果樹は、異なる品種を二株以上用意しなければならず、雌雄異株の果樹は、雌雄両方の株を用意する必要がある。
  3. とはいえ、同種の果樹でも、品種によって性質が異なることも少なくない。例えばモモは、「白桃」系の品種は他家結実性で、「白鳳」系品種は自家結実性である。自家結実する品種を選べば、植えるのは一本で済む。
  4. ウメやモモの中には、花粉の出ない品種が存在する。また、カキには雄花のない品種がある。それらの果樹も、花粉や雄花を持つ、別の品種と一緒に育てなければ果実が成らない。ただし、ウメは、品種によって花期がずれやすいので注意する。(同時期に開花しなければ、受粉の機会がない。)
  5. たちの悪いことに、サクランボやナシ、リンゴには、別の品種同士であっても結実しない、相性の悪い組み合わせが存在する。事前によく調べておきたい。
  6. 自家結実性の強い果樹であっても、できれば他の株の花粉で受粉させたほうが、よい果実ができる。ただし、ウンシュウミカンやイヨカンなどは、他のカンキツ類の花粉で受粉させると、果実にタネが多く入りやすい。
  7. 二本以上植えるのが無理なら、一本の木に別の品種を接ぎ木するとよい。雌雄異株の木なら、雌木に雄木を接ぎ木すれば一本で済む。近年は、あらかじめ接ぎ木済みの苗も売られている。
  8. また、切り花などで、別品種の開花枝が手に入ったら、その枝を水に挿して、実を成らせたい木の枝に吊しておけば、虫によって受粉が行われる。虫がいなければ自分で人工授粉する。

収穫に向けて

  1. 果実が未熟なうちに質の悪いものを摘み取る「摘果」の作業は、大きな良い果実をならせつつ、適切な樹勢を維持するために必須である。摘果を始める時期は、ごく小さな果実が成り始めた頃がよい。果実が自然に落ちる「生理落果」のことも考え、摘み取り過ぎないよう注意。一回で終わらせるのではなく、二~三回くらいに分けて行うとよい。生理落果が終わったら最後の摘果を行う。
  2. 摘果で摘み取るべき果実は、形の悪い果実や病虫害を受けた果実、他に比べて小さすぎる果実である。また、長い枝に付いた果実は優先的に摘み取り、短い枝に付いた果実は残す。さらに、ほぼ真上を向いた枝(主枝の先端など)に成った果実も、あまりおいしくならないので優先的に取り除く。下向きや横向きの枝に付いた果実は品質がよいので残す。
  3. 一箇所に果実が集中しないよう、木全体にバランスよく果実を配置するよう心がける。
  4. 摘果を怠ると、収穫の多い年と少ない年が交互に訪れる「隔年結果」の傾向が現れる。カキやミカンなどで顕著なので、これらの果樹は摘果をさぼらないほうがよい。
  5. 「袋かけ」の作業は、果実を病虫害から守ったり、果実の色を良くするために行う。全ての果樹に必要なわけではなく、カリン、キウイ、ビワ、ブドウ、ナシ、モモ、リンゴなど、一部の果樹だけで行う。市販の袋を利用してもよいし、パラフィン紙などで手作りしてもよい。花が終わり、小さな果実ができた頃(たいてい5~6月)に袋をかけ、7月頃~収穫のおよそ1ヵ月前までの間に外す。このとき、いきなり外すと果実が日焼けするので、まず袋の下を破り、数日~数週間待ってから全て外す。
  6. 果実が急速に肥大する時期は、決して水切れさせない。乾き気味の土を好む果樹であっても例外ではない。水切れすると高確率で落果する。また、一度水切れした後、急に水をやると、果皮が割れる「裂果」を起こす。
  7. ただし、収穫の10日前くらいからは、やや乾かし気味にすると、果実が水っぽくならず、品質がよくなる。乾かしすぎると落果するので無理はしない。
  8. 夏に果実が成熟するものは、早朝か夕方に収穫する。日中は、果実の内部まで高温になっているため、収穫後の日持ちが悪い。
  9. 天気の悪い日に収穫すると、果実の味が良くない。雨天だと収穫後の日持ちまで悪くなる。なるべく晴天の日を選んで収穫したい。

カンキツ類の特性

  1. 「カンキツ類」とは、ミカン科植物のうち、ミカン属(カンキツ属)、キンカン属、カラタチ属などに属するものの総称である。果樹の中で大きな地位を占めており、また、果物としても非常になじみ深い。他の常緑果樹とは異なる、独特なクセがあるため、ここに特記事項として記しておく。
  2. カンキツ類は、樹高はそれほど高くならないが、枝が広がるので意外と場所をとる。にも関わらず、一度地植えすると植え替えが困難なので、よく考えて植え付ける。また、枝にトゲがある種類が多いので注意する。
  3. どの種類も、やや暖地性である。寒冷地で育てる場合は室内で越冬させるのが無難。温暖地で育てる場合も、乾いた寒風が直接当たる場所は避ける。なお、夏の暑さには強く、夏越しの苦労はあまりない。
  4. ほとんどが常緑樹だが、カラタチは落葉樹である。カラタチは枝が大きなトゲだらけで危ないばかりか、果実が食用にならないため、利用価値が低い。しかし、接ぎ木の台木としてよく使われる。
  5. ナツミカンやハッサクなど、果実を付けたまま越冬する種類は、-3℃以下の低温にあうと凍害を受け、果実が凍って内部が崩れてしまい、食べられなくなる。
  6. ほとんどのカンキツ類は一本で結実するが、例外的に、ハッサクやヒュウガナツは他家結実性で、ナツミカンなどを授粉樹にする。
  7. カンキツ類の新梢は、4~5月に伸びる「春枝」、7月上旬~8月上旬に伸びる「夏枝」、8月中旬~9月下旬に伸びる「秋枝」の三種類がある。このうち、翌年用の花芽は春枝と夏枝にできる。秋枝は、伸びた翌年に充実し、翌々年に花芽を持つ。(ただし、徒長してしまった夏枝は、秋枝と同様、充実が翌年にずれこむことがある。)また、前年に結実した枝から伸びた新梢にも花芽はできず、その次の年になってから、ようやく花芽を持つ。このような性質上、カンキツ類の剪定は、適期を守り、かつ、必要最小限にとどめなければならない。
  8. 夏枝や秋枝は、樹勢の強い木ほどよく発生する。また、初夏の結実率が悪かった場合も発生が促される。伸長が止まる10月中~下旬か、翌年の3月頃に、強めに切り戻しておく。(温暖地以外では、秋の剪定は行わないほうが無難。)樹形を乱すようなら、基部から全て切ってしまっても差し支えない。
  9. 他の多くの果樹類と異なり、花芽が分化するのは2月頃とされる。この時期に充実した枝がないと、良い花・果実は望めない。なお、花芽は枝の先端付近に優先的に作られるため、春の剪定時に切り詰めすぎないよう注意する。
  10. カンキツ類は、地上で新梢が伸びると、少し遅れて、地下で新根が伸びる性質がある。そのため、新梢の伸びが落ち付いてきたら施肥をするように心がければ、失敗がない。
  11. 新たに苗を植え付ける際は、地際に近い部分から出ている側根を切ったり折ったりしないよう注意する。根鉢の下方から出ている長い根や、真下方向に伸びる直根は、鉢や植え穴に収まらなければ切り詰めることが可能だが、カンキツの根はやや弱いため、太い根を強く切ることは避けたい。
  12. カンキツ類の根には、しばしば、ミカンネセンチュウというセンチュウの一種が寄生する。しかし、大した害は無いため、害虫扱いしないようである。
  13. 果皮の内側にある、白っぽくフワフワした部分(中果皮)を「アルベド」という。(いわゆる「白いスジ」の部分。)果実を食べる際に取り除く人が多いが、この部分は、有用な成分を多く含んでいるらしい。カンキツの品種によっては、アルベドにも甘味がある。ちなみに、外側の黄色く固い部分(外果皮)は「フラベド」という。
  14. 果実を収穫したら、すぐ箱や袋詰めにするのではなく、数日間陰干しして果皮の表面を乾かせば、保存性が高まる。
  15. カンキツの種類によっては、収穫直後の果実が酸っぱいことがある。(例…デコポン、ポンカンなど。)その場合、収穫後一~二週間ほど冷暗所で保管すれば、クエン酸が減少して甘味が増す。
  16. カンキツ類を接ぎ木・挿し木する際は、穂木の選択に注意する。「春~初夏に伸び、すでに硬くなった新梢を選ぶ」という点は他の樹木と同じだが、カンキツ類の新梢は、よく見ると、痩せて、縦方向に溝の入った枝が混じっている。そのような枝は切り口の形状がいびつで、勢いが弱く、活着率が劣るため、穂木には、切り口の形状が円形に近い、健康的な枝を選ぶのが望ましい。
  17. カンキツ類の接ぎ木は、健全な穂木を選ぶことも大切である。穂木が強毒性ウイルスに感染していることに気付かず接いでしまうと、台木まで一気に枯れることがある。
  18. カンキツ類は、比較的病虫害の多い果樹である。夏以降、果実が茶色く変色し、果皮が硬くなるのは、サビダニの被害である。5~7月頃に、エムダイファーなどを2~3回散布すれば被害を軽減できる。変色するのは果実の表面だけなので食用に支障はないが、味は今一つである。食べるのが嫌なら入浴剤にするのも手。湯に茶色が流れ出ることはない。
  19. サビダニ以外の害虫は、アゲハチョウ、アザミウマ(スリップス)、アブラムシ、カイガラムシ、カミキリムシ、ハダニ、ハモグリガ(エカキムシ)などがある。病気は、ウイルス病(ウイロイド病含む)、かいよう病、すす病、そうか病などにかかりやすい。
  20. カンキツ類に感染する、シトラスタターリーフウイルス(CTLV)は、日本では、多くの株がすでに感染済みだと聞く。アブラムシのほか、接ぎ木によって伝染する。土壌伝染については不明らしい。CTLVには、弱毒性の種類と強毒性の種類があり、前者はほぼ無害だが、後者は木を枯らすこともある。木が元気なら、細かいことは気にしないほうがよいと思われる。