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素人園芸解説 -私はこう育てる-

ナツメ

イメージ

原産地

アジア東部~南部~西アジア

クロウメモドキ科

高さ

2~10m

花期

6~7月

【黄葉】9~10月

形態

落葉小高木

収穫期

9~10月

結実特性

自家結実。


前年枝の先端付近から伸びた新梢に開花結実。

別名等

ジジフス・ジュジュバ変種イネルミス(学名)/棗/ユユベ


インドナツメ/インディアンユユベ(いずれもモーリティアナ)
シナナツメ/サネブトナツメ(いずれもジュジュバ)

日照

戸外の直射日光下。

水やり

土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。

肥料

3月、5月、収穫直後に、固形肥料の置き肥。

植え替え

11月中旬~3月下旬(厳寒期は避けたほうがよい)。

整姿

【剪定】

冬剪定…植え替えと同時期。
細く弱い枝は、冬になると枯れるので、切り捨てる(付け根から簡単に外れる)。

夏剪定…6~7月。
一箇所から複数の新梢が出ていれば、1~2本に間引く。


【摘果】7月下旬。

1本の新梢に実3~4個とする。

繁殖

【タネまき】採ってすぐにまくか、乾かないよう保存して3月にまく。(外側の硬い殻を割ってからまくと、発芽率が上がるらしい。)

【根伏せ・根挿し】3月。(太い根を10cm前後のぶつ切りにし、清潔な土に挿す。)

【挿し木】3月か、6~7月(発根率は悪い)。

耐暑性

とても強い。

耐寒性

強い(-15℃)。

解説

  1. 漢方薬などでよく知られた植物。ナツメの仲間は数多いが、園芸店などで売られるのは、中国北部原産で耐寒性の強いシナナツメとされる。丈夫で栽培容易。
  2. 秋になると見事に黄葉し、果実とともに楽しめる。なお、落葉する時期は、他の落葉樹よりも早い。
  3. インド原産のインドナツメは、果実が黄緑色で、シナナツメの果実よりずっと大きく、食味も優れている。こちらは半耐寒性の熱帯果樹として扱われる。

注意点・病害虫

  1. 「ナツメ」の名は、初夏に芽吹くことから付いたらしい。実際、春になっても、芽が伸び出すのは、他の落葉樹より遅い。(つまり、芽吹きは遅く、散るのは早い。) ついでに、木の生長も遅い。最初から大鉢に植えたりせず、根の量に合わせて、小さな鉢から徐々に植え広げていく。
  2. 基本的に単幹(主幹が一本だけ)になる木だが、土中の根から不定芽が伸び出し、主幹が複数本になることがある。
  3. やや隔年結果の傾向があり、たくさんの果実を成らせると、翌年不作になりがち。毎年安定数を収穫したければ、摘果をしたほうがよい。
  4. 秋の落葉後も、黄色くなった細枝が、長い間残る。寒くなる頃には枯れ落ちるが、見苦しければ摘み取る。
  5. 枝にトゲがあるので、扱いに注意する。ただ、「大実ナツメ」と呼ばれる品種は、トゲが小さく少ない。

収穫・利用

  1. 淡黄色の果実が赤茶色に色づき始めたら収穫する。味はリンゴに似ており、水気が少ないものの、意外と美味。なお、果皮全体が赤茶色になるまで放置すると、果皮にシワが寄って、食味が落ちるばかりか、果実の中にアリが入ってきたりする。
  2. 果実は生食のほか、果実酒にも向く。ドライフルーツにも。

(※データ:大阪市基準)