いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育て る-

園芸知識:人工授粉

  1. 植物が果実を付けるには、雄しべの花粉が雌しべの柱頭に付く「授粉」が起き、受精する必要がある。ハチやアブなどの昆虫がいれば、自然に授粉が行われるが、そうでなければ、人間が授粉作業を行わなければならない。また、確実に果実が欲しい場合も虫任せにしないで、自分で授粉したほうがよい。
  2. 人工授粉の作業は、下記のように行う。
    1. 今にも咲きそうなつぼみを数個採取し、水に挿して暖かい部屋に置き、開花させる。
    2. 雄しべの葯を摘み取り、それを紙などの上に広げて、日光のよく当たる、風のない場所に置く。
    3. 温度が上がると、葯から花粉が出てくるので、それを集めて、梵天(耳かきのフワフワした部分)か小さな筆などに付け、別の花の雌しべに付けて回る。
  3. もっと簡単に行うなら、花粉の出ている雄しべを数本摘み取り、他の花の雌しべになすり付けて回るだけでよい。この場合、雌しべ10本をめどに、新しい雄しべに交換する。
  4. その他、梵天か筆を花に突っ込んでかき回し、花粉を付けてから、それを別の花に突っ込んで回る、という方法でもよい。乱暴にやりすぎて雌しべを傷つけないよう注意。
  5. 授粉作業は、なるべく、晴天の、暖かい日を選ぶ。また、結実させる予定の花が老化する前に済ませる。開花直後~3日以内が目安。
  6. 雌しべに付いた花粉は、受精に必要な「花粉管」を伸ばす。花粉管は日中に伸びるので、人工授粉の作業も、なるべく午前中の早い時間に行うのがよい。
  7. 授粉作業が終わったら、丸一日、花に雨が当たらないようにする。雨が当たると、せっかく付けた花粉が流されることがある。特に、ザクロやナンテンなど、開花期が梅雨に重なるものは注意。
  8. ウメのように、品種によって花期がずれるものは、早く咲いた花から花粉を採取しておき、乾燥剤と一緒にラップに包んで冷蔵庫に入れておけば、一週間ほど保存がきく。後から開花した花に授粉してやるとよい。
  9. 自分の花粉では受精しない「自家不和合性」の植物は、遺伝的に異なる別の株から採った花粉で授粉する必要がある。特に果樹の場合、別の木であっても、実は、挿し木や接ぎ木で殖やされたクローンで、遺伝的に同一であることが多い。品種名が違っていれば、たいてい大丈夫。(ただし、ウメやカキ、サクランボ、ナシ、モモ、リンゴ等の例外はある。)