園芸知識:スプラウト栽培
- 「スプラウト」とは、マメや野菜類のタネを暗所で発芽させ、ひょろひょろに徒長させて作った健康野菜。要するに、モヤシのことである。
- スプラウト栽培は、アルファルファやブラックマッペなどマメ科植物のほか、ほぼ全てのアブラナ科野菜、それに、ゴマやソバなどで可能。その他、一部のハーブ類でも作れる。
- 一年中作れるが、温度が20℃程度の時期が最適。最初にタネを数時間水に浸しておけば、発芽が揃う。また、食べる1~2日前に、直射日光を避けた明るい場所に置くと、双葉が緑色になり、栄養価が高まる。(「グリーニング」という作業。)
- 市販のタネまき用のタネは、殺菌剤処理されていることが多いので、「スプラウト用」と明記されているタネを使う。
- 実際の作り方は、いくつか方法がある。イチゴパックで作る方法は下記の通り。
- タネを水洗いし、浮いたタネやゴミを除く。
- 容器の底にスポンジかウレタン、脱脂綿などを敷いて水を含ませ、そこにびっしりとタネをまく。このとき、タネが重ならないよう注意する。
- タネをまいたら冷暗所に置き、1日2~3回、新鮮な水を含ませ続ける。余分な水は捨てる。
- 数日で発芽する。草丈が5~10cmになったらグリーニングを行う。
- 縦長の広口ビンで作る方法は下記の通り。
- ビンの深さの1/10までたっぷりとタネを入れ(深さ10cmのビンなら厚さ1cm)、水を注いでタネをすすぎ、浮いたタネやゴミを除く。
- タネを洗い終わったら、水をよく切り、ビンの口にガーゼなどをかぶせて輪ゴムでとめる。その後、ビンを冷暗所に置く。
- 1日2~3回、水を注いでタネをすすぎ、洗い終わったら、また水を切っておく。完全に乾燥させないよう注意する。
- 発芽が始まり、ビンの中が一杯になったらグリーニングを行う。グリーニング中も乾燥に注意。
- その他、ハイドロカルチャーの栽培方法を応用してもよい。
- 水の漏れない適当な容器を用意して、底に根腐れ防止剤(珪酸塩白土など)を敷き、無菌の清潔な用土(川砂やパーライト、ハイドロボールなど)を入れ、タネを密にまく。
- 用土の高さの1/5~1/4くらいまで浅く水を注ぎ、水が減ったら足す。なお、まくタネを少なめにし、ハイドロカルチャー用の培養液を与えれば、かなり大きく育てることも可能。
- よいスプラウトを作るコツは、とにかく頻繁に水洗いすることと、洗うとき以外は常に暗い場所に置くこと、の二点である。なお、保存はきかないので、収穫したらすぐに食べる。