いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

ジャンル別索引:一年草・二年草

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※ 植物名リストの下方に、このジャンルに関する解説文があります。

植物名リスト

このジャンルについて

概要

  1. ここにあるのは原則として、タネから発芽した後、一~二年以内に開花・結実し、その後、枯死する植物である。なお、本来は多年草・宿根草であっても、「日本の気候では、夏越しや冬越しが難しい種類」や、「タネから容易に育ち、しかも一年以内に開花する種類」は、園芸上は一年草扱いされるため、ここに含めた。
  2. 形態が一年草・二年草であっても、薬草・香草として扱われる植物は「ハーブ」の一覧へ、野菜として扱われる植物は「野菜・穀類」の一覧へ。
  3. 一年草は、大きく分けて、春~初夏にタネをまき初夏~秋に開花させる「春まき一年草」と、夏~秋にタネをまき冬~翌夏に開花させる「秋まき一年草」がある。いずれも、基本的にタネまき後一年以内に開花する。
  4. 二年草は、株が大きく育った状態で冬の低温にさらされないと、花芽ができない性質を持つ。そのため、春~夏にタネをまき、翌年の春~夏に開花させるのが普通である。秋にタネをまくことも可能だが、開花が翌々年の春~夏になってしまう。

春まき一年草

  1. 春まき一年草は、耐寒性の無い、熱帯~亜熱帯原産の植物が多い。発芽適温がかなり高いため、春になったからといってタネまきを焦らず、十分気温が上がってからまく。焦って早まきしたところで、地温が低すぎて発芽しないか、タネが腐る。
  2. とはいえ、室内で加温しながら早まきする場合は、この限りでない。なお、タネまき床の加温設備も市販されているが、高価なので、ペットヒーターなどで代用するとよい。
  3. 春まき一年草は通常、春~初夏にタネをまくが、種類によっては9月上旬頃までタネまきできる。遅まきすると晩秋~初冬に見ごろを迎える。ただし、冬の到来が遅い温暖地でなければ無理。
  4. 本来は多年草である種類が多いため、冬になったら室内に置き、暖かく過ごさせれば、越冬させることもできる。

秋まき一年草

  1. 秋まき一年草は温帯地域原産の植物が多く、耐暑性が劣る代わりに、比較的、耐寒性に優れる。発芽適温がやや低いため、早まきすると、地温が高すぎて発芽しなかったり、発芽しても、病気が出てダメになることが多い。
  2. とはいえ、寒冷地では露地で越冬できない種類が多いため、冬の寒さが厳しい地域では、4~5月の春まきとする。早まきしたければ、3月頃に室内で加温しながらまく。
  3. 耐寒性があるとはいえ、厳寒期までに、ある程度大きく育っていなければ、寒さに耐えられないことがある。従って、タネまきが遅れないよう注意する。なお、冬の寒さがさほど厳しくない温暖地なら、年内いっぱいはタネまき可能だったりする。
  4. 秋まき一年草の多くは、春まきも可能で、春まきすると晩春~初夏に開花する。ただし温暖地では、3月以降の気温の上昇が早いため、茎葉が徒長しがちで、生育期間も短くなるため、大株に育たない。花も、秋まきで作った株に比べると、やや貧弱になる。
  5. ただし、秋まき一年草の中は、小苗の頃に一度、冬の寒さにさらされないと、花芽ができない植物がある。(例、ハナワギク、ムラサキハナナなど。)そのような植物は、たとえ極寒地であっても必ず秋まきにし、凍らない程度の温度を保った室内で越冬させる。

タネをまく

  1. 一~二年草は、多年草・宿根草に比べて比較的、花期の長いものが多く、花壇に最適である。最近はポット苗で売られる種類も多くなったが、同じ植物を大量に植えたい場合は、タネから育てたほうがはるかに安上がり。
  2. タネまきや育苗は面倒な作業に思われがちだが、一~二年草のタネまき・育苗は、樹木やランなどに比べるとはるかに簡単で、期間も短くてすむので、気軽に挑戦したい。なお、具体的な手順は「タネまき・育苗」に載せた。
  3. 慣れないうちは、アサガオやヒマワリ、キンセンカやスイートピーのように、タネが大きな植物から始めれば失敗が少なく、自信がつく。また、トルコキキョウやベゴニアのように、粉末状の微細なタネは、慣れないと扱いにくいが、ペレット種子(特殊資材でコーティングし、大粒にしたタネ)なら楽勝である。
  4. 毎年同じ植物を栽培したければ、花後にできるタネを採っておき、翌年にまく。しかし、最近の一~二年草は、一代交配種(F1品種…一代限りの交雑種)が主流であるため、タネから発芽した子株は、親株とはまったく違う花になることが少なくない。そのため、毎年同じ花が欲しければ、毎年タネを買い直したほうがよい。
  5. タネのまき方や、その後の育て方などは、植物によって大きく異なる。市販のタネは、袋の裏面に、育て方アドバイスが載っていることが多いので、全てのタネをまき切った後も保管しておき、ときどき参考にするとよい。
  6. さまざまなタネの中には、「水をはじく綿毛に包まれ、毛を取り除かなければ発芽しにくいもの」や、「発芽抑制物質に包まれ、よく洗わないと発芽しにくいもの」、「吸水後、一定期間低温にあわないと、発芽しにくいもの」など、ややクセのある種類がある。しかし、市販のタネは、たいてい、発芽に必要な処理が事前に済んでいるため、そのまままいても大丈夫。もし発芽処理が必要なタネなら、その方法がタネ袋に明記されている。
  7. 夏~秋まきの一年草・二年草のうち、除虫菊やパンジーなど、比較的低温を好む植物は、まく前のタネを湿らせ、冷蔵庫に数日~数週間入れておく「冷蔵処理」を行うことがある。人為的に低温多湿にあわせることで、タネを休眠から覚まし、発芽率を上昇させる方法だが、市販のタネなら、タネ袋に指示がない限り行う必要はない。自分で採種したタネは、確実に発芽させるため、処理をしたほうがよい。
  8. 植物のタネの多くは、光の有無に関係なく、条件が整えば発芽する。しかし中には、光が当たらないと発芽しない「好光性種子(明発芽種子)」や、逆に、光が当たると発芽しない「嫌光性種子(暗発芽種子)」もある。タネをまいたら土をかぶせたくなるが、好光性種子に土をかぶせると発芽しないので、まく前に、タネの性質をよく調べる。

苗を育てる

  1. 買ってきた苗を庭や花壇などに植える際は、ポットから優しく抜き、そのまま植え付ける。ポットの中で根が回りすぎ、びっしりと張っていたら、根鉢の表面を少しだけ崩してから植える。(ただし、直根性の植物は、根鉢を崩してはいけない。)植え付けの間隔は、その後の生長を考慮して広めにとっておく。植え付けが終わったらたっぷりと水をやり、根と土を密着させる。
  2. 多くの一~二年草は、十分な直射日光を好むため、日当たりの悪い場所には、あまり適さない。ただ、真夏の西日だけは、どんな植物であっても避けてやったほうが無難。
  3. 植え付け後の水やりは、地植えならほとんど不要だが、鉢やプランターなどに植えている場合は、土の表面が白っぽく乾いた頃に与える。
  4. 真冬は根の活動が鈍いため、土の表面が乾いてもすぐには水やりせず、さらに2~3日待ってから与える。なお、凍結の心配があるため、晴れた日の午前中に行う。
  5. 植え付け時に、元肥として、半年以上効果が持続する化成肥料(「マグァンプK」など)を施した場合は、その後の追肥がほとんど不要になり、楽ができる。それでも肥料不足になりそうなら、3ヵ月くらい経った頃に、もう一度、置き肥をする。なお、パンジーやマリーゴールドのように、花期がきわめて長い植物は、ときどき液肥を併用すると効果が高い。
  6. 戸外で越冬中の秋まき一年草は、霜や寒風で茎葉が傷んだり、霜柱で持ち上げられ、根が切れることがある。従って、白い不織布を直接かぶせたり、株元にワラなどを敷くなどして防寒すると安心。なお、ビニールをかぶせると中が蒸れるので、よくない。どうしてもビニールを使いたければ、全体に小さな空気穴をたくさん開け、通風をはかる。
  7. 生育期間の長い植物は、育てているうちに茎が伸び、草姿が乱れてくるので、適宜、切り戻しを行うとよい。植物によっては、切り落とした茎を挿し木すれば容易に株を殖やすことができる。(例、ポーチュラカ、マツバボタンなど。)

開花した後は

  1. 花期が長く、次々に開花する植物は、咲き終わった花がらをどんどん摘み取らないとタネができ、次の花が続かなくなるので注意。タネを採りたい場合は、花期が終わりに近づいたら、花がら摘みをやめる。タネ採り用の親株には、花色や葉色が特に優れている株を選ぶ。
  2. 自家採種したタネは、よく乾かしてゴミを取り除き、紙袋などに入れ、採種年月日を明記して、乾燥剤と一緒に密閉保存する。そのまま冷蔵庫の野菜室に置き、タネまき適期を待つとよい。タネの寿命は、植物によって異なるが、2~3年以内にまき切るのが理想。なお、デルフィニウムのように、1年以内に寿命が尽きるタネもある。
  3. 植物によっては、勝手にどんどんタネをばらまき、雑草化するものがある。勝手に生えてきた株は、手をかけて育苗した株よりも性質が強く丈夫だが、必要がなければ抜き取らないと、収拾がつかなくなる。植え替え可能なものは、掘り上げて別の場所に植え替えてやるとよい。