いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

フロックス/宿根フロックス

イメージ

原産地

北アメリカ中部~東部

ハナシノブ科

高さ

【ドラモンディー】10~50cm(種類による)

【宿根フロックス】35~120cm(種類による)

花期

【ドラモンディー】4~7月

【宿根フロックス】5~9月

形態

一年草または多年草

別名等

(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

【ドラモンディー】9月下旬~7月上旬の生育期は、戸外の直射日光下(越冬中は霜除けする)。

【宿根フロックス】戸外の直射日光下(7月中旬~9月上旬は30~50%遮光したほうがよい)。


【補足】宿根フロックスは耐陰性があり、多少の日陰なら耐える。

水やり

土の表面が乾けば与える。

肥料

【ドラモンディー】秋の元肥の他、3~4月に、二週間に一度の液肥、または少量の固形肥料を置き肥。

【宿根フロックス】4月、6月、8月、10月に、固形肥料の置き肥。


【補足】いずれも、多肥にしない。

植え付け

3月上旬~4月上旬か、10月上旬~11月中旬(秋のほうがよい)。

【補足】ドラモンディーは移植を嫌うので、根鉢を崩さない。

整姿

花がらをまめに摘み取れば、花期が長くなる。宿根フロックスは、5月頃、高さ30cm程度に切り戻すと、低い草丈で咲く。

繁殖

【ドラモンディー】

【タネまき】3月中旬~4月上旬か、9月下旬~10月下旬(秋のほうがよい)。


【宿根フロックス】

【挿し芽】4月下旬~7月上旬か、9月。

【株分け・根伏せ・根挿し】植え替えと同時期。(秋のほうがよい。根伏せと根挿しは、太い根の一部を切り取り、清潔な土に植え付けて芽を出させる。)

耐暑性

【ドラモンディー】とても弱い。

【宿根フロックス】とても強い。

耐寒性

【ドラモンディー】わりと強いが、寒地では防寒する。

【宿根フロックス】とても強い(-15~-30℃)。

解説

  1. フロックスの仲間は、一年草のドラモンディーと、多年草の「宿根フロックス」がある。いずれも丈夫で育てやすい。
  2. ドラモンディーは、アメリカのテキサス州原産。花色は、白~桃、赤、赤紫、淡黄色など豊富。花弁の先端がとがる「星咲き」の品種もあり、「スターフロックス」と呼ばれる。株全体にたくさんの花を咲かせ、とても華やかである。
  3. 宿根フロックスは、どことなく和風の雰囲気があるが、北アメリカ原産である。日本に渡来したのは江戸時代中頃らしい。原種のパニクラタやマクラタなどがあるが、園芸上、「宿根フロックス」といえば、パニクラタと、その血を引く園芸品種群を指す。草丈が高く、1m前後になる。花色は、白~桃、紅色など。葉に斑が入る品種もある。寒さに強い。
  4. 最近は、アモエナやカロリナ、ストロニフェラ、ディバリカタ、ピロサなど、草丈の低い宿根フロックスも出回る。従来の宿根フロックスとは違い、茎が地面を這いながら根を出し、広がる性質がある。花色は、白や青紫色など。こちらは高温期の蒸れや強い直射日光を嫌うので、真夏のみ遮光下で育てる。
  5. 春、観光地などで見事な花を咲かせているシバザクラ(モスフロックス)も、同属の植物である。別ページで解説済み。

注意点・病害虫

  1. やや腐食質の、水はけの良い土を好む。
  2. ドラモンディーのタネは寿命が短めなので、古いタネを買わない。
  3. ドラモンディーとパニクラタは、うどんこ病に弱いので注意する。アブラムシもよく付く。
  4. 宿根フロックスはセンチュウの被害を受けやすい。そのため、一度作った土には、二年は植え付けできない。

余談

  1. 切り花にできるが、水を下げやすい。
  2. 近年見かける「ナイトフロックス」は、ゴマノハグサ科ザルジアンスキア属の植物である。花の雰囲気が似るが、フロックスとは科まで違う、全くの別種である。南アフリカ原産の半耐寒性多年草または秋まき一年草で、開花期は5~6月で、夜に芳香を放つ。耐暑性に欠けるため、花後に刈り込み、風通しを計る。真夏と真冬を除き、月に2~3回液肥を与える。

各種の和名・異名

  1. ツルハナシノブ/蔓花忍/クリーピングフロックス(いずれもストロニフェラ)
  2. ワイルドスイートウィリアム(ディバリカタ)
  3. キキョウナデシコ/桔梗撫子/アンニュアルフロックス(いずれもドラモンディー)
  4. パニキュラータ/オイランソウ/花魁草/クサキョウチクトウ/草夾竹桃(いずれもパニクラタ)
  5. サンドフロックス(ビフィダ)
  6. マキュラータ/メドウフロックス(いずれもマクラタ)

(※データ:大阪市基準)