いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

ワタ

イメージ

原産地

熱帯アジア・熱帯アフリカ

アオイ科

高さ

60~100cm(種類による)

花期

7~11月

形態

春まき一年草または多年草

別名等

ゴッシピウム・アルボレウム(学名)/綿/コットン


アメリカワタ/リクチリメン/陸地綿(いずれもヒルスツム)

日照

5月上旬~11月下旬の生育期は、戸外の直射日光下(きわめて日光を好む)。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える。

【補足】綿毛が汚れるので、雨に当てないほうがよい。

肥料

春の元肥の他、6~8月に、月に一度の液肥、または少量の固形肥料を置き肥(肥料は少なめでよい)。

植え付け

5月上旬~6月上旬。

【補足】直根性で移植を嫌うほか、土中に共生菌を持つため、根鉢を崩さない。

整姿

草丈が高くなるので、支柱を立てる。草丈を低く抑えたい場合は、本葉5~6枚のときに一度摘芯する。多くの果実を成らせたい場合は、草丈1mくらいになるまで摘芯を待つ。

繁殖

【タネまき】4月中旬~6月上旬。(発芽適温が25℃前後なので、早まきしない。タネの綿毛をできるだけ取り除き、一晩水に浸けてからまく。)

耐暑性

とても強い。

耐寒性

とても弱い。

解説

  1. 繊維用の栽培作物として、非常に有名。草丈が高くなるが、矮性品種もある。園芸店などで売られているのは、園芸品種の「リクチリメン」である。
  2. 果実はもちろん、花も観賞できる。花は淡黄色で、中心部が濃紅色をしており、同じアオイ科のハイビスカスやオクラの花によく似ている。
  3. 果実は、完熟するとはじけ、中から白い綿毛が現れる。ドライフラワーによいが、収穫前に雨に当てると、綿毛が汚れるので注意。

注意点・病害虫

  1. 本来は非耐寒性の多年草で、暖かい室内なら越冬できるらしいが、毎年タネをまいて育てるのが一般的。なお、タネから育てると、初期生育がきわめて遅い。理由は下記。
  2. ワタは、発芽後に、根から「ストリゴラクトン」という物質を分泌する。これによって、土中にいる共生菌を養い、増やしているらしい。共生菌が増えて土中の環境が整うまでの間は、生育を停止している。
  3. 上記の性質から、ワタの植え替えは好ましくないとされる。植え替えを強行すると、再び共生菌が増えるまで、生育を停止することがある。
  4. やや砂質の土でよく育つ。酸性土を嫌うので、石灰を施してから植え付ける。
  5. ハマキムシがよく付く。葉を巻いて糸でつづり、その中で暮らしているので、丸まった葉を開いて中の虫を捕殺する。

余談

  1. 美しい紅色の花が咲くアカバナワタは、アベルモスクス属の植物で、ワタとは別種である。こちらはオクラやトロロアオイと同じ仲間で、未熟な果実が食用になる。

(※データ:大阪市基準)