トロロアオイ
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原産地
インド・中国
科
アオイ科
高さ
1~2m
花期
7~10月
形態
春まき一年草または宿根草
別名等
アベルモスクス・マニホット(学名)/ハナオクラ/コウショッキ/黄蜀葵/サンセットハイビスカス
ヒビスクス・アベルモスクス(異名)/ムスクマロウ/トロロアオイモドキ(いずれもモスカツス)
アカバナワタ/赤花綿/ベニバナトロロアオイ(いずれもモスカツス亜種ツベロスス)
日照
4月中旬~10月下旬の生育期は、戸外の直射日光下(きわめて日光を好む)。
水やり
生育期は、土の表面が乾けば与える。
肥料
春の元肥の他、7月と、9月に、固形肥料の置き肥。
植え付け
5月上旬~6月下旬、株間30cm。
【補足】直根性で移植を嫌うので、根を傷めない。
整姿
倒れやすいので、支柱を立てて安定させる。6月に摘芯し、分枝を促す。花がらをまめに摘み取ると、花期が長くなる。
繁殖
【タネまき】4月下旬~6月上旬。(一晩水に浸けてからまく。発芽適温が高いので、早まきしない。)
【挿し芽】6月。
耐暑性
とても強い。
耐寒性
最低5℃を保つ。
解説
- 野菜のオクラと同属の植物である。この植物の根から、和紙をすく際に用いる「ネリ」(粘着剤)がとれるため、古くから栽培されている。
- 花は、全体が淡黄色で、中心が濃赤色をしている。花径は10cm前後。一日花で、夕方にしぼむ。
- 同じ学名の植物が「花オクラ」の名前でも売られている。トロロアオイと同一種と思われるが、花の大きさが違い、直径20cm前後になる。また、短日性が強く、8月頃から咲き始める。
- 余談になるが、野菜のオクラの赤実品種「赤峰」も、「花オクラ」と呼ばれることがある。れっきとした本物のオクラでありながら、果実が食用にならないという。
- 同属のモスカツスは、「赤花ワタ」の名で出回る。花弁が紅色で、花の中心部が白色になっており、なかなか美しい。観賞専用だが、未熟果は食用になるらしい。なお、ワタとは別属(ワタはゴッシピウム属)の植物なので、綿の繊維をとることはできない。
注意点・病害虫
- 春まきの一年草として扱われるが、軽い霜なら耐えるほどの耐寒性があり、暖地では宿根する。ただし、株の寿命が短いので、数年おきにタネをまいて更新したほうがよい。
- かなり大型の植物なので、鉢植えにする場合は、なるべく大きな鉢に植える。
- きわめて連作を嫌う。
- 野菜のオクラと同様、発芽直後に立枯病が発生しやすく、苗床が全滅することもある。完全に防ぐのは難しいが、清潔な土にタネをまき、発芽後は日によく当て、乾き気味に管理すればマシになる。不安なら、タチガレンなどの薬剤を使う。
- ハマキムシに注意。
余談
- オクラとは別種だが、いちおう、花や小さな未熟果が食用になる。(※生長した果実は硬くて食べられない。)また、根を掘り上げて乾燥させ、皮をむいたものを、煎じて薬用に使う。
- 雰囲気の似たケナフは、熱帯アフリカ原産で、ヒビスクス属に属し、学名を「ヒビスクス・カンナビヌス」という。非常に生育が早く、繊維が採れるため、熱帯地域で営利的に栽培されている。別名は、アンバリ麻、ガンボ麻、インディアンヘンプ。
(※データ:大阪市基準)