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素人園芸解説 -私はこう育てる-

ロベリア

イメージ

原産地

東アジア・南アフリカ南部・北アメリカ中部~東部

キキョウ科

高さ

【エリヌス】5~30cm

【その他】50~200cm(種類による)

花期

【エリヌス】4~6月・10~11月

【その他】5~9月

形態

一年草または多年草

別名等

ロベリア・エリヌス(学名)/エリナス/ルリチョウソウ/瑠璃蝶草/ルリチョウチョ/ルリチョウチョウ/瑠璃蝶々/ルリミゾカクシ/瑠璃溝隠/エッジングロベリア/ベッディングロベリア


(※その他の種類の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

【エリヌス】9月下旬~6月上旬の生育期は、戸外の直射日光下(越冬中は霜除けする)。

【その他】戸外の直射日光下(酷暑期は西日を避ける)。


【補足】いずれも、少し耐陰性があるが、なるべく日光に当てる。

水やり

土の表面が乾けば与える(湿った場所を好むので、水切れは厳禁)。

【補足】水切れに弱いが、高温過湿も嫌うので、夏の水加減が難しい。越冬中は乾き気味にしないと、春が来る前に腐ることがある。

肥料

【エリヌス】秋の元肥の他、2月下旬~6月上旬に、二週間に一度の液肥、または少量の固形肥料を置き肥。

【その他】3月、6月、10月に、固形肥料の置き肥。

植え付け

【エリヌス】3月中旬~4月中旬か、10月上旬~11月上旬(秋のほうがよい)。

【その他】2月上旬~4月上旬か、10月下旬~11月中旬。


【補足】多年草種の植え替えは、1~2年に一度行う。

整姿

【エリヌス】花が一段落したり、伸びすぎたりしたら、全体を、1/3~1/2程度に切り戻す。

【その他】5月頃に一度摘芯すると、草丈を低く抑えられる。


どの種類も蒸れに弱いため、風通しに気を配る。

繁殖

【タネまき】いずれも好光性のため、覆土は薄く。

エリヌス…3月中旬~4月上旬か、9月中旬~10月下旬(秋のほうがよい)。

その他…3月上旬~5月上旬か、9月中旬~10月下旬。

【挿し芽】4月中旬~6月下旬(切り口から出る乳液を洗い流してから挿すが、つきにくい)。

【株分け】植え替えと同時期。

耐暑性

【エリヌス】弱い。

【その他】わりと強い。

耐寒性

【エリヌス】やや弱く、最低0℃を保つ。

【その他】強い。

解説

  1. ロベリアの仲間は、一年草扱いする種類と、多年草扱いする種類がある。キキョウ科に分類されているが、ミゾカクシ科として独立させる向きもある。
  2. 園芸上は、単に「ロベリア」というと、南アフリカ原産のエリヌスという種類を指す。園芸品種が多く、花色が豊富。春~初夏の花として、苗が出回っている。本来は多年草だが、高温多湿に弱く、一年草として扱う。しかし、品種によっては耐暑性の強いものもある。
  3. 「宿根ロベリア」と呼ばれるリチャードソニーは、ほふく性で、姿がエリヌスに似ている。名前が示すとおり、れっきとした多年草だが、高温多湿にやや弱いため、一年草扱いされることもある。
  4. エリヌスもリチャードソニーも草丈が低く、多数の細い茎が這うように伸び、形良く茂る。寄せ植えや吊り鉢などに。
  5. 多年草扱いする種類には、サワギキョウやミゾカクシの仲間がある。これらは、日本各地の湿地や水田に自生し、山野草としても市販される。冬は地上部が枯れ込み、ロゼットの状態で越冬する。
  6. サワギキョウは、立性で草丈が高く、青紫色または桃色の花をたくさん咲かせる。ミゾカクシは草丈が低く、名前の通り、水田の溝を覆い隠すように広がり、よく茂る。花色は白。
  7. 多年草種で最も一般的なのは、北アメリカ~中米原産のカーディナリスである。サワギキョウによく似た草姿で、やはり草丈が高く、花は鮮やかな緋色。南北アメリカに産する原種には、この他に、サワギキョウによく似たシフィリティカや、草丈2m以上にもなる赤花種、ツパなどがある。
  8. 紅色の花を咲かせるスペシオサは、原種ではなく交配種。「ファン」という品種が出回る。草丈が高く、暑さ寒さに耐え、丈夫。
  9. 従来は、一年草扱いのロベリアは草丈が低く、多年草扱いのロベリアは草丈が高い、という傾向があった。しかし最近は、草丈の低い多年草種が増えている。「アズーロコンパクト」「アナベル」「スカイティアラ」「テクノ」「ホット」などの品種がある。耐暑性も強くなり、育てやすくなった。

注意点・病害虫

  1. この仲間はいずれも、湿った場所を好み、水切れに弱い特性がある。また、真夏の蒸れを嫌う。
  2. コナジラミが付きやすい。
  3. 種類によっては毒性を持つので、口に入れたりしない。

余談

  1. 北アメリカに自生する原種インフラタは、かつて、先住民が民間薬として用いたという。

各種の和名・異名

  1. ロベリアソウ/セイヨウミゾカクシ/西洋溝隠/インディアンタバコ(いずれもインフラタ)
  2. フルゲンス(異名)/ベニバナサワギキョウ/紅花沢桔梗/カーディナルフラワー(いずれもカーディナリス)
  3. ミゾカクシ/溝隠/アゼムシロ/畔筵(いずれもシネンシス)
  4. オオロベリアソウ/グレートブルーロベリア(いずれもシフィリティカ)
  5. フルゲンス(スプレンデンスの異名)
  6. サワギキョウ/沢桔梗(セッシリフォリア)
  7. 宿根ロベリア(リチャードソニー)

(※データ:大阪市基準)