いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

アクロクリニウム/ローダンセ

イメージ

原産地

オーストラリア南部~西部・タスマニア

キク科

高さ

40~60cm

花期

4~7月

形態

一年草または多年草

別名等

エバーラスティング


(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

【一年草種】9月下旬~7月上旬の生育期は、戸外の直射日光下(越冬中は霜除けする)。


【多年草種】3月下旬~11月中旬の生育期は、戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり(暖地なら戸外で霜除け)。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。越冬中は、ごく控えめに。

【補足】多湿に弱いので、雨に当てない。

肥料

3月と、10月に、固形肥料の置き肥(多肥にしない)。

【補足】窒素(N)は控えめに。

植え付け

3月下旬~5月上旬か、9月中旬~10月下旬。

整姿

高性種は倒れやすいので、支柱を立てたほうがよい。多年草種は、夏の蒸れを防ぐため、梅雨入り前に2/3~1/2程度に切り戻す。

繁殖

【タネまき】3月中旬~4月上旬か、10月上旬~11月上旬。(秋のほうがよい。発芽適温が15℃前後と低いので、早まきは避ける。まく前に砂などでよくもみ、タネの綿毛をある程度取り除いてからまく。)

【挿し芽】4月下旬~6月下旬か、9月中旬~10月中旬(多年草種のみ)。

【株分け】植え替えと同時期(多年草種のみ)。

耐暑性

やや弱い。

耐寒性

最低0℃を保つ。

解説

  1. 以前はアクロクリニウム属やヘリプテラム属などに分類されていたが、現在はいずれもローダンセ属に属する。
  2. アクロクリニウムは、以前、アクロクリニウム属の植物だったため、今でもこの名で呼ばれる。和名を「花かんざし」「姫貝細工」などという。花色は、赤、桃、白がある。やや草丈が高く、株元でよく分枝するが、上部はまったく分枝せず、伸びるにつれて重みで枝垂れる。春早くにタネをまくと、低めの草丈で咲く。
  3. ローダンセは、この仲間の属名だが、園芸上は、原種のマングレシーのことを指す。「広葉花かんざし」「姫貝桜」などの名でも流通する。花色は、桃色が一般的だが、紅色や黄色もある。花の中心部の黄色が鮮やかで、目を引く。
  4. 鉢物として出回る、ヘリクリサム「ペーパーカスケード」は、実際はヘリクリサム属ではなく、ローダンセ属である。こちらも「花かんざし」の名で呼ばれる。花色は白で、中心部の黄色との対比が美しい。つぼみは赤色を帯びる。草丈は低め。この種類は多年草だが、高温多湿に強いとはいえず、油断すると夏に枯れる。
  5. 花弁に見えるのは総苞片で、珪酸を多く含み、触るとカサカサしている。

注意点・病害虫

  1. 多肥・多湿に弱いので、過保護にせず、放任気味とする。ただし、越冬中の防寒だけは忘れない。
  2. 酸性土を嫌うため、土に石灰を施してから植え付ける。
  3. この仲間は、タネが綿毛で覆われており、水をはじくため、そのまままくと、発芽率が非常に悪い。そのため、上記のように毛を取り除いてからまく。市販のタネは、すでに綿毛が取り除かれており、そのまままいても発芽する。
  4. アブラムシが付きやすい。

余談

  1. 切り花やドライフラワーにしても花色が褪せない。ドライフラワーにする場合は、満開になる少し前に刈り取り、逆さにして乾燥させる。
  2. 「帝王貝細工」の名で知られるブラクテアツムは、ヘリクリサム属(またはブラクテアンサ属)の植物である。別種の植物とはいえ、性質や雰囲気等がよく似ている。別ページで解説済み。

各種の和名・異名

  1. ペーパーカスケード/ペーパーキャスケード/ハナカンザシ/花簪(いずれもアンセモイデス)
  2. クロロセファラ亜種ロゼア/ロゼウム/アクロクリニウム・ロゼウム(いずれも異名)/アクロクリニウム/アクロクリニューム/ハナカンザシ/花簪/ヒメカイザイク/姫貝細工/ローズエバーラスティング(いずれもクロロセファラ)
  3. フンボルティアナ/プテロポゴン・フンボルディアヌム(いずれもフンボルティアヌムの異名)
  4. マクラタ(誤名)/ローダンセ/ヒロハハナカンザシ/ヒロハノハナカンザシ/広葉花簪/ヒメカイザクラ/姫貝桜/スワンリバーエバーラスティング(いずれもマングレシー)

(※データ:大阪市基準)