いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

ヒョウタン

イメージ

原産地

北アフリカ西部

ウリ科

高さ

3~8m(つる性)

花期

6~8月

【結実】7~10月

形態

春まき一年草

別名等

ラゲナリア・シセラリア変種ゴウルダ(学名)/瓢箪/ヒサゴ/ボトルグード


ユウガオ/夕顔/カラバッシュグード/ホワイトフラワードグード(いずれもシセラリア)
センナリヒョウタン/千成瓢箪(シセラリア変種ミクロカルパ)

日照

4月下旬~11月中旬の生育期は、戸外の直射日光下。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(水切れは厳禁)。

【補足】根の吸水力がとても強く、水切れしやすい。

肥料

春の元肥の他、6~8月に、二週間に一度の液肥、または少量の固形肥料を置き肥。

植え付け

4月下旬~5月下旬。

【補足】移植を好まないので、根を切らない。

整姿

【仕立て方】まず、1m程度の長い支柱を立てて誘引する。(最初の摘芯までの間、親づるから発生する腋芽は、ひたすら摘み取る。)
親づるが支柱の先端まで伸びたら(=長さが1mくらいになったら)摘芯し、その後に発生した子づるは、よいものを2~3本残し、他は全て切り取る。子づるが5~6節に伸びたら摘芯し、発生した孫づるのうち、よいものを2~3本残す。
その後も茂りすぎるようなら、弱いつるを間引く。


【摘果】つる1本に付き果実1~3個とする(小果種は、摘果の必要はない)。大きな果実は、果梗の部分にヒモをかけ、支柱にしっかりと留めておく。

繁殖

【タネまき】4月中旬~5月上旬。(発芽適温が25℃前後と高いので、早まきする場合は、室内で加温する。大型種は栽培期間が長いため、加温しながら3月にまく。)

耐暑性

とても強い。

耐寒性

とても弱い。

解説

  1. 日本へは縄文時代に渡来したとされる。ヘチマと並んで昔から親しまれる、夏の風物詩である。果実の形が独特で、さまざまな民芸品に加工される。じつは、カンピョウの原料となるユウガオの仲間。
  2. 歴史があるわりに、品種は多くない。小型で育てやすい「千成ヒョウタン」や、未熟果が食用になる「食用一口ヒョウタン」などが出回る。
  3. 雌雄異花。人工受粉をすると、確実に結実させられる。ウリ科の栽培植物としては珍しく、純白の花を咲かせる。

注意点・病害虫

  1. 大型の植物なので、地植えが望ましい。つるが3~8mにも伸び、果実をたくさんぶら下げるので、棚仕立てがよい。容器栽培するなら、10号以上の大鉢で一株育てることができる。小型種は、9号鉢で一株、65cmプランターで二株作れる。
  2. ウリ科植物なので、風通しが悪くなると、うどんこ病にかかりやすい。害虫は、ウリハムシが大敵。

収穫・利用

  1. 種類によるが、開花後、2ヵ月~2ヵ月半程度で収穫できる。「千成ヒョウタン」は、開花後1ヵ月半~2ヵ月で収穫適期を迎える。
  2. 果実の表面に毛がなくなったら完熟。苦みが強く、食用にならない。が、「食用一口ヒョウタン」は例外で、若い果実を漬物にできる。
  3. 完熟果を置き物にするには、下記のような手順がある。強い悪臭(腐敗臭)が漂うため、最近は行う人が少ないらしい。
    1. 果梗(ヘタ)の部分を切り、果肉まで達する深めの縦穴を開ける。(ヒョウタンは最初から口に穴が開いているわけではない。)大きめの穴を開けておくと、後でタネを出しやすい。
    2. 水に浸けて重しをし、2週間ほどそのまま置いて、中身を腐らせる。
    3. 針金などを突っ込んで、腐った中身とタネをきれいにかき出す。表面の果皮も腐っているので、剥がし取る。(悪臭に注意。)
    4. 中に水を入れて数回すすぎ、きれいな水に1~2週間ほど浸けてアクを抜く。
    5. アク抜きが終わったら、しっかり水を切ってよく乾かし、飾る。表面に油を塗ってツヤを出したり、絵の具で絵付けをしても楽しい。
    最近は、専用の酵素剤が売られている。これを使えば、腐敗臭に苦しむことなく、わずか数日で中身を抜き取ることができる。

(※データ:大阪市基準)