ダイアンサス/ナデシコ
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原産地
アジア・ヨーロッパ・北アメリカ
科
ナデシコ科
高さ
5~100cm(種類による)
花期
4~7月・9~11月(種類による)
形態
多年草または一~二年草
別名等
ダイアンツス/ディアンツス(いずれも属名)/撫子
(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)
日照
戸外の直射日光下(7月中旬~9月上旬は30~50%遮光したほうがよい)。
【補足】少し耐陰性があり、多少の日陰なら耐える。
水やり
土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。
【補足】できれば雨に当てない。
肥料
3月下旬~6月下旬と、9月中旬~11月上旬に、10~14日に一度の液肥、または固形肥料の置き肥。
植え替え
3月上旬~4月中旬か、9月下旬~10月下旬。
【補足】鉢植えは1~2年、地植えは3年に一度行う。
整姿
高性種は支柱を立てないと倒れる。春の花が終わったら刈り込み、梅雨時~夏の蒸れを防ぐ。
繁殖
【挿し芽】4月下旬~6月下旬か、9月中旬~10月中旬。
【株分け】植え替えと同時期(あまり株分かれしないので、無理に分けない)。
【タネまき】3月中旬~5月下旬か、8月下旬~10月下旬(秋まきすると、開花が翌々春になることがある)。
耐暑性
わりと強いが、蒸れに注意。
耐寒性
強い(-10~-25℃)が、寒地では防寒する。
【補足】高温にあわせない。
解説
- 「ダイアンサス」とは、ナデシコの仲間の属名である。が、園芸上は、多くの原種の種間交配によって生まれた多彩な園芸品種群を「ダイアンサス」と総称する。カーネーションも同属の植物だが、園芸上は別ものとして扱う。(カーネーションについては別ページで解説済み。)
- 春~初夏に開花する一季咲き種と、春~秋まで断続的に咲き続ける四季咲き種がある。原種は、ほとんどが一季咲きだが、最近は、四季咲きの園芸品種をよく見掛けるようになった。
- 花色は、白~桃~紅、赤などがあり、二色咲きも珍しくない。花型は、一重咲きと八重咲きがある。草丈は、種類によってさまざま。
- 園芸店でよく見かけるのは、ビジョナデシコ系の品種やセキチク、セキチクの四季咲き系「トコナツ」、ビジョナデシコとセキチクの交配種「テルスター」、切り花用で一重の花を咲かせるダイモンジナデシコ、原種のタツタナデシコなどである。このうち、セキチクとダイモンジナデシコ、タツタナデシコは一季咲き。
- トコナツは夏に休眠するので、夏越し中、過湿にしないよう注意。
- タツタナデシコは、別名を「ピンク」といい、淡桃色の花を咲かせる。色名の「ピンク色」とは、「タツタナデシコの花の色」の意らしい。
- 山野草扱いされる種類もある。主に、日本やヨーロッパ原産の種類が該当し、いずれも一季咲きである。日本原産種では、代表種のカワラナデシコの他、その変種のエゾカワラナデシコやクモイナデシコ、タカネナデシコがある。また、シナノナデシコ、ハマナデシコなどもよく栽培される。なお、エゾカワラナデシコは寒地性、クモイナデシコとタカネナデシコは高山性なので、暖地では、夏の高温多湿に注意する。
- 古くから日本では、単に「ナデシコ」というと、秋の七草の一つとして知られるカワラナデシコを指す。余談だが、「大和撫子」とは、カワラナデシコの別名である。
- ハマナデシコは、葉が厚く、光沢があり、頂部にたくさんの花がかたまって咲く、やや大型の種類。他のナデシコ類とは、少し趣を異にする。夏~秋咲き。二年草として扱う。名前からわかるように、海辺に自生する。
- イセナデシコは、カワラナデシコに似た姿で、花弁が長く垂れ下がる、特異な花を咲かせる。セキチク系の園芸品種で、江戸時代に日本で作出された。四季咲き性が強い。伊勢菊・伊勢系ハナショウブとともに、「伊勢三花」として知られる。
- ヨーロッパ原産の種類では、オヤマナデシコやキバナナデシコ、ヒョウガナデシコ、デルトイデス、ハエマトカリックス、パポニウス、ブレビカウリス、ミクロレピスなどがある。いずれも、夏の暑さや雨に弱い傾向がある。
注意点・病害虫
- この仲間は多年草だが、比較的寿命が短く、タネから簡単に育てられるため、よく一年草扱いされる。多年草として育てる場合も、3~5年をめどに、挿し芽やタネまきで更新する。
- やや酸性土を嫌うので、土に石灰を施してから植え付ける。ただし、原種のパボニウスは酸性の土で育つ。
- 連作も嫌うため、同じ土で続けて栽培するのは避ける。地植えの株も、3年をめどに、別の場所に植え替える。
- ヨトウムシがよく付くので、夜間に見回り、必ず駆除しておく。また、さび病やウイルス病にかかりやすい。
余談
- 花は食用になる。花弁の基部に苦味があるので、取り除いてからサラダなどに添える。
各種の和名・異名
- オヤマナデシコ/小山撫子/御山撫子/アルパインピンク(いずれもアルピヌス)
- イセナデシコ/伊勢撫子/ゴショナデシコ/御所撫子(いずれもイセンシス)(※交配種)
- クローブカーネーション/クローブピンク/ジャコウナデシコ/麝香撫子(いずれもカリオフィルス)
- ホソバナデシコ/細葉撫子(カルツシアノルム)
- ナッピー/キバナナデシコ/黄花撫子/ホタルナデシコ(いずれもクナッピー)
- ゲリドゥス(異名)/ヒョウガナデシコ/氷河撫子(いずれもグラシアリス)
- カエシウス(異名)/チェダーピンク(いずれもグラティアノポリタヌス)
- シナノナデシコ/信濃撫子/ミヤマナデシコ/深山撫子(いずれもシナネンシス)
- セキチク/石竹/カラナデシコ/唐撫子/インディアンピンク(いずれもシネンシス)
- トコナツ/常夏(シネンシス変種センペルフロレンス)
- ハマナデシコ/浜撫子/ベニナデシコ/紅撫子/フジナデシコ/富士撫子/ナツナデシコ/夏撫子(いずれもジャポニクス)
- タカネナデシコ/高嶺撫子(スペルブス変種スペシオスス)
- スペルブス(異名)/エゾカワラナデシコ/蝦夷河原撫子(いずれもスペルブス変種スペルブス)
- カワラナデシコ/河原撫子/ヤマトナデシコ/大和撫子/スーパーピンク(いずれもスペルブス変種ロンギカリシヌス)
- ヒメナデシコ/姫撫子/メイデンピンク(いずれもデルトイデス)
- ネグレクツス(パボニウスの異名)
- ビジョナデシコ/美女撫子/ヒゲナデシコ/アメリカナデシコ/スイートウィリアム(いずれもバルバツス)
- タツタナデシコ/竜田撫子/龍田撫子/ピンク/クローブピンク/ガーデンピンク/コテージピンク/ライオンロック/トコナデシコ(いずれもプルマリウス)
(※データ:大阪市基準)