いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

スイートピー

イメージ

原産地

イタリア南部~シチリア島周辺・ヨーロッパ中部~南部

マメ科

高さ

20~300cm(多くの種類はつる性)

花期

【一年草種】3~6月

【多年草種】6~10月

形態

一年草または多年草

別名等

ラティルス・オドラツス(学名)/ジャコウエンドウ/麝香豌豆/ジャコウレンリソウ/麝香連理草/ベッチリングス/ワイルドピー


(※その他の種類の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

【一年草種】10月上旬~6月上旬の生育期は、戸外の直射日光下(越冬中は霜除けする)。

【多年草種】戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は30%遮光)。


【補足】多年草種は、少し耐陰性があるが、なるべく日光に当てる。

水やり

土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。

肥料

【一年草種】秋の元肥の他、3~4月に、少量の固形肥料を置き肥、または月に一~二度の液肥。

【多年草種】3~4月と、10~11月に、少量の固形肥料を置き肥、または月に一~二度の液肥。


【補足】いずれもマメ科植物なので、窒素(N)は控えめに。

植え付け

【一年草種】3月か、10月下旬~11月下旬(秋のほうがよい)。

【多年草種】3月上旬~4月中旬か、9月下旬~11月上旬。


【補足】いずれも直根性で移植を嫌うので、根鉢を崩さない。

整姿

つるが伸びる種類は、草丈20cm程度になったら摘心し、子づるを出させる。多年草種は、晩秋になったら、地際付近でつるを切り戻しておく。

繁殖

【タネまき】まく前に一晩水に浸し、ふくらんだタネをまく。

一年草種…3月下旬~4月上旬か、10月中旬~11月中旬(秋のほうがよい)。

多年草種…3月上旬~5月上旬か、10月上旬~11月上旬。

【株分け】植え替えと同時期(多年草種のみ可能だが、あまり一般的でない)。

耐暑性

【一年草種】とても弱い。

【多年草種】わりと強い。

耐寒性

【一年草種】やや弱く、寒地では室内へ。

【多年草種】強い。

【補足】いずれも、高温にあわせない。

解説

  1. 一般に、「スイートピー」といえば、原種のオドラツスから改良された、一年草タイプの園芸品種群を指す。しかし最近は、別の原種であるラティフォリウスから改良された、多年草タイプのスイートピーも出回る。
  2. 一年草種は、花期によって、冬咲き種・春咲き種・夏咲き種に分かれる。よく栽培されるのは、春咲き種と夏咲き種である。花色がきわめて豊富で、素晴らしい芳香を持つ。多くの種類はつる性で、かなりの長さになるが、中には、つるが伸びない矮性種もある。矮性種は吊り鉢仕立てによい。
  3. 多年草種は、花の豪華さ・花色の豊富さ・花の芳香などにおいて、一年草種に及ばないが、とても丈夫で育てやすく、花期も長い。耐寒性が強く、寒地でも地植えできるらしい。
  4. 日本にも、同属のハマエンドウが自生する。こちらは海浜植物で、茎がほふくする。花は、紫色と淡紫色のツートンカラーで、なかなか美しい。

注意点・病害虫

  1. 一年草種は、エンドウやソラマメと同様、草丈によって耐寒性が変わり、10~15cm程度の頃が最も強い。これより大きくても小さくても、耐寒性が弱くなっている(半耐寒性になる)ので、タネまきの時期に注意する。暖地では11月にまいたほうがよい。
  2. マメ科植物なので、窒素をあまり必要とせず、やせ地でもよく育つ。肥料を与えるときは、N(窒素)の数値の小さいものを使う。
  3. 比較的タネの寿命が長く、古いタネでも発芽する。なお、食用にはならない。
  4. この仲間は、酸性土を嫌い、石灰分を好む。土に石灰を施してから植え付ける。
  5. マメ科植物につき、連作は不可。
  6. うどんこ病に弱く、アブラムシやハモグリバエなどの害虫もよく発生する。薬剤を使わざるを得ないことも。

余談

  1. 切り花に最適。

各種の和名・異名

  1. レンリソウ/連理草(クインクェネルビウス)
  2. エバーラスティングピー(グランディフロルス)
  3. ハマエンドウ/浜豌豆(ジャポニクス)
  4. ペレニアルピー/エバーラスティングピー(いずれもシルベストリス)
  5. マゼラニクス(ネルボススの異名)
  6. オロブス・ベルヌス(ベルヌスの異名)
  7. 宿根スイートピー/ヒロハノレンリソウ/広葉連理草/サマースイートピー/ペレニアルピー/ペレニアルピーバイン/エバーラスティングピー/ブロードリーブドエバーラスティングピー(いずれもラティフォリウス)
  8. ペルシアンエバーラスティングピー(ロツンディフォリウス)

(※データ:大阪市基準)