デルフィニウム
イメージ
原産地
アジア・シベリア・ヨーロッパの山岳地帯~西アジア・北アフリカ・北アメリカ
科
キンポウゲ科
高さ
30~200cm(種類による)
花期
4~7月(夏越しすれば秋にも咲く)
形態
多年草または一~二年草
別名等
デルフィニューム
セリバヒエンソウ/芹葉飛燕草(アンスリシフォリウム)
シネンセ(異名)/オオヒエンソウ/大飛燕草/ドワーフバタフライ(いずれもグランディフロルム)
日照
西日を避けた戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
水やり
土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。
肥料
3月、5月、10月に、固形肥料の置き肥。
植え替え
2月下旬~4月上旬か、10月上旬~11月中旬。
【補足】1~3年に一度行う。直根性で移植を嫌うので、根を切らない。
整姿
花後すぐ、節のすぐ上で花穂を切り戻す。高性種には支柱を立てる。
繁殖
【株分け】植え替えと同時期(あまり一般的でない)。
【タネまき】2月上旬~3月上旬か、10月上旬~11月中旬。
(秋のほうがよい。嫌光性のため、必ず覆土する。発芽適温が15℃前後と低いので早まきしない。早まきしたければ、タネを湿らせて密閉し、冷蔵庫に一週間ほど入れる「冷蔵処理」をしてからまく。発芽は遅く、2~4週間かかる。)
【挿し芽】4~6月。(パシフィック系では不可。茎挿しにするが、茎の先端は挿し穂に使わない。)
耐暑性
とても弱い。
耐寒性
とても強い(-30℃)。
解説
- 「デルフィニウム」という名は、この植物の属名で、「イルカ」を意味する。つぼみの形、または、花の後ろにある「距(細長い突起)」を、イルカに見立てたらしい。
- 花色は青が一般的だが、空色や青紫、淡紫、桃、紅、白、黄、橙などがある。なお、キンポウゲ科植物なので花弁は無い。花弁のように見えるのはガクである。
- 品種が多く、いくつかの系統がある。
- エラツム系…原種エラツムの血を引く系統。よく見かけるのは、草丈2m近くの高性で八重咲きの花がびっしりと咲く「オーロラ系」や、やや草丈の低い「パシフィック系(パシフィック・ジャイアント系)」など。切り花に向く。その他、草丈が1m前後と低い「リトル系」もある。
- シネンセ系…原種グランディフロルム(シネンセ)の系統。一重咲きで、全体的に繊細な草姿。花の後ろに「距」が無く、草丈も1m前後と低い。
- ベラドンナ系…エラツム系とシネンセ系の中間的な草姿の系統。
- 葉の形が、品種によってかなり違う。「キイチゴのように幅が広く、縁に浅い切れ込みが入る葉」、「全体が深く切れ込み、シュンギクに似た形をした葉」、「さらに葉が深く切れ込み、コスモスに似た形になった葉」、などが見受けられる。なお、近縁種で一年草のラークスパー(チドリソウ)は、葉が非常に細く、ほとんど糸状になっている。
- 目の醒めるような青花の印象が強いが、原種のカーディナレやヌディカウレのように、真っ赤な花を咲かせる種類もある。耐暑性が無いせいか、日本ではほとんど見かけない。
注意点・病害虫
- 多年草だが、暖地での夏越しが難しいため、一~二年草扱いが一般的。夏涼しい寒冷地では、容易に宿根する。どう考えても寒地向きの植物である。ただ、元来、あまり長命な多年草ではない。
- タネの寿命が短いため、購入時は、できるだけ新しいものを選ぶ。特に、一度夏を越し、高温にあってしまったタネは、ほとんど発芽しない。タネを保存するなら冷蔵庫で。
- タネの発芽適温が低く、高温(地温20℃以上)になるとまったく発芽しない。そのため、暖地では、晩秋か早春にタネをまくことになるが、それだと生育期間が足りず、大株になる前に気温が上がり、開花せずに枯れてしまうことがある。開花したとしても貧弱になり、市販の切り花のような豪華さは期待できない。従って、暖地では、秋に苗を買って育てるほうが効率がよい。
- 暖地でタネから育てたい場合は、晩夏に冷蔵庫でタネをまき、芽出しをする。発芽後は戸外で育苗することになるが、高温で立枯れやすい。ただし、一代交配種の「オーロラ系」の品種は、比較的栽培容易。
- 連作を嫌ううえに、土壌病害に弱い。必ず、新しい清潔な土で育てる。酸性土を嫌うので、石灰を施すのも忘れずに。
- キンポウゲ科植物だけに、やはり有毒である。デルフィニウムの毒性はかなり危険で、死亡例もあるため、扱いに注意する。
(※データ:大阪市基準)