ストック
イメージ
原産地
南ヨーロッパ・地中海沿岸
科
アブラナ科
高さ
10~120cm(種類による)
花期
10~12月・2~5月(種類による)
形態
夏~秋まき一年草
別名等
マッティオラ・インカナ(学名)/紫羅欄花/アラセイトウ/ニオイアラセイトウ/ブロンプトンストック
ジリーフラワー(この仲間の総称)
日照
8月中旬~7月上旬の生育期は、戸外の直射日光下。(酷暑期は西日を避ける。越冬中は霜除けする。)
【補足】少し耐陰性があるが、なるべく日光に当てる。
水やり
生育期は、土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。
肥料
秋の元肥の他、3~4月に、二週間に一度の液肥、または少量の固形肥料を置き肥。
植え付け
3月か、10月上旬~11月中旬(秋のほうがよい)。
整姿
高性種は支柱を立てないと倒れる
花が咲ききったら、脇芽のすぐ上で切り戻せば、二番花が咲く(ただし、一番花より貧相)
繁殖
【タネまき】7月下旬~10月中旬。(暖地では、高温期にまくと育てにくいので、9月にまくのがよい。)
耐暑性
やや弱い。
耐寒性
やや弱く(-3℃)、霜除けする。
【補足】高温にあわせない。
解説
- 本来、「ストック」という名は、この仲間(マッティオラ属)全体の総称である。しかし日本では、マッティオラ属のうち、インカナという種類しか出回らない。そのため、ストックといえばインカナを指すようになったらしい。
- インカナは、強い芳香のある花を、穂状にたくさん咲かせる。花色がとても豊富。開花期によって、極早生種~早生種~晩生種まである。
- 切り花用の高性種~鉢植え向きの矮性種まである。矮性種はよく分枝するが、高性種は分枝しない。
注意点・病害虫
- タネから育てると、一重咲きと八重咲きが同時に出現するが、観賞価値が高いのは八重咲きのほうである。(八重咲きが現れる確率は通常50%だが、現在の品種は80%以上と高くなっているらしい。)開花前に八重咲きを選抜する方法としては、下記のようなものがある。
- 発芽の早い苗が八重咲き。(一重咲きの苗は発芽が遅い。)
- 生育の早い苗が八重咲き。(一重咲きの苗は生育が遅い。)
- 双葉の色の薄い苗が八重咲き。(一重咲きの苗は色が濃い。)
- 双葉の大きい苗が八重咲き。(一重咲きの苗は双葉が小さい。)
- 双葉が細長く、葉縁にくびれのある苗が八重咲き。(一重咲きの苗は双葉が丸い。)
- 本葉の縁にわずかに欠刻のある苗が八重咲き。(一重咲きの苗は欠刻が無い。)
- 八重咲きの株は結実しにくいので、花後にタネを採りたければ、一重咲きの株も手元に残しておき、そこから採る。一重咲きの株から採ったタネをまくと、また一重咲きと八重咲きの子が半分ずつ混じって出現する。
- 極早生種と早生種は、夏にタネをまけば秋から開花する。しかし、育苗中にひどく病虫害を受けること疑いなしのうえ、そもそも暑さに強い植物ではないので、無理をしない。
- 晩生種は、幼苗時に冬の低温にさらされないと、春になっても開花しないので、遅まきしない。
- 余ったタネは冷蔵庫などで保存しておけば、数年間、発芽能力を保つ。
- 酸性土を嫌い、石灰を好む。植え付け前に、土に施しておく。
- ウイルス病にかかると、花や葉にモザイク状の斑模様が入ったり、奇形化したりするので、抜き取り処分する。
- アブラナ科植物だけに、アブラムシやコナガがよくつく。スミチオンを使うと薬害が出る可能性があるため、オルトランなどで駆除するとよい。
余談
- 切り花としてなじみ深い。
- 名前の似た「バージニアストック」は、別属(マルコミア属)の植物である。「マルコルミア」とも呼ばれる。地中海沿岸原産。花が一重咲きのストックに似るため、この名があるらしい。草丈が低く、草姿もストックとは全く異なる。育て方はほぼ同じでよいが、多肥は避ける。
(※データ:大阪市基準)