いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

菜の花

イメージ

原産地

東アジア・ヨーロッパ(人工交配種)

アブラナ科

高さ

60~100cm(品種による)

花期

11~5月

形態

秋まき一年草または多年草

別名等

ブラッシカ・カンペストリス(学名)/ブラッシカ・ラパ変種アンプレクシカウリス/ブラッシカ・ラパ変種ペキネンシス/ブラッシカ・ペキネンシス(いずれも異名)/ハナナ/花菜/ナバナ/菜花/唐菜/ナノハナ

日照

9月下旬~6月上旬の生育期は、戸外の直射日光下(越冬中は霜除けする)。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(水切れは厳禁)。

肥料

秋の元肥の他、1月と、3月に、小量の固形肥料を置き肥。

【補足】観賞用の場合、地植えなら、元肥を十分に施せば、追肥の必要はない。

植え付け

10月上旬~11月中旬、株間10~20cm。

【補足】直根性で移植を嫌うので、根鉢を崩さない。

整姿

高性種は支柱を立てたほうがよい。やや密植気味にすると花茎がまっすぐ上に伸び、咲き揃う。

繁殖

【タネまき】8月上旬~10月下旬(早生種は早めにまき、晩生種は遅まきする)。

耐暑性

やや弱い。

耐寒性

わりと強いが、寒地では防寒する。

解説

  1. 単に「菜の花」というと、春に、香りのよい黄色い小花をたくさん咲かせる、アブラナ科アブラナ属(ブラッシカ属)の植物全体を指すようである。アブラナだけでなく、カブやキャベツ、ハクサイ、ブロッコリーなども同じ仲間。
  2. 園芸店などで、「菜の花」として売られるのは、縮緬ハクサイから改良されたハナナで、「ナバナ」とも呼ばれる。葉の表面が縮れる系統と、縮れない系統がある。千葉県での生産が多い。
  3. 三重県の地方野菜である「菜花(ナバナ)」は、つぼみのない茎葉を食用とするもので、つぼみが出る前に収穫を済ませる。従って、呼び名は同じだが、似て非なるものである。
  4. 春を代表する花として有名だが、ハナナの早生種は、暖地なら11月頃から咲き始める。

注意点・病害虫

  1. 本来は多年草だが、普通は一年草として扱う。
  2. 連作すると、根こぶ病などの病気が出やすい。
  3. アブラナ科植物なので、アオムシが大敵である。早めに駆除しないと、丸坊主にされてしまう。ただ、薬害が出るので、スミチオンは使用禁止。

余談

  1. 切り花によいが、花茎が光の方向を向く性質があり、すぐ曲がってしまう。
  2. 開花直前のつぼみは食用になる。花茎や若い葉も食べられる。野菜としては非常に栽培容易で、収穫量も多いのでおすすめ。独特のほろ苦い味が、春の訪れを感じさせる。
  3. 名前が似ているムラサキハナナは、別属の植物で、観賞専用である。春になると、ダイコンの花に似た、淡紅紫色の花をたくさん咲かせる。とても丈夫な植物で、各地に野生化している。別ページで解説済み。

(※データ:大阪市基準)