いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

カモミール

イメージ

原産地

ヨーロッパ~西アジア・中央アジア

キク科

高さ

10~100cm(種類による)

花期

4~7月

形態

【ジャーマン種】一年草

【ローマン種】多年草

収穫期

4~7月

別名等

【ジャーマン種】マトリカリア・レクティタ(学名)/マトリカリア・カモミラ/カモミラ・レクティタ(いずれも異名)/カミツレ/カミルレ/ジャーマンカモミール/ワイルドカモミール/スイートフォルスカモミール

【ローマン種】カマエメルム・ノビレ(学名)/アンテミス・ノビリス(異名)/ローマンカモミール/ローマカミツレ


カモマイル/カモミーユ(いずれも両種の総称)
ローンカモミール/ノンフラワーカモミール(いずれもローマン種の花無し系統)

日照

戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は30~50%遮光したほうがよい)。

水やり

土の表面が乾けば与える。

肥料

【ジャーマン種】2月下旬~6月上旬と、10月上旬~11月中旬に、7~10日に一度の液肥、または固形肥料の置き肥。


【ローマン種】3月、5月、9月に、固形肥料の置き肥、または10~14日に一度の液肥。

植え替え

【ジャーマン種】2月下旬~4月下旬か、10月上旬~11月中旬(秋のほうがよい。暖地では、秋の植え付けを急ぐと、越冬前に開花することがある)、株間20~40cm。


【ローマン種】3月上旬~5月上旬か、9月下旬~11月上旬、株間20~30cm。

整姿

伸びすぎて倒れるようなら、支柱を立てる。

繁殖

【ジャーマン種】

【タネまき】3月上旬~4月下旬か、9月下旬~10月下旬(秋のほうがよい)。


【ローマン種】

【タネまき】3月中旬~5月下旬か、9月下旬~10月下旬。

【挿し芽】4月下旬~6月下旬か、9月。

【株分け】植え替えと同時期。

耐暑性

弱い。

耐寒性

とても強い(-25℃)。

解説

  1. 「カモミール」と呼ばれる植物には、一年草のジャーマンカモミールと、多年草のローマンカモミールがある。両種は、姿がよく似るが、それぞれ別属の植物である。
  2. ジャーマンカモミールは、キク科マトリカリア属に属する。茎葉に香りは無いが、花にはリンゴに似た芳香がある。とても丈夫で育てやすい。
  3. ローマンカモミールや、その変種のダブルフラワーカモミールは、キク科カマエメルム属に属する。全草にリンゴを思わせる芳香があるが、ジャーマンカモミールとは違う香りである。また、多年草であるぶん、花付きがジャーマンカモミールより劣る。
  4. ノンフラワーカモミールは、ローマンカモミールの変種である。これは「香りの芝生」を作るための、グラウンドカバー専用の種類。名前の通り花が咲かない。「ローンカモミール」とも呼ばれる。

注意点・病害虫

  1. 「香りの芝生」を作ったら、常に、高さ5~10cmに刈り込んでおく。踏むとよい香りが漂うが、普通の芝生とは違うので、あまり頻繁に踏まない。踏みすぎると、その部分がはげる。
  2. いずれも、こぼれダネで殖える。ジャーマン種は特に繁殖力が強い。
  3. やや砂質の土を好む。
  4. アブラムシがよく付く。殺虫剤を使いたくないので、薄めた石鹸水や牛乳などをスプレーし、地道に駆除する。

収穫・利用

  1. ジャーマン種、ローマン種ともに、花が咲き進むにつれて中心部が盛り上がり、花弁が垂れ下がる。収穫するなら、花弁が垂れ下がる直前~垂れ下がり始めた頃に行う。(つまり、花が盛りを過ぎ始めた頃が収穫適期。)
  2. いずれの種類も、花をハーブティーやハーブバス、フェイシャルスチームに使う。ティーは本来、風邪薬であるらしく、多量に飲むのはよくない。バスやスチームには、肌を美しくする効果がある。(ローマン種のみ、葉も、花と同様に利用できるらしい。)

余談

  1. よく似たカミツレモドキは、草姿こそそっくりだが、異臭があるので、間違えることはない。こちらは有毒で、触るとかぶれることがある。
  2. 同じ「カモミール」の名を持つダイヤーズカモミールは、キク科アンテミス属に属する。こちらは鮮やかな黄色の花を染料にする。香りはなく、ティーなどに使うこともできないが、花壇や切り花に最適。別ページにて解説済み。

(※データ:大阪市基準)