ポーチュラカ/マツバボタン
イメージ
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原産地
ブラジル・メキシコ
科
スベリヒユ科
高さ
5~15cm
花期
5~11月
形態
一年草または多年草(ほふく性)
生育型
夏型
別名等
【ポーチュラカ】ポーチュラカ・オレラセア(学名)/ハナスベリヒユ/へラバマツバボタン/箆葉松葉牡丹/ヒロハマツバボタン/広葉松葉牡丹
【マツバボタン】ポーチュラカ・グランディフローラ(学名)/松葉牡丹/ヒデリソウ/日照草/ツメキリソウ/爪切草/ローズモス/モスローズ/サンプラント/イレブンオクロック
日照
4月下旬~11月上旬の生育期は、戸外の直射日光下(きわめて日光を好む)。
越冬中は、室内の日当たり。
【補足】日光が当たらないと、花が開かない。
水やり
生育期は、乾いて1~2日後に与える(多肉植物なので、乾き気味に管理)。越冬中は、ごく控えめに。
肥料
5~9月に、二週間に一度の液肥、または、少量の固形肥料を置き肥。
【補足】マツバボタンは肥料が少なくても大丈夫だが、ポーチュラカは、やや多めの肥料を好む。
植え替え
5月上旬~9月上旬。
【補足】植え替え後、数日経ってから水やりを再開する。
整姿
7月頃まで数回摘芯し、枝数を増やしておくと豪華に咲く。伸び過ぎれば、春~夏に、半分程度に切り戻す。(切った枝をそのまま土に挿しておくと発根する。)
繁殖
【タネまき】4月下旬~7月中旬(覆土は薄く)。
【挿し芽】5月上旬~9月下旬(土に直接挿してもよい)。
耐暑性
とても強い。
耐寒性
5℃近くまで耐えるが、最低13℃を保つ。
解説
- 「ポーチュラカ」という名は、この仲間全体の属名である。が、園芸上は、単に「ポーチュラカ」というと、ハナスベリヒユのことを指す。マツバボタンもポーチュラカ属の植物だが、属名で呼ばれることはない。
- 同じ属の植物だけに、マツバボタンとポーチュラカは雰囲気が似ている。しかし、マツバボタンの葉は、松葉のように細く、ポーチュラカの葉は幅広で丸い。両種とも、一重咲きと八重咲きがある。
- いずれも一日花で、昼頃にはしぼんでしまう。しかし、最近の改良品種には、夕方まで咲いているものもある。
- マツバボタンの別名「爪切草」は、爪でちぎった茎を、そのまま土に挿しておけば発根することから付いた。ポーチュラカも同様にして殖やせる。
注意点・病害虫
- 直射日光が当たらないと極端に生育が悪く、花が咲かないので、日陰に植えたりしない。
- いずれも多年草だが、耐寒性が無いため、普通は、毎年タネや苗を買って育てる。(ポーチュラカのタネは市販されていないので、苗から始める。)どうしても越冬させたい場合は、夏の終わり頃に挿し芽を行い、小苗を作っておくと、室内で場所を取らずにすむ。
- ポーチュラカは基本的に不稔性で、タネができにくい。何とかタネができ、それをまいて育てたとしても、親株とは全く違う花が咲くことが多い。しかし、育種の楽しみはある。
- 花壇や大型コンテナなどに群植すると美しいが、株元が蒸れて腐りやすいので、風通しに注意する。
- 砂質の土を好む。
- マツバボタンは比較的タネの寿命が短いので、古いタネを用いない。一方、ポーチュラカのタネは長もちするらしい。
余談
- 雄しべに触れると、一斉に雌しべの方に向かって動く性質がある。
- 熱帯アメリカ原産のヒメマツバボタンは、暖地で見られる帰化植物である。やはりポーチュラカ属に属する。マツバボタンをそのまま小さくしたような姿をしており、1cmほどの、一重の紅色花を咲かせる。観賞価値は低い。
- ポーチュラカに似た草姿で、葉先がとがっている「ベビーサンローズ」は、アプテニア属の「ハナヅルソウ(花蔓草)」という多年草である。(学名:アプテニア・コーディフォリア。)花は小さいが、よく見るとマツバギクの花に似ている。葉に斑が入る品種(別名「花蔓草錦」)もある。育て方はマツバギクに準じる。比較的耐寒性が強く、暖地なら霜除け程度で越冬できる。
(※データ:大阪市基準)