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素人園芸解説 -私はこう育てる-

ヤグルマギク

イメージ

原産地

ヨーロッパ東南部・西アジア

キク科

高さ

20~100cm(種類による)

花期

4~7月

形態

一年草

別名等

センタウレア・シアヌス(学名)/矢車菊/ヤグルマソウ/矢車草/ブルーボトル/コーンフラワー/バチェラーズボタン/ナップウィード/セントーレア


アメリカヤグルマ/アザミヤグルマ(いずれもアメリカナ)
ピンクダスティーミラー(ギムノカルパ)
オウゴンヤグルマソウ/黄金矢車草(マクロセファラ)
ヤマヤグルマギク/ペレニアルコーンフラワー(いずれもモンタナ)

日照

9月下旬~7月上旬の生育期は、戸外の直射日光下。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。

【補足】過湿に弱いので、雨に当てない。

肥料

秋の元肥の他、3月に、固形肥料の置き肥(多肥にしない)。

【補足】窒素(N)は控えめに。

植え付け

3月上旬~4月上旬か、10月上旬~11月中旬(秋のほうがよい)。

【補足】直根性で移植を嫌うので、根鉢を崩さない。

整姿

高性種は草丈が高くなるので、支柱を立てる。

繁殖

【タネまき】3月中旬~4月上旬か、9月中旬~10月下旬(秋のほうがよい)。

耐暑性

弱い。

耐寒性

わりと強い(-10℃)が、寒地では防寒する。

解説

  1. センタウレア属の植物のうち、一年草のシアヌスという種類が、一般に「ヤグルマギク」と呼ばれる。株元からよく分枝し、ホウキ状の草姿になる。草丈が高く、1m近くに達する。花色は、青紫、紅、桃、白など。
  2. 初夏の花として、昔からおなじみ。丈夫で育てやすいが、土の過湿や多肥に弱く、放任栽培を基本とする。
  3. 同じく一年草のアメリカナという種類は花が大きく、直径10cm前後にもなる。花色は淡紅色。
  4. 花の大きなイエローサルタンやスイートサルタンは近縁種に当たる。別ページで解説済み。こちらは、さらに寒さに弱い。
  5. センタウレアの仲間には、デアルバタやマクロセファラ、モンタナなど、多年草の種類もある。しかし、夏の高温多湿に弱く、暖地では育てにくい。耐寒性は強い(-25~-30℃)ので、寒冷地なら、春にタネをまけば翌年開花する。

注意点・病害虫

  1. やや砂質の土を好む。酸性土を嫌うため、石灰を施してから植え付ける。
  2. ウイルス病やうどんこ病にかかりやすい。害虫は、アブラムシがよく付く。多肥・多湿になると病虫害を受けやすくなる。

余談

  1. よく「ヤグルマソウ」と呼ばれるが、この名前は、正しくは、ユキノシタ科の、全く別の植物(学名:ロジャーシア・ポドフィラ)の標準和名なので、混同しない。
  2. 切り花やドライフラワーに最適。ドライフラワーの色は、かなりの長期間、褪せることがない。
  3. 乾燥させた花は、薬用に使われる。熱湯にたくさんの花弁を浸し、30分後にこした液を、洗眼薬や化粧水、ヘアートニックに使う。
  4. 古代エジプトのツタンカーメン王の棺に、この花で作られた花輪が置かれていた逸話は有名。

(※データ:大阪市基準)