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素人園芸解説 -私はこう育てる-

リナリア

イメージ

原産地

南ヨーロッパ・ポルトガル・北アフリカ・西アジア・イベリア半島

オオバコ科(またはゴマノハグサ科)

高さ

【一年草種】15~50cm

【多年草種】20~120cm

花期

【一年草種】12~6月

【多年草種】4~9月

形態

一年草または多年草

別名等

トードフラックス


ヒメキンギョソウ/姫金魚草/スパーレッドスナップドラゴン(いずれも一年草種)
宿根リナリア(多年草種)
(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

【一年草種】9月下旬~7月上旬の生育期は、戸外の直射日光下(越冬中は霜除けする)。

【多年草種】戸外の直射日光下(酷暑期は西日を避ける)。

水やり

土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。

【補足】茎が細く弱いため、雨に当て放題にすると倒れやすい。

肥料

【一年草種】秋の元肥の他、3~4月に、10~14日に一度の液肥、または固形肥料の置き肥。

【多年草種】4月と、9月に、固形肥料の置き肥。


【補足】いずれも、窒素(N)は控えめに。

植え付け

2月下旬~3月下旬か、10月上旬~11月中旬(秋のほうがよい)。

【補足】移植を嫌うので、根鉢を崩さない。

整姿

多年草種は、花後すぐに、2/3程度に切り戻しておく。

繁殖

【タネまき】いずれも、土はかけない。

【一年草種】…3月中旬~4月上旬か、9月中旬~10月下旬(秋のほうがよい)。

【多年草種】…3月上旬~5月上旬か、9月中旬~10月下旬。

【挿し芽】5月上旬~7月上旬(多年草種のみ可能)。

【株分け】植え替えと同時期(多年草種のみ可能だが、あまり行わないほうがよい)。

耐暑性

【一年草種】弱い。

【多年草種】わりと強い。

耐寒性

【一年草種】わりと強いが、寒地では室内が無難。

【多年草種】とても強い(-25℃)が、防寒する。

解説

  1. 日本の海辺に自生するウンランの仲間。園芸的に栽培されるのは、主にヨーロッパ産の種類である。草丈の低い一年草種と、大型になる多年草種、の二系統がある。
  2. 一年草種は、原種ビパルティタ、マロッカナ、レティクラタなどの血を引く園芸品種群が一般的。きわめて品種が多く、花色が豊富で飽きない。「ヒメキンギョソウ」の別名通り、キンギョソウをそのまま小さくしたような草姿である。
  3. 多年草種は、原種のブルガリスやプルプレア、ダルマティカなどが出回る。ブルガリスとダルマティカの花色はクリーム色~黄色だけだが、プルプレアの花色は、白、桃、紫がある。
  4. 多年草種は総じて寿命が短く、3年をめどに、タネまきなどで株を更新する。プルプレアは特に短命。ブルガリスはやや長命。

注意点・病害虫

  1. この仲間は過保護にせず、ある程度、放任栽培としたほうが、よく育つ。
  2. タネをまいた土が不潔だと、発芽後に立枯病が発生しやすい。
  3. いずれも、こぼれダネで殖えることがある。

余談

  1. 多年草種のブルガリスはハーブとしても扱われる。薬用にしたり、染料をとるらしい。しかし、現在はもっぱら観賞用。日本では寒冷地を中心に帰化している。

各種の和名・異名

  1. アルパイントードフラックス(アルピナ)
  2. マツバウンラン/松葉海蘭(カナデンシス)
  3. ウンラン/海蘭(ジャポニカ)
  4. ゲニスティフォリア変種ダルマティカ(ダルマティカの異名)
  5. スリーバーズトードフラックス(トリオルニソフォラ)
  6. ホソバウンラン/細葉海蘭/コモントードフラックス/イエロートードフラックス/エッグアンドバター(いずれもブルガリス)
  7. ムラサキウンラン/紫海蘭/パープルトードフラックス(いずれもプルプレア)
  8. ヤナギウンラン/柳海蘭(マロッカナ)
  9. パープルネットトードフラックス(レティクラタ)

(※データ:大阪市基準)