いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

クワ

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原産地

日本(沖縄除く)・東アジア・カラフト・アメリカ・アフリカ

クワ科

高さ

3~15m(種類による)

花期

4~5月

形態

落葉低木~高木

収穫期

6~7月

結実特性

【雌雄異株の種類】両方必要。

【雌雄同株の種類】2株以上あったほうがよい。


いずれも、前年枝の先端付近から伸びた新梢の基部に開花結実。

別名等

モルス(属名)/桑/マルベリー/カイバ/カイコノキ


(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

戸外の直射日光下。

【補足】耐陰性もあるが、なるべく日光に当てる。

水やり

土の表面が乾けば与える。

肥料

3月、収穫直後、12月に、固形肥料の置き肥。

植え替え

12月上旬~3月中旬(厳寒期は避けたほうがよい)。

整姿

【剪定】

冬剪定…植え替えと同時期。
不要な枝を間引き、残す枝は先端を切り戻す。

収穫後剪定…収穫直後。
実を付けた枝を、基部から1~2節残して切り戻す。


【摘果】あまり必要ないが、一箇所に多くの実が成ったら、2~4個に間引く。

繁殖

【挿し木・取り木】3月か、6月上旬~7月中旬。(発根率は低い。取り木は、若い枝に土をかぶせて発根させる)。

【接ぎ木】3月。

【タネまき】採ってすぐにまく。

耐暑性

とても強い。

耐寒性

とても強い(-20℃)。

解説

  1. いくつか種類があるが、市販の株は、種名が明示されていないことが多い。果樹としてのクワは、主に、トウグワの系統らしい。品種によって、雌雄異株のものと、雌雄同株のものがある。栽培容易。
  2. 主な品種は、白実種の「エーゲベヤズ」「スノーホワイト」「ゼルベベヤズ」、黒実種の「ビクトリア」「ポップベリー」など。
  3. 日本では、単に「クワ」というと、ヤマグワを指す。日本全土に自生する。とても生長が早く、大木になるうえ、アメリカシロヒトリなどの毛虫が付きやすいので、庭植えしないほうがよい。トウグワ系の品種は、あまり大きくならない。
  4. カイコガの幼虫の餌として使われるのは、トウグワとヤマグワの両方。一般的には、中国から導入されたトウグワが使われるらしい。
  5. 風媒花である。

注意点・病害虫

  1. 腐植質に富む肥沃な土を好む。
  2. カイコガの大好物なだけあって、しばしばイモムシ・ケムシ類の被害を受ける。特にアメリカシロヒトリの被害がすごいので注意。

収穫・利用

  1. 黒実種の果実は一度、赤く色付き、次に黒っぽく熟する。果実酒にも。
  2. 若い葉は、天ぷらなどにすれば、食用になる。桑の葉茶もおなじみ。
  3. クワは良質な木材でもあり、高級な装飾などに加工される。樹皮も、繊維質として利用できるらしい。(余談だが、和紙の原料の一つであるカジノキやコウゾも、クワ科の植物である。)

各種の和名・異名

  1. ボンビシス(異名)/ヤマグワ/山桑/シマグワ/島桑/スイートマルベリー(いずれもアウストラリス)
  2. トウグワ/唐桑/マグワ/真桑/カラヤマグワ/唐山桑/ホワイトマルベリー(いずれもアルバ)
  3. ログワ/ロソウ/魯桑(いずれもアルバ変種ムルチカウリス)
  4. ラティフォリア「スピラタ」(異名)/ウネリグワ/タイヘイグワ/コウテングワ/香篆桑/ウンリュウグワ/雲竜桑/雲龍桑/セッカングワ/節曲桑(いずれもアルバ変種ムルチカウリス「スピラタ」)
  5. シダレグワ/枝垂桑(アルバ「ペンデュラ」)
  6. クロミグワ/黒実桑/ブラックマルベリー(いずれもニグラ)

(※データ:大阪市基準)