アンズ
イメージ
原産地
中国北部~東北部
科
バラ科
高さ
3~10m
花期
3~4月
形態
落葉小高木
収穫期
6~7月
結実特性
自家結実しにくいので、二品種以上用意したほうが確実。
前年枝に開花結実。
別名等
プルヌス・アルメニアカ(学名)/プルヌス・アンス/アルメニアカ・ブルガリス(いずれも異名)/杏/杏子/カラモモ/唐桃/アプリコット
日照
戸外の直射日光下(きわめて日光を好む)。
【補足】高温に弱いため、真夏は午前中のみ日光浴させる。
水やり
土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。
【補足】裂果の原因になるので、結実中は雨に当てない。
肥料
2~3月、5月、10月に、固形肥料の置き肥。
植え替え
12月上旬~3月下旬(厳寒期は避けたほうがよい)。
【補足】根の再生力がやや弱いため、根をいじりすぎない。
整姿
【剪定】剪定に弱いので、切り口に必ず癒合剤を塗る。
冬剪定…12月上旬~2月下旬。
枝の先端を少し切り戻す程度。(徒長枝が出やすく、枝が暴れる性質なので、下手に強剪定しないほうがよい。)3年以上経った老化枝や、弱い枝、混み合った枝は間引く。短い枝に花芽がよく付くので、大切にする。
夏剪定…6月。
あまり必要ないが、枝がよく伸びるようなら、先端を摘芯する。
【摘果】5月上~中旬。
あまり必要ないが、行う場合は、葉20~30枚につき実1個に制限する。果実の間隔は、5~7cmごとに1個とする。
繁殖
【接ぎ木】2~3月、9月。(台木はウメなど。)
【タネまき】採ってすぐにまくか、乾かないよう保存して3月にまく。
耐暑性
やや弱い。
耐寒性
とても強い(-25℃)。
解説
- ウメとごく近縁の果樹で、花も果実もよく似ている。夏季に冷涼で乾燥した気候を好み、いわゆる「リンゴ地帯(東北~甲信越・中部の郊外および山間部)」でよく育つ。(下に挙げた品種名を見れば、どの地域が栽培に向くか、何となく分かる。)
- 大きく分けて、下記の二つの系統に分かれる。
- 東洋系…桃色花で、果実の酸味が強く、加工用に向く。比較的丈夫で育てやすい。主な品種は、「甲州大実」「信山丸」「信州大実」「新潟大実」「麦黄準杏」「平和」「山形3号」など。
- 西洋系…白花で、果実の甘みが強く、生食・加工の両方に向く。裂果や病気が多い。主な品種は、「ゴールドコット」「ティルトン」「ハーコット」など。
- 「信州大実」は、東洋系品種ながら、生食・加工の両方に向く。長野県で改良された品種(品種名に「信」が付くことが多い)には、同様の性質を持つものが多い。
注意点・病害虫
- 寒地向き果樹とはいえ、暖地でも栽培は不可能ではない。鉢植えにし、真夏は夜だけでも涼しく過ごさせる。
- 耐寒性は強いが、開花中に極端な低温にあうと、花が傷み、結実率が悪くなる。
- 自家結実性があるが、授粉樹があったほうが確実。なお、近縁のウメやスモモ、モモの花粉でも果実が成るので、これらの木があれば(ただし、花粉のある品種に限る)、無理して二品種用意する必要はない。裏技では、切り花の花粉を使うという手もある。花に直射日光が当たると、よく花粉が出るので、集めて人工授粉する。
- 病気は、黒星病や縮葉病、胴枯病などがある、害虫はアブラムシ、アメリカシロヒトリ、コスカシバなど。
収穫・利用
- ドライフルーツなど、果実を加工用に使う場合は、完熟して柔らかくなる直前に収穫する。
- アンズのタネは「杏仁(きょうにん)」と呼ばれ、薬用・食用に用いられる。
(※データ:大阪市基準)