キウイフルーツ
イメージ
原産地
中国の長江沿岸地域
科
マタタビ科
高さ
3~10m(つる性)
花期
5~6月
形態
落葉つる性木本
収穫期
10~11月
結実特性
雌雄異株のため、両方必要。
前年枝の中間付近から伸びた新梢の基部4~5節に開花結実。
別名等
アクティニディア・デリシオサ(学名)/アクティニディア・シネンシス(異名)/キウイ/キーウィ/キーウィフルーツ/オニマタタビ/シナサルナシ/シナマタタビ/チャイニーズグーズベリー
サルナシ/猿梨(アルグダ)
ミヤママタタビ/深山木天蓼(コロミクタ)
マタタビ/木天蓼(ポリガマ)
日照
戸外の直射日光下。
水やり
土の表面が乾けば与える。
【補足】葉が大きいので、水切れしやすい。
肥料
2~3月、6月、11月に、固形肥料の置き肥。
【補足】窒素過多になると、収穫量が減る。
植え替え
12月上旬~3月上旬(なるべく年内に済ませる)。
整姿
【剪定】
冬剪定…12月上旬~2月上旬(なるべく1月までに済ませる)。
一度結実した節より下からは発芽しないため、その部分(前回結実した節)より先の2~5芽を残して切り戻す。そうすることにより、年々結実部分が先へ伸びていくので、2~3年経ったら、その枝は付け根から切り、別の枝に結実させる。結実しなかった枝は、先端を軽く切り詰めるか、5~8芽残して切る。
先端がつる状になっていれば、その部分も切り戻し、込んだ枝は間引く。
夏剪定…7月。
結実した新梢は、7月中旬頃に摘芯し、養分を果実に集中させる。果実のない新梢も、同様に摘芯して伸びを抑え、充実させる(この場合、一枝につき葉15枚を残すようにする)。夏によく出る徒長枝(毛だらけの枝)は、早めに基部から切る。
【摘芽】4月(新枝が5~8cmくらいに伸びた頃)。
摘芽作業は必須ではないが、大きく育った成木の場合、新芽を全て伸ばさせると、うっそうと茂り、日光不足になることがある。
勢いが弱かったり、下向きに伸び出た新枝があれば、かき取っておく。主枝から直接伸び出た徒長枝があれば、これもかき取る。
【摘花】開花中。
つぼみが膨らんだら、枝の基部に近いつぼみや、付け根付近にあるつぼみを取り除く。(側花もなるべく減らし、一箇所から1~3花だけ咲かせるのがよい。)
【摘果】6月中旬~7月上旬(開花の三週間後が目安)。
葉6~7枚の短枝(短果枝)一本につき1~2個、葉10枚以上の長枝(長果枝)なら3~5個ほど残す。(長果枝の場合、果実が一列に並んで付くことになるが、このうち、最も枝の先端に近い果実と、最も基部に使い果実から、優先的に摘果する。)葉4~5枚につき実1個が目安。
摘果と同時に、結実部の先7~8節を残して摘芯し、新梢の伸びを抑制すると、よい果実ができる。
繁殖
【挿し木】3月か、6~8月。
【接ぎ木】1月上旬~3月上旬か、5月中旬~6月下旬(早春のほうがよい。年内に穂木を採取して保存しておき、春に接ぐとよい。)
耐暑性
とても強い。
耐寒性
強い(-20~-25℃)が、寒地では室内へ。
【補足】葉の付いている間は、やや耐寒性が弱い(-7℃)。
解説
- 中国原産で、ニュージーランドで品種改良が進んだ果樹である。従来は、果肉が緑色の品種ばかりだったが、最近は、より食味に優れる、果肉が黄色い品種もよく出回る。
- 果肉が緑色の品種と、黄色の品種は、開花期が違う(黄色のほうが早い)ため、花粉を提供する雄品種も、それぞれに合った品種を選ぶ。
- 代表的な品種は、果肉が緑色の「ヘイワード」である。果物店で売られているのもこれ。晩生の品種で、果実の保存性に優れる。他の緑色品種には、「香緑」「ブルーノ」などがある。組み合わせる雄品種は、「トムリ」「マツア」など。
- 果肉が黄色い品種には、「イエロークイーン」「ゴールデンキング」「ジャンボイエロー」「センセーションアップル(アップルキウイ)」「東京ゴールド」「ニュージーイエロー」などがある。やや中生で、緑色の品種よりも収穫期が早い。組み合わせる雄品種は、「早雄」「孫悟空」「マック」「ロッキー」などを。
- 最近、「果肉は黄色で、中心部だけが赤い品種」が台頭してきた。主な品種に、「紅妃」「レインボーレッド」などがある。やや早生の品種で、収穫期が若干早い。扱い方は、果肉が黄色い品種に準ずる。
- 雌雄異種のため、結実させるには両方揃える必要がある。ただし、「ニューエメラルド」という品種は例外的に、一本で結実するらしい。果肉は緑色。
- 結実には雌雄両方が必要だが、一本でもかなり大きく育ち、場所を取るのが困りもの。そんなときは、大きめの園芸店や農園などから、「雄木の花粉」を購入する、という手がある。乾燥状態で冷凍保存すれば、約一年間有効。なお、濡れたり湿気たりするとダメになるので、使用前に花粉を結露させないよう、いったん冷蔵庫に移して解凍するなど、注意を払う。
注意点・病害虫
- 耐寒性は強いが、果実の成熟期に高い温度が必要なため、暖地のほうが育てやすく、品質の良い果実がとれる。
- つる性なので、苗から育てるなら、まずしっかりした主枝をつくる必要がある。主枝にする新梢は、最初の一年間は、支柱にまっすぐ誘引し、巻きつかせないようにする。この間、主枝から伸びる側枝は、葉3~4枚を残して切り詰めておく。主枝ができれば、改めて、あんどん、トレリス、フェンスなどに誘引する。その際、つるがよく伸びることを考え、大きめのものを使用する。
- 棚仕立ては、次のような枝から構成される。まず1~2本の主枝→主枝から30~40cm間隔に出た側枝(3~4年枝)→側枝から出た1~3本の結果母枝(2年枝)→結果母枝から出た新梢の結果枝、の四種類である。主枝は、原則として、一度決まったら、別の枝に更新することはない。
- 果実が付きすぎても、あまり生理落果をしないので、放置すると木が弱り、隔年結果の原因になる。摘果は忘れずに。
- 病害虫は少ないが、地際や根にコブができる根頭がんしゅ病にかかることがある。また、マタタビと近縁の植物であるため、ごくまれに、ネコ害にあうことがある。
収穫・利用
- 果肉が緑色の品種は、樹上では完熟せず、美味しくならない。そのため、果皮が茶色くなったら収穫し、リンゴかバナナと一緒に袋に入れ、15~20℃(できれば25℃)の部屋に7~14日ほど置き、追熟してから食べる。指で軽く押してみて、少し凹むくらいが食べ頃。
- 果実がたくさんある場合は、キウイ10個につきリンゴ(またはバナナ)1~2個を使う。リンゴの品種は、エチレン放出量の多い「王林」「紅玉」がよい。なお、追熟に使うリンゴやバナナが完熟するとエチレン放出量が減ってしまうので、新鮮なものに交換するのを忘れない。面倒なら、市販の追熟剤を利用する。
余談
- 果実の雰囲気が、ニュージーランドに生息する鳥の「キウイ」に似ているため、この名が付いたらしい。
(※データ:大阪市基準)