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素人園芸解説 -私はこう育てる-

グミ

イメージ

原産地

日本・台湾・中国・朝鮮半島・ヒマラヤ・北アメリカ・ヨーロッパ南部

グミ科

高さ

2~4m

花期

【落葉性種】4~5月

【常緑性種】10~11月

形態

落葉または常緑中低木

収穫期

5~7月・9~11月(種類による)

結実特性

自家結実するが、できればシベレリンを散布したほうがよい。ビックリグミは自家結実しないので、開花期にジベレリンの散布が必要。


前年枝の節から伸びた新梢に開花結実。

別名等

エラエアグヌス(属名)/茱萸/胡頽/胡頽子/グミス/オウリアスター


(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

戸外の直射日光下。

【補足】常緑性種は耐陰性があり、多少の日陰なら耐える。

水やり

土の表面が乾けば与える。

肥料

3月と、11月に、固形肥料の置き肥。

植え替え

【落葉性種】12月上旬~3月上旬(厳寒期は避けたほうがよい)。

【常緑性種】3月上旬~4月上旬か、6月。

整姿

【剪定】ひこばえや胴吹き枝が出やすいので、見つけ次第、根元から切る。

落葉性種

冬剪定…植え替えと同時期(厳寒期は避けたほうがよい)。
不要な枝や徒長枝を切る程度。

夏剪定…7月。
長く伸びた新梢の先端を切り戻し、花芽の付きやすい枝(短枝)の発生を促す。


常緑性種…2月中旬~4月上旬と、5月中旬~8月上旬。

不要な枝や徒長枝を切る程度。

繁殖

【挿し木】2~3月か、6~9月。

【取り木】4~8月。

【接ぎ木】3月。

【タネまき】採ってすぐにまく。

耐暑性

とても強い。

耐寒性

【落葉性種】とても強い(-25℃)。

【常緑性種】やや弱く、寒地では室内が無難。

解説

  1. 落葉性種と常緑性種があり、果樹として扱われるのは、主に、落葉性のナツグミの系統である。最も一般的な「ビックリグミ」は、ナツグミの変種であるトウグミの園芸品種。
  2. 落葉~半落葉性のアキグミも、いちおう食用になる。こちらは名前の通り、秋に丸い実が成熟する。味は渋いらしい。
  3. 常緑性のグミには、斑入り葉の園芸品種があり、観賞用として植えられる。塩害や乾燥に強く、丈夫で育てやすい。代表種は、交雑種エビンゲイ(ナワシログミとマルバグミの交雑種)のうち、外斑の「ギルト・エッジ」と、中斑の「ライム・ライト」の二種類である。
  4. 常緑性のグミのうち、日本在来種であるナワシログミ、ツルグミ、マルバグミは、果実が食用になる。これらは秋に開花して、果実をつけたまま越冬し、翌年の初夏に収穫するため、やや寒さに弱い。なお、ツルグミとマルバグミはつる性である。
  5. 花には、かすかな芳香がある。なお、花弁のように見えるのはガクである。
  6. 生垣にもできる。刈り込みに強い常緑性種が適する。

注意点・病害虫

  1. ビックリグミは、自分の花粉ではほとんど実が付かないが、ジベレリンの10,000倍液を散布すると、たくさん収穫できる。花が満開のときと、その10~14日後の二回、散布する。散布は、花や幼果だけでなく、葉にもかかるように。
  2. やや砂質の肥沃な土を好む。
  3. アブラムシが付きやすい。

各種の和名・異名

  1. アサカワグミ(アサカワナ)
  2. アキグミ/秋茱萸/カワラグミ/コツブグミ(いずれもウンベラタ)
  3. マルバアキグミ/丸葉秋茱萸(ウンベラタ変種ロツンディフォリア)
  4. ツルグミ/蔓茱萸(グラブラ)
  5. ナワシログミ/苗代茱萸/ハルグミ/春茱萸/タワラグミ(いずれもプンゲンス)
  6. マルバグミ/丸葉茱萸/オオバグミ/大葉茱萸(いずれもマクロフィラ)
  7. ハコネグミ/箱根茱萸(マツノアナ)
  8. アリマグミ/有馬茱萸(ムラカミアナ)
  9. ムルチフローラ品種オルビクラタ(異名)/ナツグミ/夏茱萸/ヤマグミ(いずれもムルチフローラ)
  10. ムルチフローラ変種ホルテンシス「ギガンテア」/ムルチフローラ変種ギガンテア(いずれも異名)/ダイオウグミ/大王茱萸/ビックリグミ(いずれもムルチフローラ「ギガンテア」)
  11. トウグミ/唐茱萸/ツクシグミ(いずれもムルチフローラ変種ホルテンシス)
  12. ホソバナツグミ/細葉夏茱萸(ムルチフローラ品種ムルチフローラ)
  13. ツクバグミ/筑波茱萸/ニッコウナツグミ/日光夏茱萸(モンタナ変種オバタ)
  14. ナツアサドリ(ヨシノイ)

(※データ:大阪市基準)