スグリ/フサスグリ
イメージ
原産地
ヨーロッパ西北部・アメリカ中部~南部・北東アジア・北アフリカ
科
スグリ科(またはユキノシタ科)
高さ
0.5~1.5m
花期
4~6月
形態
落葉小低木
収穫期
6~7月・9月(種類による)
結実特性
自家結実。
前年枝の中間~先端付近から伸びた新梢に開花結実。
別名等
リベス(属名)/カラント/カーラント
グーズベリー/グースベリー(いずれもアメリカスグリと西洋スグリの総称)
ジョスタベリー(クロスグリとグーズベリーの交雑種)
(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)
日照
西日を避けた戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は50~70%遮光)。
【補足】耐陰性があり、多少の日陰なら耐える。
水やり
土の表面が乾けば与える(水切れは厳禁)。
【補足】暖地では、病気になりやすいので、雨に当てない。
肥料
3月、5月、10月に、固形肥料の置き肥。
植え替え
12月上旬~3月上旬(厳寒期は避けたほうがよい)。
整姿
高温期の乾燥を防ぐため、株元をマルチングしたほうがよい。スグリ類は枝が細いので、支柱を立てたほうが安定する。
【剪定】植え替えと同時期。
混み合った枝や弱い枝を間引く程度でよく、あまり剪定の必要はない。実を付けさせる枝は、4~5年経ったら根元から切り、新しい枝に交替させる。
繁殖
【挿し木】2~3月、6~9月(西洋スグリは発根しにくい)。
【取り木】2~3月、6~7月。
【根伏せ・根挿し】3月か、5~6月。
【株分け】植え替えと同時期。
耐暑性
弱い。
耐寒性
とても強い(-25~-35℃)。
解説
- スグリとフサスグリは雰囲気が似ているが、スグリは果実が一つずつ実るのに対し、フサスグリは複数の果実が房状にぶら下がる。
- スグリの仲間には、アメリカ原産のアメリカスグリと、ヨーロッパ原産の西洋スグリがある。アメリカスグリは比較的、耐暑性・耐病性が強く、暖地でも育つ。代表品種は「オレゴン・チャンピオン」「グレンダール」「ピックスウェル」「ホートン」など。なお、果実の味は西洋スグリのほうが優れる。
- 日本にも、長野~山梨に野生種のスグリが自生する。また、山梨以北の地域にはエゾスグリ、中部以北と四国の一部地域には、コマガタケスグリやトガスグリが自生している。いずれも果実が食用になる。
- フサスグリは、赤実種のレッドカーラント(アカフサスグリ)が一般的。その他、白実種の「シロフサスグリ」や、黒実種の「ブラックカーラント(クロフサスグリ)」がある。ブラックカーラントは、果実に独特な風味があり、リキュールのカシスの原料となる。
注意点・病害虫
- この仲間は、越冬最低温度が-25℃~-35℃と、きわめて寒さに強い反面、耐暑性の無い、あからさまに寒冷地向きの果樹である。暖地では寿命が短い。
- スグリ類には鋭いトゲがたくさんあるので、扱いに注意する。フサスグリはトゲがなく安心。
- 暖地では、うどんこ病や斑点病、胴枯病などにかかりやすいので、どうしても薬剤散布が必要になる。また、ハダニが付きやすい。
収穫・利用
- 果実は酸味が強く、生食の他、果実酒に向く。市販されることはあまりないので、生で食べたければ自分で育てる。
各種の和名・異名
- グロッスラリア(異名)/マルスグリ/丸酸塊/オオスグリ/大酸塊/セイヨウスグリ/西洋酸塊/ヨーロッパスグリ/グーズベリー/グースベリー(いずれもウバ-クリスパ)
- オーレウム(異名)/バッファローカーラント(いずれもオドラツム)
- トガスグリ/栂酸塊(サハリネンセ)
- フラワリングカーラント(サンギネウム)
- スグリ/酸塊(シナネンセ)
- コマガタケスグリ/駒ヶ岳酸塊(ジャポニクム)
- フクシアフラワードカーラント(スペシオスム)
- カシス/クロフサスグリ/黒房酸塊/クロスグリ/黒酸塊/ブラックカーラント(いずれもニグルム)
- アメリカスグリ(ビルテルム)
- サティブム(異名)/アカスグリ/赤酸塊/アカフサスグリ/赤房酸塊/レッドカーラント(いずれもブルガレ)
- エゾスグリ/蝦夷酸塊(ラティフォリウム)
- シルベストレ(異名)/フサスグリ/房酸塊/レッドカーラント(いずれもルブルム)
(※データ:大阪市基準)