いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

ザクロ

イメージ

原産地

インド北西部~ヒマラヤ・アフガニスタン~トルコ・イラン

ミソハギ科(またはザクロ科)

高さ

2~6m

花期

6~8月

形態

落葉低木~小高木(極暖地では常緑)

収穫期

9~11月

結実特性

自家結実。


前年枝(短枝)の先端付近から伸びた新梢の先端に開花結実。

別名等

プニカ・グラナツム(学名)/石榴/柘榴/ポメグラネイト


ヒメザクロ/姫石榴/ナンキンザクロ/南京石榴/チョウセンザクロ/朝鮮石榴/ドワーフポメグラネイト(いずれもグラナツム変種ナナ)
ヤエザクロ/八重石榴/ハナザクロ/花石榴(いずれもグラナツム「プレニフロラ」)
カリフォルニアザクロ(「アメリカザクロ」)

日照

戸外の直射日光下。

水やり

土の表面が乾けば与える。

【補足】結実率が悪くなるので、開花中は雨に当てない。

肥料

3月、6月、9月に、固形肥料の置き肥。

【補足】肥料が多いと結実しにくいので、早春の元肥に重点を置き、他は少なめにする。

植え替え

11月中旬~4月上旬(厳寒期は避けたほうがよい)。

整姿

【剪定】剪定を嫌うので、切り口に必ず癒合剤を塗る。

冬剪定…12月上旬~2月下旬(厳寒期は避けたほうがよい)。
徒長枝や貧弱な枝を間引く程度。(短い枝に開花結実するので、大切にする。)伸びすぎた枝は切り戻すが、先端にある花芽を減らしてしまう。

夏剪定…6~7月。
ひこばえがよく出るので、根元から切除する。太い枝の剪定は行わない。


【摘果】結実後、一箇所に複数の果実があれば、一個に制限する。

果実が色付き始めたら、袋かけを行うと、害虫や雨の害を防げる。

繁殖

【挿し木】2~3月か、5月下旬~7月下旬(直接土に挿してもつく)。

【取り木】4~8月。

【株分け】3月上旬~4月上旬(株立ち樹形の場合のみ可能)。

【タネまき】採ってすぐにまくか、乾かないよう保存して3~4月にまく。

耐暑性

とても強い。

耐寒性

わりと強い(-10℃)が、極寒地では室内へ。

解説

  1. ザクロには多くの変種・品種が存在するが、日本で入手できるものは限られている模様。
  2. 日本では、大きく分けて、果実を食用にする「実ザクロ」と、花を観賞する「花ザクロ」、矮性で鉢植え向きの「ヒメザクロ」「一歳ザクロ」の三系統がある。
    • 実ザクロ…果実を食用にする。花は一重咲きで、花色は朱赤色のみ。
      • 在来種…完熟果実が裂果し、酸味が強い。品種はほとんど無い。在来種そのものと、果実の大きい「大実ザクロ」と、果実が白い「水晶ザクロ」がある程度。
      • 西洋種…完熟果実が裂果せず、甘みが強い。品種は「アメリカザクロ」など。
    • 花ザクロ…花を観賞する。日本では、古くからザクロを観賞用の花木として扱ってきた歴史がある。花色は朱赤のほか、白や黄色、絞り咲きの品種などがあり、とても美しい。ただし、果実はできない。
    • 矮性系統…花と果実を観賞する。矮性で、花も果実も小さく、どんなに生長しても高さ2mほど。なお、「一歳ザクロ」は、ヒメザクロの園芸品種で、名前の通り、タネまき後一年以内に開花するほど生長が早い。

注意点・病害虫

  1. インド~西アジア原産の植物ながら、かなり耐寒性が強く、-15℃くらいまで耐えるらしい。
  2. この仲間はトゲ状の短枝がよく出るので、扱いに注意する。
  3. ひこばえの発生が多く、放置するとブッシュ状となり、生育が悪くなるため、発生次第、根元から切る。挿し木がとても簡単なので、切ったひこばえを挿しておくとよい。タネでもよく殖える。
  4. 実ザクロは、隔年結果の傾向があり、収穫量が安定しない。果実が成りすぎたと感じたら、摘果して減らす。
  5. アブラムシやカイガラムシ、ハマキムシが付きやすいので注意。
  6. 果皮が有毒で、食中毒の原因になるらしい。必ず剥いてから食べる。

(※データ:大阪市基準)