アケビ/ムベ
イメージ
原産地
日本・中国南部・台湾・朝鮮半島
科
アケビ科
高さ
3~10m(つる性)
花期
3~5月
形態
【アケビ】半落葉~落葉つる性木本
【ムベ】常緑つる性木本
収穫期
9~11月
結実特性
【アケビ】ほとんど自家結実しないので、2種類以上必要。
【ムベ】自家結実するが、2株以上あるほうが確実。
いずれも、前年枝の節から伸びた新梢の先端付近に開花結実。
別名等
【アケビ】アケビア・クイナタ(学名)/木通/開美/野木瓜/アキビ/キノメノミ/ハダツカズラ/チョコレートバイン
ロバータ(異名)/ミツバアケビ/三葉木通(いずれもトリフォリアタ)
ゴヨウアケビ/五葉木通/ゴハアケビ/イシアケビ(いずれもペンタフィラ)
【ムベ】ストーントニア・ヘクサフィラ(学名)/郁子/ウベ/ウンベ/トキワアケビ/ジャパニーズ・ストーントニア・バイン
日照
戸外の直射日光下(7月中旬~9月上旬は30%遮光したほうがよい)。
【補足】耐陰性があり、多少の日陰なら耐える。
水やり
土の表面が乾けば与える(水切れは厳禁)。
肥料
3月、6月、9~10月に、固形肥料の置き肥。
植え替え
【アケビ】11月下旬~3月上旬(厳寒期は避ける)。
【ムベ】3月、花後すぐ~6月下旬、9月のいずれか(3月が最適期)。
整姿
【剪定】アケビとムベで、方法が異なる。
【アケビ】
冬剪定…11~12月。
細い枝や、混み合った不要な枝を間引き、充実した枝は、5~6芽ほど残して先端を少し切る。つるの先端が巻きひげ状になっていれば、巻いていない部分まで切り戻す。
夏剪定…6~7月。
混み合っていれば、不要な枝を間引く。株元から発生した新しいつるは切り、一本立ちにする。(支柱を使わない「立ち木仕立て」にしたい場合は、主枝を2~3本にする。)
その他、春に新梢が伸び始めたら、基部から3~4芽を残し、先端を摘芯しておく。
【ムベ】…3月と、7月。
混み合った枝や不要な枝を間引く程度。巻きひげ状になった部分や、古い枝も切り戻しておく。
【摘果】いずれも、開花後1ヵ月ほど経った頃に行う。花房1つにつき、実1~2個とする。
繁殖
【挿し木・取り木】2~3月か、6~7月(取り木は、「高取り法」「盛り土法」で行うとよい)。
【タネまき】採ってすぐにまく(結実するまで5年ほどかかる)。
耐暑性
とても強い。
耐寒性
【アケビ】とても強い(-25℃)。
【ムベ】強い(-10~-15℃)が、寒地では室内へ。
解説
- アケビはアケビア属、ムベはストーントニア属と、それぞれ属の異なる植物である。しかし近縁の関係にあり、育て方や性質が似ているため、同じページにまとめた。
- アケビの仲間には、小葉が5枚の基本種のほか、小葉が3枚のミツバアケビ、両者の交雑種とされるゴヨウアケビなどがある。ミツバアケビには、「ジャンボアケビ」などの品種がいくつかある。花は房状に咲き、先端付近が雄花で、基部にある大きな紅紫色の花が雌花。花弁のように見えるのは、3枚のがく片である。熟した果実は白や黄褐色、紫色などになり、裂開する。
- ムベは、関東南部以西に自生する、暖地性の果樹である。小葉が5枚または7枚で、花は白~クリーム色。アケビと同様、花弁に見えるのは、6枚のがく片である。果実は紅紫色で、熟しても裂開しないため、アケビより格上の木とされる。若木のときは小葉が3枚のこともあり、3・5・7と葉が増えることから、縁起の良い木とされる。
注意点・病害虫
- アケビの生長は遅く、苗からはじめると、なかなか開花結実する大きさにならない。しかも、大きくなってからも、雌花が咲きにくい性質がある。ムベは比較的生長が早いものの、なかなか開花結実しない点は同じ。せっかく花が咲いても、結実せずに落ちてしまうこともしばしば。
- アケビは、5枚葉の種類と3枚葉の種類を一緒に育てると、よく結実する。
- アケビはうどんこ病にかかりやすいい。果実が冒されると、果皮の色が悪くなってしまう。
- 特に山間部において、アケビコノハの幼虫が葉を食害することがある。これの成虫は、スモモやプルーン、モモ、ナシなどの果実を一夜で台無しにする大害虫なので、近くでそのような果樹を育てている場合は必ず駆除しておく。
収穫・利用
- 両種とも、古くから栽培されてきた果樹だが、甘みが少なく、果物としておいしいとはいえない。果実酒にもできる。なお、果皮も食用になり、炒め物、煮物、漬物などに利用される。
- 春の新芽は、山菜として食べられる。苦みが気に入らなければ、水にさらす。また、葉を乾燥させてお茶にするのもよい。
- 乾燥させたアケビのつるは、カゴなどを編む材料として使われる。また、乾燥したつるを細かく切り、煎じて飲むと、利尿効果があるといわれる。
(※データ:大阪市基準)