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素人園芸解説 -私はこう育てる-

キンカン

イメージ

原産地

中国の長江南岸地域

ミカン科

高さ

1~4m

花期

5~9月

形態

常緑低木

収穫期

12~3月

結実特性

自家結実。


前年枝と、前年枝の先端付近から伸びた新梢の両方に開花結実。

別名等

フォーチュネラ・クラッシフォリア(学名)/金柑/金橘/カムクァット/ニンポウキンカン/ネイハキンカン/寧波金柑/メイワキンカン/明和金柑


(※その他の種類の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

戸外の直射日光下。

水やり

土の表面が乾けば与える。

【補足】意外と乾燥に弱いので注意。

肥料

4月、6月、8月、10月に、固形肥料の置き肥。

植え替え

3月上旬~4月中旬、6月上旬~10月下旬(春が最適期)

整姿

【剪定】あまり樹形が乱れないため、不要な枝を間引く程度。

春剪定…2月下旬~3月下旬。
前年の秋枝と、前年に結実した枝を、強めに切り戻す。混み合った部分があれば、間引き剪定する。(一カ所からたくさんの枝が出ていれば、三本くらいに制限する。)

夏剪定…6月中旬~7月上旬。
新梢が長く伸びすぎれば、初夏に切り戻せるが、翌年の花芽が減る。(短い枝は果実が付きやすいので、優先的に残す。)


【摘果】特に必要ないが、1本の枝に実3個程度に制限してもよい。

細かく制限する場合は、葉8枚につき果実1個が目安。6号鉢植えの場合、木全体で10個くらいが目安。

繁殖

【接ぎ木】2月下旬~4月上旬か、9月(台木はカラタチなど)。

【タネまき】採ってすぐにまく。

耐暑性

とても強い。

耐寒性

やや弱く(-5℃)、寒地では室内へ。

解説

  1. カンキツ類の一種として扱われるが、ミカン属(カンキツ属)ではなく、キンカン属の植物である。とはいえ、管理法は同じ。
  2. 代表種は、寧波キンカンである。他に、大実キンカン(福州キンカン)やキンズ(マメキンカン)、長実キンカン、丸実キンカンなどがある。園芸品種の「ぷちまる」も、果実が丸ごと食べられるため人気がある。
  3. 大実キンカンは、この仲間では最も耐寒性に優れる。また、キンズは、観賞専用の種類で、食用に適さないらしい。
  4. 葉に斑が入る品種も存在し、「斑入りキンカン」の名で売られている。しかし、どの種類に斑が入ったものなのか不明。

注意点・病害虫

  1. 木が小型で、枝が暴れにくいので、鉢植えのほか、狭い庭にもおすすめ。寒さにも比較的強く、-5℃まで耐え、関東地方まで地植えできる。(ただし、幼木の耐寒性は-2℃くらいが限界。)
  2. 初夏から秋にかけて、年に2~4回開花する。初期に咲いた花が十分に結実しないと、秋まで開花が続きやすい。
  3. カンキツ類と同様、新梢は、4~5月に伸びる「春枝」のほか、7月上旬~8月上旬に伸びる「夏枝」、8月中旬~9月下旬に伸びる「秋枝」がある。
  4. アブラムシ、カイガラムシ、ハダニ、エカキムシ(ミカンハモグリガ)、アゲハチョウなどが、当然のように発生する。日当たりが悪いと、害虫の発生が多くなる。

収穫・利用

  1. 生食には、「寧波キンカン」の他、タネの少ない品種「たまたま」「ぷちまる」などが適する。それ以外の種類は酸味が強いため、マーマレードやお菓子などに。
  2. 果実を急いで収穫せず、遅くまで木に付けておくと、果皮の甘みが増し、食味が良くなる。とはいえ、木が弱る原因になるのでほどほどに。煎じると咳止め薬ができることで有名。

各種の和名・異名

  1. フクシュウキンカン/福州金柑/フクジュキンカン/福寿金柑/オオミキンカン/大実金柑(いずれもオボバタ)
  2. マデュレンシス(異名)/シキキツ/四季橘/ヒメタチバナ/姫橘/マルキンカン/丸金柑/マルミキンカン/丸実金柑/四季成りミカン/カラマンシー/ラウンドカムクァット(いずれもジャポニカ)
  3. キンズ/マメキンカン/豆金柑/ヒメキンカン/姫金柑/ヤマキンカン(いずれもハインジー)
  4. ジャポニカ変種マルガリタ(学名)/ナガキンカン/長金柑/ナガミキンカン/長実金柑/ナガミキンカン/長寿金柑(いずれもマルガリタ)

(※データ:大阪市基準)