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素人園芸解説 -私はこう育てる-

パッションフルーツ

イメージ

原産地

ブラジル・パラグアイ

トケイソウ科

高さ

1.5~5m(つる性)

花期

5~6月・9~10月

形態

多年草

収穫期

7~10月

結実特性

自家結実するが、二株以上用意したほうが確実。


新梢の先端付近の節に開花結実。

別名等

パッシフロラ(属名)


クダモノトケイ/果物時計/クダモノトケイソウ/果物時計草(いずれもエドュリス)
オオミノトケイソウ/大実時計草/オオミノクダモノトケイ/大実果物時計(いずれもクアドラングラリス)

日照

4月上旬~11月上旬の生育期は、戸外の直射日光下。
越冬中は、室内の日当たり(暖地なら戸外で霜除け)。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える。越冬中は、ごく控えめに。

肥料

4~7月と、9~10月に、固形肥料の置き肥。

【補足】生長が早いので、多肥にすると茂りすぎる。

植え替え

4月上旬~9月下旬(酷暑期は避けたほうがよい)。

【補足】深植えは禁物。

整姿

生育期は、つるがよく伸びるので誘引する。(下垂したつるによく開花結実する性質がある。)


【剪定】収穫後すぐ

一度果実を付けたツルは二度と結実しないため、基部から4~6節を残して切り戻す。春に伸びたつるの基部から5節以降の節に花芽ができ、翌年に開花結実するので、つるを短く切り過ぎてはいけない。


【摘果】6~7月。

つる一本につき5~6個が目安。(大果種は一鉢で1~2個とする。)

繁殖

【挿し木・取り木】5月上旬~10月上旬。

【タネまき】4月下旬~8月上旬(発芽まで3~4週間かかる)。

耐暑性

強いが、真夏は生育が鈍る。

耐寒性

最低5℃を保つが、できれば8℃欲しい。

解説

  1. トケイソウの仲間は、花や葉を観賞する種類と、果実の収穫を目的とする種類がある。パッションフルーツはももちろん後者。果実が目的とはいえ、時計の文字盤によく似た花も美しい。
  2. 大きく分けて、果皮が紫色の系統と、黄色の系統がある。よく見かけるのは、食味が優れる紫色のほう。黄色のほうは、主にジュースなどの加工用。
  3. わざわざ苗を買わなくても、果実を食べた後のタネを採ってまけば、容易に大量の苗が得られる。

注意点・病害虫

  1. 紫色実の系統は自家結実するものが多く(一部に例外有り)、性質も丈夫で育てやすい。黄色実の系統は耐寒性に優れるが、自家結実しにくいため、紫色実の系統を授粉樹として用意し、人工授粉したほうが確実。
  2. トケイソウの仲間であるため、花がアナログ時計に似ている。長針・短針・秒針に当たる部分が雌しべの柱頭なので、人工授粉の際は、三本の先端全てに花粉を付ける。なお、雄しべは、雌しべの柱頭のすぐ下に5本、放射状に付いている。
  3. 耐寒性はそれなりにあり、-2℃が限界らしい。とはいえ、戸外での越冬はかなりの危険が伴うため、室内に入れたい。
  4. 大実トケイソウは、実の直径が15cm、長さが25cmにもなる大果種である。大きくなるので地植え向き。鉢植えなら、10号以上の大鉢で育てる。
  5. 古株ほど立ち枯れやすいので、数年おきに挿し木やタネまきなどで予備を作っておく。
  6. ハダニやコナジラミ、カイガラムシなどが付くことがある。

収穫・利用

  1. 果実が熟するまで、約60~70日かかる。完熟すると自然に落果する。果皮が少ししなびるまで完熟させると酸味が弱まる。食べる際は果実を半分に切り、スプーンなどでタネと果肉を一緒に食べる。

(※データ:大阪市基準)