いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

スモモ/プルーン

イメージ

原産地

日本~中国・アジア西部~ヨーロッパ南東部・北アメリカ

バラ科

高さ

3~10m

花期

3~4月

形態

落葉小高木

収穫期

【スモモ】6~7月

【プルーン】7~8月

結実特性

いずれも、一部品種を除き、他家結実。


いずれも、前年枝(特に短枝)に開花結実。

別名等

【スモモ】プルヌス・サリシナ(学名)/李/酸桃/プラム/巴旦杏/芭旦杏/ハタンキョウ/ハダンキョウ/ボタンキョウ/ニホンスモモ/ジャパニーズプラム

【プルーン】プルヌス・ドメスティカ(学名)/プラム/セイヨウスモモ/西洋李/ヨーロッパスモモ/コモンプラム/ガーデンプラム/ヨーロピアンプラム


ミロバラン/ミロバランスモモ/チェリープラム(いずれもセラシフェラ)
ベニバスモモ/紅葉李/ベニス/アカバザクラ(いずれもセラシフェラ「ピサルディー」)
ケルシージャパン(「甲州大巴旦杏」の別名)

日照

戸外の直射日光下(きわめて日光を好む)。

水やり

土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。

【補足】裂果のもとなので、なるべく雨に当てない。8月に乾かし気味に管理すると、花芽が付きやすくなる(ただし、乾かしすぎは危険)。

肥料

2月、4月、6月、10月に、固形肥料の置き肥。

【補足】窒素が多いと徒長しやすい。

植え替え

11月中旬~3月中旬(厳寒期は避けたほうがよい)。

【補足】1~2年に一度行う。

整姿

【剪定】剪定を嫌うので、切り口には必ず癒合剤を塗る。

冬剪定…12月上旬~2月下旬。
枝の先端を少し切り戻す程度とする。樹形を乱す長い枝は、1~2芽を残して切り戻し、短枝を出させる。

夏剪定…6月。
新梢の勢いが強ければ、先端を摘芯する。


【摘果】5月、果実が2cmほどになった頃。

長枝で2~3個、短枝で1個。(だいたい、葉15~20枚につき実1個が目安。)果実が6~20cm間隔になるように調整する。

中生種と晩生種は、摘果と同時に袋かけを行う。

繁殖

【挿し木】2~3月か、6月上旬~7月中旬。(品種によってはできない。発根しにくいが、初夏に行うと、成功率が少し高くなる。)

【接ぎ木】3月。

【タネまき】採ってすぐにまく。

耐暑性

【スモモ】とても強い。

【プルーン】わりと強い。

耐寒性

とても強い(-25℃)。

解説

  1. 市販のスモモは、早どりされているため酸味が残っているが、自分で育てて完熟させると、甘くおいしくなる。プルーンは、ドライフルーツでおなじみだが、自分で育てれば生食できる。スモモに比べて甘味は控えめ。
  2. スモモの主な品種には、「大石早生」「彩の姫(さいのひめ)」「サンタローザ」「ソルダム」「太陽」「ビューティー」「メスレー」など。このうち、「彩の姫」「サンタローザ」「ビューティー」「メスレー」は、自家結実性がある。ただし、「サンタローザ」は、できれば他品種で授粉させた方がよい。
  3. スモモには、ベニバスモモのように、葉の赤い観賞用の品種もある。花も淡桃色で美しいが、実付きは悪い。
  4. プルーンには、「サンプルーン」「シュガー」「スタンレイ」などの品種がある。主要な品種には自家結実性があり、一本でも収穫できる。
  5. プルーンのうち、ドライフルーツに加工しない品種は、単に「セイヨウスモモ」「ヨーロッパスモモ」と表記し、「プルーン」とは呼ばないようである。
  6. 若木のうちは、枝にトゲが出ることがあるが、木が成熟すると無くなる。

注意点・病害虫

  1. スモモは他家結実の品種が多く、授粉樹が必要。アンズやウメ、モモと近縁で、それらの花粉でも受粉できる。そのため、近くにそれらの木があれば、一本で収穫できる。
  2. スモモを暖地で育てると、どうしても雨や台風が問題になる。「ソルダム」「太陽」などの、収穫が8月にずれこみやすい中生種・晩生種を避け、「大石早生」「ビューティー」「メスレー」などの早生種を選びたい。
  3. プルーンは、やや耐暑性に欠けるうえ、晩生の品種が多く、どちらかというと寒地向き。暖地では鉢植えにし、風雨を避けて育てる。
  4. スモモ、プルーンのいずれも、健全な花粉ができない不完全花が多いため、摘花を行わない。
  5. スモモ「ソルダム」の果実は、ふくろみ病にかかりやすい。それ以外の品種も、果実の黒斑病に注意が必要。(「メスレー」は黒斑病に対し、抵抗性を持つ。)その他、ウイルス病や胴枯病にもかかる。
  6. 害虫は、アブラムシやカイガラムシに注意。また、近くに山林がある場合、果実が成熟してくると、夜間に吸蛾類がやってきて吸汁し、果実を腐らせるので、袋かけをしたほうがよい。

(※データ:大阪市基準)