イヨカン/ナツミカン
イメージ
原産地
日本(交雑種)
科
ミカン科
高さ
2~6m
花期
4~5月
形態
【イヨカン】常緑低木
【ナツミカン】常緑小高木
収穫期
【イヨカン】12~2月
【ナツミカン】3~6月
結実特性
自家結実。
前年の春枝と、前々年の夏枝から伸びた新梢の先端付近に開花結実。
別名等
【イヨカン】シトルス・イヨ(学名)/伊予柑/イヨミカン/伊予蜜柑/イヨタンゴール
【ナツミカン】シトルス・ナツダイダイ(学名)/夏蜜柑/ナツカン/夏柑/ナツダイダイ/夏橙
ヒュウガナツ/日向夏/土佐小夏/コナツミカン/小夏蜜柑/ニューサマーオレンジ(いずれもタムラナ)
日照
戸外の直射日光下。
水やり
土の表面が乾けば与える。
肥料
4月、6月、8月、10月に、固形肥料の置き肥、加えて、3~11月に、7~10日に一度、1500~2000倍の薄い液肥を施すとよい。
【補足】ナツミカンは生育旺盛なため、多肥にすると徒長する。
植え替え
3月中旬~4月上旬、6月、9月下旬~10月中旬のいずれか(春が最適)。
整姿
【剪定】不要な枝を間引く程度。
春剪定…3月上旬~4月上旬。
前年の秋枝と、前年に結実した枝は、強めに切り戻せる。
夏剪定…6月中旬~7月上旬。
伸びすぎれば、初夏に切り戻せるが、翌年の花芽が減る。
【摘果】6月下旬~7月下旬。
葉70~90枚(できれば100枚)につき実1個とする。
果実に袋かけをすると、防寒になってよい。
繁殖
【接ぎ木】2月下旬~4月上旬か、9月(台木はカラタチなど)。
【タネまき】採ってすぐにまく。
耐暑性
とても強い。
耐寒性
やや弱く(-5℃)、寒地では室内へ。
解説
- イヨカンは、ナツミカンとオレンジの雑種とされる。樹勢が弱く、あまり大きな木にならない。愛媛県の果樹という印象が強いが、山口県で誕生したらしい。
- ナツミカンは、ユズとダイダイの雑種とされる。樹勢が強く、かなり大きな木に育つ。果実の酸味が強いが、現在は、「甘夏(正しくは「川野夏ダイダイ」)」「新甘夏」のような、生食できる品種が主流。
- ヒュウガナツは、名前に「ナツ」と付くが、ナツミカンの仲間ではない。ミカンと文旦、またはグレープフルーツとの交雑種である「タンゼロ」と呼ばれる系統に属する。育て方はナツミカンに準じるが、自家結実しないため、ナツミカンなどの授粉樹を用意する。
- ハッサクも同様に栽培できる。が、ハッサクも自家結実しないため、やはり授粉樹が必要。ヒュウガナツとハッサクを組み合わせれば、両方結実する。
注意点・病害虫
- 樹自体の耐寒性は、それなりにある(-5℃くらいまで)。しかし、果実を付けたまま越冬させるため、低温障害を受けやすい。気温が-4℃以下になることが多い地域では、必ず防寒しないと、落果したり、実が凍って品質が著しく劣化し、食べられなくなる。
- アブラムシ、カイガラムシ、ハダニ、エカキムシ、アゲハチョウなどが、当然のように発生する。
収穫・利用
- イヨカン果実の凍害対策として、厳寒期を迎える前の、年末年始頃に収穫し、1ヵ月~1ヵ月半ほど追熟するとよい。その方が食味も良くなる。ただし、ナツミカンは樹上で完熟させたほうがおいしい。凍結しそうなら、果実に袋かけをするという手もある。
(※データ:大阪市基準)