いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

宿根アスター

イメージ

原産地

東アジア・シベリア・ヨーロッパ・北アメリカ東部~中南米

キク科

高さ

10~200cm(種類による)

花期

6~11月(種類による)

形態

宿根草

別名等

アステル(属名)/アスター/アステル/ペレニアルアスター


クジャクソウ/孔雀草/クジャクギク/孔雀菊/クジャクアスター/孔雀アスター(いずれもシロクジャク系園芸品種の総称)
(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

戸外の直射日光下。

【補足】耐陰性があるが、なるべく日光に当てる。

水やり

土の表面が乾けば与える。

肥料

3月、5月、7月、10月に、固形肥料の置き肥。

植え替え

3月上旬~4月中旬か、9月下旬~11月中旬。

【補足】鉢植えは毎年、地植えは2~3年に一度行う。

整姿

草丈を低く抑えたければ、6月中旬~7月中旬頃に高さ10~15cmまで刈り込むか、8月上旬頃までひたすら摘芯を繰り返す。(いずれにせよ開花が遅くなるので注意。)

繁殖

【挿し芽】4月下旬~7月上旬か、9月(初夏のほうがよい)。

【株分け】植え替えと同時期。

【タネまき】3月下旬~5月下旬か、9月中旬~10月中旬(秋まきすると、開花が翌々年になりがち)。

耐暑性

とても強い。

耐寒性

強い(-20~-30℃)が、防寒する。

解説

  1. 「宿根アスター」という名は、特定の植物の名前ではなく、原種アメルスやユウゼンギクなどから作出された園芸品種群の総称である。キク科アスター属(アステル属)に属する。
  2. 代表種は、切り花でおなじみのシロクジャクや、鉢花で出回るユウゼンギクなど。日本に自生するシオンやコンギク、ダルマギク、ノコンギクも同属の植物である。
  3. シロクジャクは原種ではなく、交雑品種である。長く伸びた枝の先端に咲くたくさんの花が、クジャクの飾り羽のように見えるため、この名がある。草丈の高い大型種なので、初夏に切り戻しをしないと、秋までに倒伏してしまう。
  4. なお、「クジャクアスター」は、シロクジャクを中心に、ユウゼンギクなどを交配して作られた園芸品種群の総称である。花色が豊富でよく分枝し、とても豪華に咲く。
  5. ユウゼンギクは北アメリカ原産。この仲間では最も早咲きで、初夏から咲き始める。園芸品種がとても多く、「ミケルマスデージー」の総称で知られる。シロクジャクやクジャクアスターに比べて、やや性質が弱い。
  6. シオンは、秋の風物詩で、淡紫色の小花をたくさん咲かせる。草丈が非常に高く、時に2mにも達する。根を薬用に用いる。矮性種もあるらしい。
  7. オキナワギクは、草丈がとても低く、這うように茂る。花色は白。
  8. コンギクは、野生のノコンギクを園芸化した品種で、濃青紫色や濃紅色の花が美しい。なお、ノコンギクのほうは、淡桃~青紫色まで花色に幅がある。ノコンギクについては、別ページで解説済み。
  9. ダルマギクは、大きな淡青紫色の花が美しく、昔から山野草として好まれてきた。近年は、鉢植えとしても見かける。これも別ページで解説済み。

注意点・病害虫

  1. この仲間は短日植物なので、夜間に光が当たらない場所で育てる。
  2. 通風を確保したつもりでも、すぐうどんこ病にかかるのが困りもの。放置すると花が咲かなくなるので、殺菌剤を散布する。

余談

  1. 切り花に最適だが、水あげはしっかり行う。葉が傷みやすいため、落としてから生けたほうがよい。
  2. よく似たヨメナは、カリメリス属に属し、宿根アスターとごく近縁の植物である。斑入り葉の品種がよく出回っている。育て方は同じでよい。

各種の和名・異名

  1. ギムナスター・コライエンシス/ミヤマヨメナ・コライエンシス(いずれも異名)/チョウセンヨメナ/チョウセンシオン(いずれもコライエンシス)
  2. シオン/紫苑/オニノシコグサ/鬼の醜草(いずれもタタリクス)
  3. ブッシーアスター/ライスボタンアスター(いずれもドゥモスス)
  4. トキワシオン/常磐紫苑(ニチドゥス)
  5. ネバリノギク/ニューイングランドアスター(いずれもノバエ-アングリアエ)
  6. ユウゼンギク/友禅菊/愛禅菊/ニューヨークアスター/ミケルマスデージー/ミカエルマスデージー(いずれもノビ-ベルギイ)

(※データ:大阪市基準)