いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

ダンデライオン

イメージ

原産地

北半球の亜寒帯~亜熱帯

キク科

高さ

10~30cm

花期

3~10月(種類による)

形態

多年草

収穫期

【葉】3~10月、【根】10~11月

別名等

タラクサクム/タラクサカム/タラザクム(いずれも属名)/蒲公英/クジナ/グジナ/タンポコナ/ツヅミグサ/ツヅミバナ


(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

戸外の直射日光下。

【補足】耐陰性があり、多少の日陰なら耐える。明るい日陰で育てたほうが、軟らかい葉になる。

水やり

土の表面が乾けば与える。

肥料

3~5月と、9~10月に、二週間に一度の液肥、または少量の固形肥料の置き肥(もともと雑草なので、多肥にしない)。

植え付け

3月上旬~5月下旬か、9月下旬~11月中旬、株間20cm。

【補足】移植を嫌うので、根を切らない。

整姿

すぐに雑草化するので、花が出てきたら摘み取る。

繁殖

【根伏せ・根挿し】3~6月か、9~10月。

【タネまき】3月中旬~5月下旬か、9月上旬~10月下旬。

耐暑性

とても強い。

耐寒性

とても強い(-25℃)。

解説

  1. タンポポの仲間は、北半球に広く分布する。日本にも自生があるが、食用種として扱うのは、主に、ヨーロッパ原産の西洋タンポポである。食べやすく改良されたものが「食用タンポポ」の名で出回る。野生のタンポポより軟らかく、苦味が少ない。
  2. 西洋タンポポは、今でこそ、どこにでも生えている雑草だが、本来は、食用として導入されたものらしい。
  3. 道端のタンポポを掘るのではなく、園芸店などで売られているタネを購入し、一年草野菜のつもりで、春か秋にまいてみるとよい。栽培は、きわめて簡単。
  4. タンポポの仲間は、日本在来種、西洋種を問わず、どの種類でも食用になる。いろんな種類を食べ比べてみるのも一興。
  5. 西洋タンポポと日本在来種の大きな違いは、花の下にある「外総苞片(緑色をしたガクのような部分)」の形である。西洋タンポポは、これが花に密着せずに離れており、しかも、下方または横向きに反り返る。在来のタンポポは、外総苞片が花に密着し、上を向いている。また、日本在来のタンポポは春咲きだが、西洋タンポポは、温度さえあれば一年中開花する、四季咲きである。
  6. 西洋タンポポは寒さに強く、長期間開花し続け、しかも3倍体で、単為生殖(受精を必要としない生殖)を行うため、繁殖力が強い。おまけに、3倍体でありながら在来種と交雑する。交雑種は、両親の中間的な形状が多いが、知識がないと、西洋タンポポとの見分けが付きにくい。
  7. 最近は、西洋タンポポとそっくりなアカミタンポポも、日本で勢力を伸ばしつつある。名前の通りタネが赤っぽいのが特徴。それ以外は、西洋タンポポとほとんど見分けが付かない。こちらも日本在来のタンポポと交雑しているらしい。

注意点・病害虫

  1. タンポポの仲間は根伏せ(根挿し)が容易で、引き抜いたときに、太い根が切れて土中に残ると、そこから再び芽を吹く。そのため、雑草化すると非常に厄介。

収穫・利用

  1. 若く瑞々しい葉を摘み取り収穫する。明るい半日陰で育てると軟らかい葉を長期間収穫できる。大株になったら、茂った葉を束ねて縛り、中心部の葉を軟白してもよい。アクが強ければ、水にさらしてから調理する。
  2. 花をワインに漬けるとタンポポ酒ができる。また、ハーブティーやハーブバスにも使える。
  3. タンポポコーヒーを作るには、根を細かく刻んで乾燥させ、よく煎って、粉末にし、お湯を注ぐ。このコーヒーには、カフェインが含まれない。

余談

  1. タンポポの花は、開花後10時間経つと閉じる仕組みになっているらしい。

各種の和名・異名

  1. ヤマザトタンポポ/山里蒲公英(アラキイ)
  2. ミヤマタンポポ/深山蒲公英/タテヤマタンポポ/立山蒲公英(いずれもアルピコラ)
  3. シロウマタンポポ/白馬蒲公英(アルピコラ変種シロウメンセ)
  4. シロバナタンポポ/白花蒲公英(アルビドゥム)
  5. キバナシロタンポポ/黄花白蒲公英(アルビドゥム品種スルフレウム)
  6. セイタカタンポポ/背高蒲公英(エラツム)
  7. オオヒラタンポポ/大平蒲公英(オヒレンセ)
  8. セイヨウタンポポ/西洋蒲公英/ショクヨウタンポポ/食用蒲公英/ダンデリオン/ダンデライオン/フェアリークロック(いずれもオフィシナレ)
  9. ツクシタンポポ/筑紫蒲公英(キウシアヌム)
  10. ケイリンシロタンポポ(コレアヌム)
  11. シコタンタンポポ/色丹蒲公英(シコタネンセ)
  12. カンサイタンポポ/関西蒲公英(ジャポニクム)
  13. ケンサキタンポポ/剣先蒲公英(セラトレピス)
  14. オクウスギタンホポ/奥薄黄蒲公英/ナンブシロタンポポ/南部白蒲公英(デヌダツム)
  15. トガクシタンポポ/戸隠蒲公英(トガクシエンセ)
  16. クモマタンポポ/雲間蒲公英(トリゴノロブム)
  17. キビシロタンポポ/吉備白蒲公英(ヒデオイ)
  18. ウスジロカントウタンポポ/薄白関東蒲公英(プラティカルプム品種アルボフラベッセンス)
  19. カントウタンポポ/関東蒲公英(プラティカルプム変種プラティカルプム)
  20. シナノタンポポ/信濃蒲公英(プラティカルプム亜種ホンドエンセ)
  21. オキタンポポ/隠岐蒲公英(プラティカルプム亜種マルヤマヌム)
  22. ロンゲアッペンディクラツム(異名)/トウカイタンポポ/東海蒲公英/ヒロハタンポポ/広葉蒲公英(いずれもプラティカルプム変種ロンゲアッペンディクラツム)
  23. クシバタンホポ/櫛歯蒲公英(ペクティナツム)
  24. ベヌスツム(異名)/エゾタンポポ/蝦夷蒲公英(いずれもホンドエンセ)
  25. モウコタンポポ/蒙古蒲公英(モンゴリクム)
  26. ヤツガタケタンポポ/八ヶ岳蒲公英(ヤツガタケンセ)
  27. タカネタンポポ/高嶺蒲公英/ユウバリタンポポ/夕張蒲公英(いずれもユパレンセ)
  28. アカミタンポポ/赤実蒲公英/キレハアカミタンポポ/切葉赤実蒲公英(いずれもラエビガツム)

(※データ:大阪市基準)