いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

ハス/チャワンバス

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原産地

アジアの温帯~熱帯・インド・オーストラリア北部・南北アメリカ

スイレン科

高さ

30~80cm(水上部分)

花期

6~8月

形態

宿根草または春植え球根

別名等

ネルンボ・ヌシフェラ(学名)/ネルンボ・ロータス(異名)/蓮/ハチス/蜂巣/トバス/レンゲ/ハナハス/ツユキグサ


キバナハス/アメリカンロータス(いずれもルテア)

日照

戸外の直射日光下(きわめて日光を好む)。

水やり

一年中、鉢を水に沈めておくか、水の漏れない容器に直接土を入れて植える(水深は10~20cm程度)。

【補足】最初から水深が深いと生育が悪くなるので、まず3cm程度から始め、葉の生長とともに、徐々に深くする。
真夏は水温が上がりやすいので、なるべく水深を深めに。特に真夏は、すごい勢いで水を吸い上げるので、水切れしやすい。

肥料

4~9月に、固形肥料の置き肥(必ず土中に埋め込む)。

【補足】水中では肥料の分解が早いので、一度に施す量は少なめとし、回数を多くするのがコツ。有機質肥料が適するが、与えすぎると腐敗し、新葉や根を傷めるので注意。
施肥が過剰になると、アオミドロなどがはびこり、水が汚れる。肥料が切れると、開花も途切れる。

植え替え

3月上旬~4月上旬。

【補足】1~3年に一度行う。深植え・遅植えは絶対禁止。地下茎が長いと植えにくいが、必ず先端の芽だけは土中に入るようにする(先端以外は土から露出してもよい)。

整姿

枯れた葉は、まめに取り除く。

繁殖

【株分け】植え替えと同時期(2~3節以上付けて、地下茎を切り分ける)。

【タネまき】4~6月。(種皮が硬いので、へこんでいる側の先端部を、わずかにタネの中が見える程度に削り、きれいな水に沈めておくと、数日で発芽する。タネを沈めた水が汚れたら、こまめに換え、根が出てきたら土に植える。)

耐暑性

とても強いが、水温の上昇に注意。

耐寒性

最低0℃を保つ。

【補足】越冬も水中で行うが、水を強く凍らせない。地下茎が凍ると傷む。

解説

  1. 誰もが知る花ながら、原産地については諸説あり、定かでないらしい。原種のヌシフェラとルテアをもとに、すぐれた品種が多く作出されている。環境さえ整っていれば栽培容易。
  2. 大型種・中型種・小型種まである。庭に大きな池がなければ、大型種は諦める。育てやすいのは小型種のチャワンバスや、中国産の「碗蓮(わんれん)」呼ばれる品種群など。
  3. チャワンバスは、最も小型のハスだが、名前に反し、茶碗で育てるのは無理である。洗面器なら何とかなる。小型の品種は、昔は「八重茶碗蓮」くらいしか選択肢が無かったが、最近は碗蓮も含め、いろんな品種が流通している。
  4. 植え付け後、最初は小さな浮き葉(水面に浮かぶ葉)が数枚出て、除々に立ち葉(水面より上に伸び上がる葉)が増える。水温が上がるにつれて生育が活発になり、次々に花が咲く。秋になると、また葉が小さくなり、晩秋に全て枯れ、その年の生育を終える。地下では新しい蓮根が太っている。
  5. 有名な「大賀ハス」は、1951年に千葉県検見川の泥炭層(地下6mの位置)から発見された、2000年以上前のハスである。現代のハスとは形質が少し異なり、栽培は難しいとされる。今日、よく「大賀ハス」の名で、タネや蓮根が売られているが、それは、現代のハスとの交雑個体で、純粋な「大賀ハス」ではない。

注意点・病害虫

  1. 池に植えるのが理想的だが、中~小型種なら、鉢植えにし、ポリバケツなどに沈めて育てることもできる。その場合、鉢の大きさは、最低でも8号以上の大鉢とする。(碗蓮は6号から。)
  2. 大きめの水鉢に土を入れて直接植え込むのもよい。水鉢の大きさは直径30cm以上が理想。深さも同じくらい欲しい。
  3. ただし、水鉢が大きいほど重くなり、その後の移動が大変である。また、鉢植えにした場合よりも、植え替え作業が重労働となるので、それなりに覚悟が必要。できれば陶器製の水鉢ではなく、プラスチック製の丸型プランター(水抜き栓の付いたもの)に植え込んだほうが楽。(ハスの根茎は鉢壁に沿って伸びるため、角形プランターは使用不可。)
  4. 植える用土は、荒木田土が最適だが、水に浸けても浮かばない、粘土質の重い土なら何でもよい。赤玉土の微細粒なども使える。土が決まったら、堆肥か腐葉土を二割ほど投入し、苦土石灰も小量混ぜておく。
  5. 与える肥料は、有機質肥料が一般的。水中では肥料成分の分解が早いので、与えすぎないよう注意する。煮干しなど、水生動物の死骸に由来する有機物を与える人が多いが、市販の肥料でも問題なく育つ。
  6. 水が腐ったり、ボウフラが発生したりするので、夏は頻繁に水を入れ替える。また、アオミドロが発生したら、すぐに取り除く。珪酸塩白土(商品名「ミリオン」)を網袋などに詰めて沈めておくと、水が腐らないのでおすすめ。
  7. 一重咲き種はよくタネができるが、ハスは非常に交雑しやすく、タネから育てても、親と同じ花が咲くとは限らない。
  8. 蓮根が腐る病気があるので、扱うときは、傷を付けないよう注意し、オーソサイドなどで殺菌してから植える。
  9. アブラムシが付きやすいが、なるべく薬剤は使わず、ホースの水圧で虫を吹き飛ばすようにする。特に、魚を一緒に飼っている場合は、絶対に薬剤を使ってはいけない。
  10. どうしても薬剤を使いたい場合は、葉の撥水性を失わせる乳剤や水和剤、エアゾール剤などを避け、浸透以降性の粒剤を使う。

余談

  1. お盆の時期になると切り花や切り葉が出回るが、水あげが悪く、日持ちしない。ただ、根が付いている状態でも花持ちは悪く、せいぜい3~4日で散ってしまう。

(※データ:大阪市基準)