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素人園芸解説 -私はこう育てる-

バーベナ

イメージ

原産地

アジア・ヨーロッパ・北アフリカ・ブラジル・アメリカの熱帯~亜熱帯

クマツヅラ科

高さ

10~100cm(種類による)

花期

4~11月(種類による)

形態

多年草または一~二年草

別名等

バーベナ・ヒブリダ(園芸品種群の学名)/ビジョザクラ


(※その他の種類の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

戸外の直射日光下。(7月中旬~9月上旬は30~50%遮光したほうがよい。越冬中は霜除けする。)

水やり

土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。

【補足】病気のもとなので、なるべく雨に当てない。

肥料

3月下旬~7月中旬と、9月上旬~10月下旬に、二週間に一度の液肥、または少量の固形肥料を置き肥。

【補足】少なめの肥料を長期間効かせるのがコツ。切り戻しをしたら、直後に追肥する。

植え替え

4月上旬~5月下旬か、9月中旬~11月上旬(春のほうがよい)。

【補足】2~3年に一度行う。

整姿

伸び過ぎれば、生育期に、1/2~1/3程度まで切り戻す(酷暑期は避ける)。蒸れやすいので、梅雨入り前に必ず切り戻しておく。

繁殖

【挿し芽】4月下旬~7月下旬か、9月上旬~10月中旬(水挿しも可能)。

【株分け】植え替えと同時期(地面に付いた茎からも発根するので、適当に切り分ける)。

【取り木】4月下旬~7月下旬(若い茎の途中を土に埋め、発根させる)。

【タネまき】3月下旬~5月中旬か、9月上旬~10月下旬。
(種類によっては嫌光性らしいので、きちんと覆土する。発芽まで二~三週間かかるので、乾かさない。発芽処理されていないタネは、まく前に布に包んで一晩水に浸し、よく流水で洗ってからまく。市販のタネは、洗わずに、そのまままける。)

耐暑性

【実生系】やや弱い。

【宿根系】強い。

耐寒性

【実生系】やや弱く、寒地では室内へ。

【宿根系】強い(-25℃)が、極寒地では室内が無難。

解説

  1. バーベナの仲間は、タネから育てて一年草扱いする「実生系」品種と、主に挿し芽で増やし、多年草扱いする「宿根バーベナ」の二つに分かれる。いずれも品種が多く、草丈は、高性~矮性種までさまざま。花色が豊富。
  2. 実生系の品種は、暑さ寒さにやや弱い傾向があるが、タネから簡単に育てられる。「美女桜」の名で知られる原種ホルテンシスの血を引く品種群が代表的である。
  3. 宿根バーベナは、主に、原種のテネラを中心に品種改良されてきたらしい。概して耐暑性・耐寒性が強く、丈夫で育てやすい。葉の形は、コスモスのように切れ込みが深く入る「単葉系」の品種と、切れ込みがなく葉の縁がギザギザになる「複葉系」の品種がある。
  4. 最近は、「花手毬」「タピアン」など、ほふく性の宿根バーベナに人気が集まっている。グラウンドカバーにもよい。株が古くなると、下葉から枯れ上がってくるため、挿し芽や株分けなどで更新する。
  5. 宿根バーベナの改良親の一つである原種のリギダは、地下茎でもよく殖える。なお、リギダには「宿根バーベナ」という別名があるが、園芸上は、単に「宿根バーベナ」といえば、上記のような、改良の進んだ園芸品種群全体を指す。
  6. また、「美女桜」という名称も、交配の進んだ華やかな園芸品種群の総称として使われる。が、狭義では、原種ホルテンシスの和名である。
  7. 原種の一つ、ボナリエンシスは、「三尺バーベナ」の和名の通り、とても草丈が高い(「一尺」は30.3cm)。淡紫色の花は、とても小さいが固まって咲き、群植すると見映えがする。こぼれダネでもよく殖える。草丈が半分くらいの矮性品種もある。
  8. 「バーベイン」の名で知られる原種オフィシナリスは、ハーブとして扱われる。とても丈夫で育てやすいが、白い小花は地味で観賞価値が低いうえ、すぐ雑草化するのが困りもの。

注意点・病害虫

  1. 酸性の土を嫌うので、石灰を施してから植え付ける。
  2. タネの皮に発芽抑制物質が含まれるので、よく洗い流してからまかないと、発芽率が悪くなる。市販のタネは発芽処理済みなので、洗う必要はない。
  3. バーベナの仲間は、うどんこ病に弱い。宿根バーベナ系の品種は、うどんこ病に耐性を持つものが多い。
  4. ハダニやコナジラミが付きやすいので注意する。

余談

  1. バーベイン(オフィシナリス)の利用法は、ハーブティーやハーブバス、ヘアトニックなど。素人療法はおすすめしない。妊婦の使用は絶対禁止。

各種の和名・異名

  1. クマツヅラ/バーベイン/バベンソウ/馬鞭草/ホリーワート(いずれもオフィシナリス)
  2. ハナガサソウ/花笠草(カナデンシス)
  3. ヒメビジョザクラ/姫美女桜(テネラ)
  4. アレチハナガサ/荒地花笠(ブラジリエンシス)
  5. カマエドリフォリア/カマエドリオイデス(いずれもペルビアナの異名)
  6. パタゴニカ(異名)/タチバーベナ/三尺バーベナ/ヤナギハナガサ/柳花笠(いずれもボナリエンシス)
  7. ビジョザクラ/美女桜(ホルテンシス)
  8. アルピナ/テネラ変種マオネッティー(いずれもマオネッティーの異名)
  9. ベノサ(異名)/宿根バーベナ/バーベイン(いずれもリギダ)

(※データ:大阪市基準)