ホオズキ

解説

1. 夏の風物詩の一つである。地植えすると、地下茎が伸び、勝手に広がっていく丈夫な植物。袋状の部分はガク(宿存萼)で、この中に丸い果実が入っている。
2. 果実が大きい「丹波ホオズキ」や、草丈の低い「三寸ホオズキ」などの品種がある。市販の鉢植えは、品種名を明示していないが、「丹波ホオズキ」が多いらしい。
3. ヨウラクホオズキは、ホオズキの変種で、ガクが袋状にならず、トウガラシのような細長い形をしており、たくさんかたまって結実する。ガクの色は、普通のホオズキと同じ、橙色である。
4. 北海道を除く日本各地に帰化している「千成ホオズキ」は、ペルー原産の一年草。淡黄色の花を咲かせ、小さな果実をたくさん付けるが、緑色のままで、色付かない。もともとは観賞用だったらしい。

注意点・病害虫

1. ホオズキの果実は食用にならない。甘みがある「食用ホオズキ」は、ホオズキと同属の植物だが、種類が違うので、惑わされない。食用ホオズキについては、別ページで解説済み。
2. ナス科植物なので、連作は禁止。
3. ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)が葉を食べるので、駆除する。益虫のテントウムシとは違う虫なので、遠慮は無用。また、タバコガの幼虫も、葉をかじったり、果実に穴を開けて中に入ることがある。
4. また、ホオズキカメムシが茎にびっしり付き、汁を吸っていることがある。放置しても大きな害はないが、見た目に気持ち悪く、触ると悪臭を発するので駆除する。成虫は茶褐色だが、幼虫は白い粉を吹いている。

余談

1. 民間薬として、根茎を乾燥させて煎じたものを、咳止め、利尿、解熱などに用いる。昔は、堕胎にも用いた。いうまでもなく素人療法は厳禁。
2. ドライフラワーにもできる。
3. 最近出回りだした黒実のホオズキは、和名を「オオセンナリ」といい、ホオズキとは別属(ニカンドラ属)の一年草である。淡青紫色の花が美しく、観賞用に適する。日本各地に帰化している。