いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

ゲラニウム

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原産地

世界の温帯

フウロソウ科

高さ

5~80cm(種類による)

花期

4~9月(種類による)

形態

多年草または宿根草

別名等

フウロソウ/風露草/フウロウソウ


(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。

【補足】耐陰性があるが、なるべく日光に当てる。

水やり

土の表面が乾けば与える。

【補足】過湿にすると根腐れしやすいが、水切れにも弱い。

肥料

3~6月と、9~10月に、少量の固形肥料を置き肥。

植え替え

3月上旬~4月中旬か、9月中旬~11月中旬。

【補足】根詰まりしやすいため、1~2年に一度行う。

整姿

真夏に株元をマルチングし、地温の上昇から守ると夏越ししやすくなる。枯れた下葉はまめに取る。

繁殖

【タネまき】3月中旬~5月上旬か、9月上旬~10月下旬(種皮が硬いので、少し傷を付けてからまく)。

【株分け】植え替えと同時期。

【根伏せ・根挿し】3月(太い根をぶつ切りにし、上下を間違えないように植え付けて、芽を出させる)。

【挿し芽】4月下旬~6月上旬か、9月下旬~10月中旬。(種類によってはできない。花の咲いたことのない、若い茎を挿し穂に使う。)

耐暑性

やや弱い。

耐寒性

とても強い(-25~-30℃)が、極寒地では防寒する。

解説

  1. この仲間は日本にも自生し、古くから山野草として栽培されてきた。近年は、種間交配などにより園芸品種が増え、一般的な草花になりつつある。
  2. 草姿が種類によって異なり、「地面から多くの短い茎を出してブッシュ状に茂るもの」「長い茎が立ち上がり、低木状に育つもの」「茎が地面をほふくし、マット状に広がるもの」がある。
  3. また、「冬に地上部が全部枯れる種類」「冬でも葉が残る種類」「一年草タイプの種類」にも分けられる。ここでは主に、多年草・宿根草タイプの種類を対象としている。
  4. 日本産の代表的な種類には、アサマフウロ、エゾフウロ、イヨフウロ、グンナイフウロ、チシマフウロ、ビッチュウフウロ、ミツバフウロなどがある。変種も多く、アサマフウロの変種にはツクシフウロ、エゾフウロの変種にはイブキフウロ、オガフウロ、ハクサンフウロ、ハマフウロなど、イヨフウロの変種にはカイフウロ、ヤクシマフウロ、ヤマトフウロなど、ミツバフウロの変種にはタカオフウロ、ホコガタフウロなどがある。
  5. 薬用植物として有名なゲンノショウコも同じ仲間である。日本産の種類としては、最も栽培容易な部類に入る。別ページで解説済み。
  6. 日本産の原種の一つに、「ヒメフウロ」という種類がある。これは一年草で、茎葉に塩を焼いたような異臭を持つことから、「シオヤキソウ」「シオヤキフウロ」という別名を持つ。なお、近縁のエロディウム属にも、同じ「ヒメフウロ」という名前の植物があって、ややこしい。この両種は、和名が同じでも、全く別の植物である。
  7. 外国産の種類には、丈夫で育てやすいアケボノフウロや、濃赤紫色の花を咲かせるクロバナフウロ、花が絞り咲きになるシボリザキフウロ、小型種のダルマティクム、シネレウム、葉が肉厚のレナルディーなどがある。比較的古くから知られる「ジョンソンズ・ブルー」は、プラテンセ系の交配種。最近は、外国で作出された新しい品種が次々と日本に導入されている。
  8. アメリカフウロは北アメリカ原産の一年草。現在は日本全国に帰化している。雑草化に注意。
  9. 比較的耐暑性が強く、暖地でも育てやすい種類としては、アケボノフウロ、クロバナフウロ、カンタブリギエンセ、シネレウム、シルバティクム、ダルマティクム、プラテンセ、レナルディー、「ジョンソンズ・ブルー」などがある。(中でも、アケボノフウロは最も性質が強い。)いずれも丈夫で、半日陰でも育つ。

注意点・病害虫

  1. 草丈のわりに根張りがよく、小さな鉢で栽培すると水切れしやすい。また、思いのほか大きく育つ種類が多い。花壇などに苗を植える際は、株の周囲に十分なスペースを確保する。
  2. この仲間は、基本的には丈夫で育てやすいが、高温多湿に弱い傾向がある。夏が厳しい暖地では、山野草専用土など、水はけのよい土を使って鉢植えにする。
  3. アブラムシやコガネムシに注意。

各種の和名・異名

  1. ハクサンフウロ/白山風露(エゾエンセ変種ニッポニクム)
  2. チシマフウロ/千島風露(エリアンツム)
  3. グンナイフウロ(エリオステモン変種レイニー)
  4. タカネグンナイフウロ(エリオステモン変種レイニー品種オノエイ)
  5. スタップフィアヌム変種ロゼウム(オリエンタリチベチクムの異名)
  6. アメリカフウロ(カロリニアヌム)
  7. タチフウロ(クラメリ)
  8. アケボノフウロ/曙風露(サンギネウム)
  9. サンギネウム変種ランカストリエンセ(サンギネウム変種ストリアツムの異名)
  10. イヨフウロ/伊予風露/シコクフウロ/四国風露(いずれもシコキアヌム)
  11. カイフウロ(シコキアヌム変種カイモンタヌム)
  12. ヤクシマフウロ/屋久島風露(シコキアヌム変種ヨシイアヌム)
  13. シネレウム変種スブカウレッセンス(スブカウレッセンスの異名)
  14. ソボリフェルム(異名)/アサマフウロ/浅間風露(いずれもソボリフェルム変種ハクサネンセ)
  15. バルカンフウロ(ダルマティクム)
  16. ゲラニウム・ネパレンセ亜種ツンベルギー(異名)/ゲンノショウコ/現の証拠/ミコシグサ/ネコアシ/ネコグサ/イシャイラズ(いずれもツンベルギー)
  17. アネモニフォリウム(パルマツムの異名)
  18. グランディフロルム/ミーボルディー(いずれもヒマラエンセの異名)
  19. クロバナフウロ/黒花風露(ファエウム)
  20. アルメヌム(プシロステモンの異名)
  21. ノハラフウロ/メドウクレーンズビル(いずれもプラテンセ)
  22. シボリザキフウロ/絞咲風露(プラテンセ「ストリアツム」)
  23. ボヘミカム(ボヘミクム)
  24. ビッチュウフウロ/備中風露(ヨシノイ)
  25. ヒメフウロ/姫風露/シオヤキソウ/塩焼草/シオヤキフウロ/塩焼風露(いずれもロベルティアヌム)

(※データ:大阪市基準)