シュウメイギク
イメージ
原産地
日本(本州~九州)・台湾・ヒマラヤ・中国の湖北省・四川省・雲南省
科
キンポウゲ科
高さ
30~80cm(種類による)
花期
8~11月
形態
多年草
別名等
アネモネ・フペヘンシス変種ジャポニカ(学名)/秋明菊/秋冥菊/キブネギク/貴船菊/秋牡丹/秋芍薬/加賀菊/越前菊/ボタンキブネギク/牡丹貴船菊/ジャパニーズアネモネ
シリンドリカ(異名)/ハルザキシュウメイギク/春咲秋明菊(いずれもバージニアナ)
タイワンシュウメイギク/台湾秋明菊(ビチフォリア)
ヒメシュウメイギク/姫秋明菊(矮性品種の総称)
日照
戸外で0~30%遮光(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
水やり
土の表面が乾けば与える(水切れは厳禁)。
【補足】乾燥地では白絹病が出やすい。
肥料
3~6月と、花後すぐに、固形肥料の置き肥。
植え替え
2月下旬~6月上旬か、11月上旬~12月中旬(早春が最適期)。
【補足】根がよく張るので、なるべく毎年行う。根茎腐敗病を防ぐため、浅植え気味にする。
整姿
地温の上昇と乾燥に弱いので、夏に株元をマルチングする。
繁殖
【株分け】植え替えと同時期(春のほうがよい)。
【根伏せ】3~4月か、10~11月(太い根を5cmほどに切り、清潔な土に植え付けて芽を出させる。)。
【タネまき】採ってすぐにまく(不稔性の種類が多いが、もしタネができたら、綿毛を取り除いてからまく)。
耐暑性
やや弱い。
耐寒性
とても強い(-20~-30℃)が、強く凍らせない。
解説
- 球根植物として知られるアネモネの仲間である。アネモネ属の植物は、大きく分けて、
- 地下に根茎を持ち、早春に萌芽・開花、初夏~夏まで休眠、秋~冬は土中で生育する系統
- 地下に塊茎を持ち、春~初夏に開花、夏は休眠、秋~冬に萌芽・生育する系統
- ほぼ常緑性で、春~晩秋まで生育し、秋に開花する系統
- 学名は「アネモネ・フペヘンシス」だが、日本に自生しているシュウメイギクは、フペヘンシス変種ジャポニカという種類である。園芸上、単に「シュウメイギク」というと、この変種のほうを指す。半八重の淡紅色花を咲かせる。
- 京都の貴船の里一帯に自生が多かったことから、「貴船菊」の名でも知られる。本来は日本原産ではなく、帰化植物らしい。
- きわめて品種が多く、花色は白~桃~紅までいろいろ。一重咲きのほか、八重咲きもある。
- 草丈が高くなるのが難点だったが、最近は、草丈が30~60cmくらいの矮性種が出ている。
- 一般的に出回る品種の多くは、主にヨーロッパで改良された交配種で、他の原種アネモネ(トメントサやビチフォリアなど)の血が混じっており、純粋なシュウメイギクではない。イギリスでは、それらの交配種を「ジャパニーズアネモネ」と総称するらしい。
- 太い根のあちこちから不定芽を出し、群落を作る性質がある。落葉樹の下などに地植えすると見事。
- キンポウゲ科植物なので、花弁のように見えるのは、ガクである。
- ハルザキシュウメイギクは、シュウメイギクの春咲き種ではなく、別種の植物である。一重の白花を咲かせる。
注意点・病害虫
- やや高温多湿を嫌い、冷涼地のほうがよく育つ。暖地では、夏に立枯病が出やすい。
- 矮性種以外は大型に育つため、鉢植えにするなら、6号鉢以上の大鉢を用いる。できれば地植えがよい。水はけ・水もちのよい肥沃な土を好む。なお、基本種のアネモネ・フペヘンシスは、砂質の土を好む。
- 酸性の土を嫌うため、石灰を施してから植え付ける。自然の状態では、石灰岩地帯に多く自生する。
- 病気はうどんこ病や白絹病、害虫はアブラムシやセンチュウ、ハダニの被害を受ける。
- 汁液に触れるとかぶれることがある。
余談
- 茶花としてもおなじみ。ただ、水あげはあまりよくない。
(※データ:大阪市基準)