マツバギク
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原産地
南アフリカのケープ地方・ナミビア
科
ハマミズナ科(またはツルナ科)
高さ
5~40cm
花期
4~10月(種類による)
形態
多年草または常緑半低木
生育型
夏型または冬型
別名等
松葉菊/台湾菊/サボテンギク
(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)
日照
4月中旬~11月上旬の生育期は、戸外の直射日光下。
越冬中は、室内の日当たり(暖地なら戸外で霜除け)。
【補足】日光が当たらないと花が開かないので、日陰で育てない。
水やり
生育期は、土の表面が乾いて1~2日後に与える(多肉植物なので、乾き気味に管理)。越冬中は、ごく控えめに。
【補足】耐暑性があるとはいえ、真夏は根や下葉が腐りやすいので、かなり乾き気味にする。
肥料
4~9月に、月に一度の液肥(多肥にしない)。
植え替え
3月下旬~5月上旬か、9月中旬~10月下旬(春のほうがよい)。
【補足】1~2年に一度行う。植え替え後、数日経ってから水やりを再開する。
整姿
伸び過ぎれば、春か秋に、適宜切り戻す。
繁殖
【挿し芽】4月中旬~10月上旬。(直接土に挿してもつく。種類によっては、挿しても活着しないものがある。)
【株分け】植え替えと同時期。
耐暑性
強い。
耐寒性
やや弱く(-3℃)、暖地以外では室内へ。
【デロスペルマ・クーペリ】とても強い(-30℃)が、極寒地では室内へ。
解説
- この仲間は「メセン類」の一種である。メセン類には、茎葉が高度に多肉化した「玉型メセン(球形メセン)」と、茎葉が薄めで、主に花を観賞する「花ものメセン」があり、マツバギクは後者に属する。
- 「マツバギク」という名前は、ある特定の植物の名ではなく、主に、ハマミズナ科(またはツルナ科)デロスペルマ属とランプランサス属に属する、複数の植物群を指す総称である。
- ランプランサス属の主な種類には、スペクタビリスやオーレウス、バリアビリス、ロゼウスなどがある。花色は、種類によって、橙、赤、紅紫色などがある。一季咲きで、開花期は春が多い。
- 最強のマツバギクは、デロスペルマ属のクーペリである。別名を「花嵐山(はならんざん)」「麗晃(れいこう)」といい、きわめて耐寒性が強い。極寒地でない限り、戸外で問題なく越冬できる。花期も長く、4~10月まで断続的に開花する。潮風にも強い。花色は濃桃色。
- デロスペルマ属の、クーペリ以外のマツバギクとしては、ヌビゲヌム、「細雪」「沙座蘭(さざらん)」「花御室(はなおむろ)」「雷童」などがある。「美光」以外は半耐寒性なので、暖地以外は室内で越冬させる。(「美光」は耐寒性が強い。)こちらは春のみ開花。
- いずれの種類も、夜は花が閉じている。とても日光を好む植物。
注意点・病害虫
- デロスペルマ属のうち、小型種のスパルマントイデスは高温多湿に弱い。
余談
- マツバギクに似た雰囲気の「ベビーサンローズ」は、アプテニア属の植物で、別名「花蔓草(ハナヅルソウまたはハナヅルクサ)」と呼ばれる。花はマツバギクより小さく、葉の幅が広い。斑入り葉の「花蔓草錦」もある。育て方はマツバギクと同じだが、やや寒さに弱く、暖地以外では室内で越冬させる。
各種の和名・異名
- 旭峰(セファロフィルム・アルストニー)
- 舞獅子(セファロフィルム・ピランシー)
- 美光(デロスペルマ・アベルディーネンセ)
- 雷童(デロスペルマ・エキナツム)
- 花御室(デロスペルマ・カロリネンセ)
- 麗晃/花嵐山/耐寒マツバギク/耐寒性マツバギク(デロスペルマ・クーペリ)
- 沙座蘭/サザラン(デロスペルマ・サザーランディー)
- 金烏菊/オレンジムーン(いずれもランプランサス・アウレウス)
- 紫宝(ランプランサス・ツァイヘリ)
- オスクラリア・デルトイデス(異名)/琴爪菊(いずれもランプランサス・デルトイデス)
- 後涼菊(ランプランサス・ハワーシー)
- ムルチラディアツス(異名)/飛香菊(いずれもランプランサス・ロゼウス)
(※データ:大阪市基準)