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素人園芸解説 -私はこう育てる-

べと病

糸状菌による病害。病名の由来は、「病斑部分が腐ってべとべとになる」ことから。気温15~28℃で多湿になると発病するとされ、特に20~24℃のときに多い。
病原菌は一種類ではなく、複数あり、菌型によって、寄生する植物の種類が微妙に異なる。葉に1時間以上水滴が付いてなければ、植物内に侵入できないらしい。

発生時期

3~10月(酷暑期は一時的に減る。)

被害箇所

葉、茎、花梗、根部など。

主な症状

角型~不整形で、淡黄色~灰褐色・灰白色などをした、ややへこんだ水浸状病斑が多数できて枯れこむ。株の下方から発病し、徐々に上方に広がることが多い。
葉に発生した場合、病斑が葉脈で区切られたり、葉脈に沿うようにして現れる。病斑が破れて穴があくことはない。多湿になると、病斑上または裏側に、白色~灰緑色・淡紫色~黒紫色などをしたカビを生じる。

ダイコンの場合、根部にも不整形で褐色の病斑ができ、その表面に亀裂を生じる。
ネギ類では、病斑が不鮮明なまま、葉全体が黄色くなって枯れることがある。

対策

被害部分を全て除去し、薬剤を使用。


【薬剤】【散布】ICボルドー、Zボルドー、アミスター10、アミスター20、アリエッティ、アリエッティC、アリエッティボルドー、エムダイファー、園芸ボルドー、オーソサイド、オキシラン、オキシンドー、カーゼートPZ、カスミンボルドー、カッパーシン、キノンドー、キャプタン、クプラビットホルテ、グランサー、グリーンダイセンM、グリーンビセットDF、グリーンペンコゼブ、コサイド3000、コサイドDF、コサイドボルドー、サンドファンM、サンボルドー、サンヨール、ジマンダイセン、ストロビー、ターフトップDF、ダコニール1000、テレオ、ドイツボルドーA、ドウグリン、トップグラスDF、トップジンM、トリアジン、ナレート、パスポート、ビスダイセン、フェスティバルM、プラタン、ブリザード、フロンサイド、フロンサイドSC、ヘリテージ、ペンコゼブ、ホライズン、ポリオキシンAL、ポリキャプタン、ポルックス、有機銅、ラビライト、ランマン、リゾレックス、リドミル、リドミルMZ、リドミル銅など。

【注意点】薬害が出るので、ハクサイには銅剤を使用しない。

予防策

土の水はけを改善する。密植を避け、通風を改善する。肥料不足を改善する。株元をマルチングするなどし、清潔に保つ。株に水をかけない。十分な日照を確保する。窒素過多を避ける。使い古しの土に植えない。連作を避ける。

ウリ類の場合は、一度にたくさんの果実を成らせない。耐病性品種を栽培する。
ハクサイ、ホウレンソウでは、耐病性品種を栽培する。


【薬剤】【散布】上記と同じ。樹木類は、冬季に石灰硫黄合剤を散布。

主な被害植物

【草花・鉢花】アスター、キク、スミレ、パンジー、ヒマワリ、ベゴニア類、ヘチマ、マツバギク、ラナンキュラスなど。

【樹木・果樹】バラ、ブドウなど。

【ハーブ・野菜】エダマメ、カブ、カボチャ、カリフラワー、キャベツ、キュウリ、コマツナ、シュンギク、シロウリ、スイカ、ソレル、ダイコン、タマネギ、トウガン、ニガウリ、ニンニク、ネギ、ハクサイ、ブロッコリー、ホウレンソウ、ホースラディッシュ、マクワウリ、ミツバ、メロン、ユウガオ、レタス類、ワケギなど。