腐敗病(糸状菌性)
糸状菌による病害。ピシウム属菌やフザリウム属菌などによる。高温多湿の条件で発生しやすい。
「腐敗病」と名が付く病気は数多く、また、糸状菌によるものと細菌によるものがあるが、症状で区別するのは難しい。
発生時期
4~10月
被害箇所
地際部分、葉、根、ランのバルブなど。
主な症状
褐色~黒褐色・赤褐色などをした不整形の病斑ができ、軟化腐敗する。病斑上には、褐色~白色・淡橙色・淡桃色などをしたカビを生じる。病斑と健全部の境界は鮮明。被害株の茎を切断すると、維管束が褐色~紫色・桃色などに変色している。
対策
発病初期なら被害部分を全て除去し、薬剤を使用。病状が進行した株は周りの土とともに処分する。
【薬剤】【散布・土壌灌注】ICボルドー、Zボルドー、オーソサイド、オキシラン、キャプタン、キャプレート、クプラビットホルテ、コサイド3000、コサイドDF、コサイドボルドー、サンボルドー、テレオ、ドイツボルドーA、トップグラスDF、トップジンM、ビスダイセン、フロンサイド、フロンサイドSC、ベンレートなど。
予防策
被害株から子球や子株、挿し穂、タネなどを取らない。連作を避ける。土の水はけを改善する。通風を改善する。株に水をかけない。できれば雨に当てない。多肥を避ける。窒素肥料を控える。土に未熟な有機物を混ぜない。有機質肥料を控える。近くに被害株があれば除去する。
被害株に用いた土や器具は消毒するまで再利用しない。被害株に触った手や器具で健全株に触れない。株に無用な傷をつけない。傷を付けたら傷口を早く乾かす。雨で跳ね上がった泥が株に付かないようにする。
【薬剤】【散布・土壌灌注】上記と同じ。
主な被害植物
【草花・鉢花】インパチエンス、ホウセンカ、ユリなど。
【観葉・多肉】サボテン類など。
【ハーブ・野菜】レタスなど。
【ラン】エンシクリア、オンシジウム、シンビジウム、カタセタム、カトレア、シンビジウム、デンドロビウム、ファレノプシス、ブラサボラ、リカステなど。