材質腐朽病
糸状菌による病害。「材質腐朽病」とは、同じような症状を呈する複数の病気の総称で、菌の種類や被害箇所によって、さまざまな病名に付いている。古い木ほど発生しやすい。
腐朽部分には、さまざまなキノコを生じる。これらのキノコは、その形状から「サルノコシカケ」と呼ばれる。
発生時期
周年
被害箇所
【きぞめたけ病】幹、枝、根など。
【べっこうたけ病】地際部分、根の樹皮下など。
【幹心腐病】幹、枝など。
【幹辺材腐朽病(辺材腐朽病)】幹、枝など。
主な症状
【きぞめたけ病】内部から暗黄色になって腐朽し、ひどいと空洞ができる。外見からは発病がわかりにくい。
【べっこうたけ病】樹皮下が淡黄色~白色になって腐敗する。やがて、腐敗部分に硬いキノコを多数生じる。
【幹心腐病】内部から褐色~黒色になって腐朽が進行し、やがて大きな空洞ができる。
【幹辺材腐朽病(辺材腐朽病)】表層部から褐色~黒色になって腐朽し、次第に幹の内部へ進行する。腐敗部分は溝状に陥没し、キノコを生じる。
対策
被害部分を深めに削り取り、薬剤を使用。病状が進行した株は周りの土とともに処分する。
【薬剤】【塗布】カケンゲル、カルスメイト、ケアヘルスO、トップジンMペースト、バッチレート、ベフランなど。
【散布・土壌灌注】オーソサイド、キャプタン、グランサー、セレンターフ、バイレトン、バシタック、モンカット、モンセレン、リゾレックスなど。
予防策
株に無用な傷を付けない。剪定後は必ず癒合剤を塗る。幹や枝の傷にトタン板などでフタをしない。枯死した木本が近くにあれば除去する。土の水はけを改善する。土に未熟な有機物を混ぜない。
【薬剤】【散布・土壌灌注】上記と同じ。樹木類は、冬季に石灰硫黄合剤を散布。
主な被害植物
【きぞめたけ病】
【樹木・果樹】ヒノキ、ヒバ類など。
【べっこうたけ病】
【樹木・果樹】サクラ、ニセアカシアなど。
【幹心腐病】
【樹木・果樹】カンバ類、サクラ、マツ類、モモなど。
【幹辺材腐朽病(辺材腐朽病)】
【樹木・果樹】ケヤキ、サクラ、マツ類、モモなど。